フリージング 新訳
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第23話 Machination 2
前書き
お久しぶりです。遅れてしまい申し訳ありませんでした。いろいろあったのですよ。新しくアニメがいろいろ始まって、それが面白すぎたりして。カズトさんの今後をどうしようかと考えたりして。
てな訳で最新話です。
「いやぁ、ご迷惑をおかけしました。」
ぺこりと頭を下げながら、カズトはヒイラギ、アーサーと共に遅めの朝食を取っていた。因みにバーガークイーンではない。二人がいるのは、特例で許してもらったからだ。
「迷惑かけたのはこっちだよ!本当に大丈夫だったの⁉︎」
「ああ、平気平気。もう腹の傷も治ったし。」
腹部の辺りを摩りながら、ニヤリと笑った。実際は、完全に傷が塞がったわけではなく、表面の組織だけを無理矢理繋ぎ合わせて、見た目だけ大丈夫なようにしているのだ。
「で、ヒイラギさんは大丈夫だった?」
「私は平気だよ。軽い打撲程度だったから。」
「そっか、よかったよ。」
安心したようにカズトは微笑む。
その笑顔は、元気なカズトにしては、あまり見せないような優しい笑み。
それは、同性であるアーサーですら一瞬見惚れるような魅力を放っていた。
「どうしたよ、二人とも。」
ボーッとしている二人に、カズトが言うと、どちらも現実に帰ってくる。
「平気か?」
「へ、平気平気‼︎全然問題ないよ‼︎」
少し顔を赤らめてはいるが、本人が平気と言うのならば、きっとそうなのだろうと、カズトは納得していた。
ふと、昨日のおかしな少女のことが思い出される。彼女はあの後どうなったんだろうか?
*****************
その頃のサテライザーは、グラウンドの茂みで、自分のクラスの体育を見学していた。本当は参加しなければならないのだが、彼女はいつもサボっている。
「それでは、今日は簡単な模擬戦をしてもらいます。」
担任のその掛け声で、二人の生徒が出てくる。1人は、カーニバル二年生1位になった、ガネッサ・ローランド。 いや、その後サテライザーに倒されたので、実質2位なのだが、その顔は自信に満ち溢れている。
そちらは別にいい。実力もある程度は知っているからだ。
気になるのはもう1人の方。カズトを運命の相手などと言った女。ラナ・リンチェン。彼女の顔も、自信に満ち溢れ、負けるわけがないと言っているようだ。
正直言って…気に食わないのだ。
「それでは、始め‼︎」
教師の掛け声と共に、二人の武装が展開される。ガネッサの方は毎度お馴染みの『束縛の鎖』
対して、ラナ・リンチェンの武装は簡素なものだった。両手両足に付けられた銀のブーツとグローブのみだった。
だが、その武装には無駄な装飾などは一切無いが為に、その強靭さを表している。その武器は、名を『四念』と呼ぶ。
ガネッサが鎖を飛ばし、ラナを攻撃する。その鎖の動きは、以前戦ったときよりも格段に進化しており、今ならすべてを避けきるのは、カズトにも難しいだろう。
しかし、ラナはそれをやってのけた。襲いかかる4つの鎖を軽々と避け、ダッシュでガネッサへと接近する。
この感覚を、ガネッサは経験したことがあった。
あれは、カズトとの戦闘時。負けることはないと、たかをくくっていた自分に、力の差を見せつけた少年。
だからこそ、もう油断もしなければ、相手を侮りもしない。
ラナの武装はグローブにブーツの二つ。明らかに接近戦重視の物。形状は全く違うが、本質的にはサテライザーやカズトと同じだ。攻撃範囲は、せいぜい手足の延長線程度。
ーだったら……
二つの鎖を操作し、後方7メートルほどの場所にアンカーを突き刺し、それを利用して後ろに飛び退く。それによって、ラナの拳はガネッサを捉えることなく、空を切った。
