IS<インフィニット・ストラトス>一人の孤独者
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1話『孤独な新入生』
~無一人Said~
「全員揃ってますねー。それじゃあSHRをはじめますよー」
そう言って黒板の前でにっこりと微笑む女性。
(なんで、俺がこんなところに入学させられねぇといけないんだよ)
俺は机に顔を突っ伏しながら、そんなことを考える。
(何もかも全てがアイツのせいだ。…………俺がここにいる全ての元凶は織斑一夏。…………つうか、周りからの視線が鬱陶しい)
「えー…………えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします」
俺がそんなことを考えていると、元凶が自己紹介をしていたようだ。
(正直どうでもいいことだ)
今更だが、俺は一人でいることが好きだ。
いや、正確には友情や仲間といったものを全て捨てたと言ってもいい。
俺は人を信じるという事が嫌いだ。
そもそも人を信じて何の徳がある。
パアンッ!
「いてぇっ!」
俺が考えに集中していると、突然頭に激痛が走った。
「貴様はいつまで寝ているつもりだ」
「…………俺は寝てない。考えていただけだ」
俺は目の前に立っている黒いスーツの女を見て、そう言う。
そして、なによりも注目するのはその女が持っている出席簿だ。
「ほーう。何を考えていたのかは知らないが、今は授業の最中だ。とりあえず自己紹介をしろ」
(誰だよ、この女は。まあ、態度的には教師かなんかだろうけど。…………つうか、出席簿からなんか煙出てるし!?俺を殴ったのはアンタかよ)
そんことを思いつつ、俺は立ち上がる。
「孤賀無一人だ。好きな言葉は孤独、一人、孤立。嫌いな言葉は友情、信頼、仲間だ。そんなわけで、よろしくしないでくれよ」
俺はいい終えると、すぐに座って机に顔を突っ伏す。
パアンッ!
「ってえ!」
俺は再び頭を押さえて顔をあげた。
「なんだ、今の自己紹介は!」
「自己紹介は人それぞれだろ?文句を言われる筋合いはねえよ」
「…………はあ、まあいい。SHRは終わりだ。孤賀、お前はもう少し周りと仲良くしろ」
(………………また、これか。仲好くして何がいいんだか)
そんなこんなで俺の新たな生活が始まった。
「あ~、孤賀?」
「……………………」
俺は呼ばれるが無視する。
「なあ、孤賀!孤賀ってば!」
「…………なんだよ、うるさいんだよ」
俺が顔をあげると、そこにいたのはこんなところに入学させられる元凶となった人物。
「男は俺達二人だけなんだし、仲好くしようぜ」
「………………お前は俺の言った事を聞いてなかったのか?友情、信頼、仲間って言葉が大嫌いなんだよ」
「で、でもよ」
「俺から言えるのはこれだけだ。俺に関わるな。わかったなら、さっさとどこかに行け」
俺はそう言うと、もう一度机に顔を突っ伏した。
(鬱陶しい連中だ。何が仲好くだ、そんなもんは俺には必要ねえんだよ)
俺は心の中でそう言うと、眠りについた。
後書き
次回、2話「孤独者とイギリスの貴族(笑)」
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