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ドリトル先生と二本尻尾の猫

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第四幕その十二

「やっぱり」
「どうしようもないことだね」
「日本のお水は凄いよ」
「質がよくてね」
「しかもね」
 それにだというのだ。
「量が多いしね」
「だからお茶も不自由しないんだ、ただね」
「ただ?」
「幾ら日本のお水がよくてもね」
 味も質もよくてもというのです。
「生で飲んではいけないよ」
「ああ、川とかお池の水はね」
「そのまま飲んでは危ないんだ」
「中に色々いるからね」
「だからそうしたお水を飲む時はね」
 先生はお医者さんです、ですからこうしたことはちゃんと頭の中に入れています。そのうえで今もこう言えたのです。
「沸騰させないと駄目だよ」
「絶対にだよね」
「生水は怖いから」
 お湯にしないと、というのです。
「だからね」
「絶対に沸騰させてから飲む」
「そこでお茶にして飲むんだよ」
「お湯を飲んでもいいけれど」
「お湯だとね」
 先生は困ったお顔になって述べました。
「僕はね」
「先生は飲めないよね」
「飲めるけれど」
 それでもというのです。
「どうしてもね」
「お茶の方がいいよね」
「そう、だから」
 それでというのです。
「僕はお茶を飲むんだよ」
「そして他の人もだね」
「イギリス人は紅茶がないと」
 他のものがなくてもです、紅茶だけはというのです。
「どうしようもないよ」
「そしてティーセットもだね」
「そちらもあると完璧だね」
「先生食べない日はないからね」
 ティーセットをです、とはいっても最近の先生はイギリスの紅茶ではなく日本のお茶とお菓子でそれを過ごすこともあります。
「そして飲まない日もない」
「お酒は確かに飲みたいけれど」
「いつもじゃないよね」
「いつも飲みたいのはお茶だよ」
 何と言ってもなのです。
「それだよ」
「では今から淹れますね」
 トミーが先生ににこりとして言いました。
「これから」
「うん、紅茶をね」
「ミルクティーでいいですよね」
「それで飲ませてもらうよ」
 先生はミルクティー派です、先生のささやかですが確かなこだわりです。
「今日もね」
「それでは皆の分も」
 淹れると応えてでした、トミーは先生達に紅茶を出すのでした。そして先生達はそのお茶を飲みつつこれからのことを考えてもいました。 
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