そして、新しく作り出した3つの鎖を操作しラナへと追撃する。
速度は今までの2倍。普通ならば直撃コースだが、ラナには鎖の軌道が見えていた。だからこそ、真っ向からアンカーを、
「ハァッ!」
殴り壊した。それにはガネッサも少し驚いたが、何しろカズトのような前例があるゆえ、驚いただけだ。すぐに平静を取り戻す。
「やりますわね。田舎の女にしては。」
「貴女こそ。ここまでやるとは思わなかったであります。」
お互いに油断せず、ジリジリと距離を詰める。
「当たり前ですわ。ここを何処だと思ってますの?」
そう言うと、ラナはまるでガネッサを挑発するように、クスリと笑いながら言った。
「さぁ?どこでありましょうかね?」
ビキッと、ガネッサの顔に青筋が入る。
まるで、自分たちのことなど他愛ない者。そう言われた気分になったのだ。
だから、本気を出した。
四つ展開した鎖は、それぞれが別々の速さで同時にラナへと襲いかかる。
全て同じ速度ならば避けるのは容易かっただろう。
だが、タイミングをずらされ避けきれず、弾ききれず、それがラナの体の各所に直撃する。
ズガガガン‼︎
派手な音と共に、ラナが膝をつく。周りの生徒がどよめき、勝負はついたかのように見える。だが、その中でも、ガネッサとサテライザーの二人だけは、緊張をとかなかった。
理由は簡単。ガネッサには今の攻撃が
直撃したというのは、見た目だけだとわかっているからだ。
そして、サテライザーには、ラナの目が、負けた者の目には見えなかったからだ。
「フゥ………」
ゴキリと首を鳴らし、不敵に笑う。もう一度拳を構えた。
「行くでありますよ。」
そして、ラナの姿がブレた。
その速度はまるでアクセルのもの。速すぎてガネッサでは追いつけないのだ。
「くっ、だったら‼︎」
追いつけないのなら、追いつかなければいい。問題は追いつくことではなく、攻撃を当てることなのだ。
全方位へと束縛の鎖を展開し、全体へと攻撃をかける。これならば当たる。
そのはずだった。
目で追えないから耳で聞くしかない。
だが、ラナに直撃した音が全く聞こえない。聞こえてくるのは、破砕音。もちろん鎖のアンカーが砕かれているのだ。
何度も何度も。その音が近づいてくると共に、ラナの姿が確認できる。
距離は殆ど無いに等しい。
「こんな距離でのパンチなんて‼︎」
「そうでありますか?」
ガネッサへと近づいたラナは、小さく拳を構えた。
その瞬間、ビリッと空気が振動した。
だが……
「そこまで!」
担任からの声でラナの拳が止まる。
結局、勝敗はつかなかった。内容的に見れば、ガネッサの勝利。ラナの善戦、と言ったところだろう。
しかしそれは、あくまで周りの意見だ。ガネッサとサテライザーの意見は違う。
二人だけは気がついていた。あの時、あの瞬間、ラナ・リンチェンが何かをしようとしたという事に。
後書き
次回は先輩三人衆登場です。あの三人の中では4位の人が結構好きです。
一番はサテライザーさんですが……
では、今季のアニメの感想を。
俺ガイルは見てると辛いです。八幡はもっと幸せになってくれても良いと思うのです。
fateはヤバイです。毎回鳥肌立ちまくりです。この前はバーサーカーのかっこよさに泣きました。
ニセコイはやっぱりみんな可愛いですね。一番は小野寺さんです。
トリアージXは、作者が作者なだけにいろいろとアレですね……はい。
ミカグラはよくわからないけど面白いですね。
終わりのセラフは、原作開始からアニメ化を期待してたので、嬉しい限りです。
長門有希ちゃんの消失は長門有希ちゃん可愛すぎです。
こんなところですかね?続きはまた次回。アンケートもまだまだやってます‼︎
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