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オズのベッツイ

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第四幕その五

「この人達がそうなのよ」
「本当に頭の形がダイヤなんですね」
 恵里香は出迎えてくれたその人を見つつ言いました。
「お身体はハートで」
「そうなの、それで薊を食べているのよ」
「成程、そうですか」
「私は兵士です」
 その人が言ってきました。
「この国の」
「そうなんですね」
「番兵です、そしてココ=コーラム王にお仕えしています」
「じゃあ今から」
「はい、王の御前に案内します」
 こうお話してでした、そのうえで。
 一行はお国の中に案内してもらいました、そのお国にいる人達も皆ダイヤの頭の形にハートの形のお身体にです。
 細い手足と大きな目、そして小さなお鼻とお口です。足にはサンダルがあります。
 その人達がです、口々にベッツイ達に声をかけてきました。
「王女様お久しぶり」
「ハンクさんも元気そうだね」
「猫さんも相変わらず奇麗だね」
「それでその子供達は?」
 五人のことも尋ねるのでした。
「はじめて見ますけれど、どの子も」
「一体どういう子達ですか?」
「私達の友達よ」 
 そうだとです、ベッツイが皆にお話します。
「この子達はね」
「ああ、王女さん達のお友達で」
「そうなんだね」
「悪い子達じゃないから」
 このことも言うベッツイでした。
「皆も仲良くしてあげてね」
「うん、じゃあね」
「これから宜しくね」
「見たところベッツイ王女より少し年下だね」
「悪い子達じゃなさそうだね」
「はい、宜しくお願いします」
 五人も皆に挨拶をします。
「これから」
「そうしてね」
「じゃあ今からね」
 ベッツイが五人に言ってきました。
「ココ=ローラムのところに行きましょう」
「はい、それじゃあ」
「今から」
 五人もベッツイに応えてでした、そのうえで。
 王宮に入るとです、そこには一際立派な身なりの人がいました。その人はすぐにベッツイのところまで来て声をかけてくれました。
「ようこそ」
「お久しぶりね、ココ=ローラムさん」
「うん、来てくれて何よりだよ」
 ココ=ローラムはにこりと笑ってベッツイに応えます。
「我が国に来てくれて」
「そう言ってくれると嬉しいわ」
「うん、今回来てくれた理由は何かな」
「実は私達これからウーガブーの国に行くの」
「また遠い場所に行くね」
「黄金の林檎で作ったジャムを貰いにね」
 それでというのです。
「あの国に行くの」
「成程、それでその途中にだね」
「この国に立ち寄ったの」
「そうか、道中幸あらんことを」
「有り難う、楽しい旅を続けるわ」
「そうしてもらえると何よりだよ」
 ココ=ローラムはベッツイ達に笑顔で言うのでした。
「僕にしても」
「旅は安全に楽しくよね」
「そう、冒険はね」
 その二つを同じものとしてです、ココ=ローラムは言うのでした。
「楽しまないとね」
「そういうことね」
「折角来てくれたし」
  ココ=ローラムのペースでお話が進みます。
「何か楽しんでいくかい?とはいってもね」
「食べものはね」
「うん、君達は薊を食べられないからね」
 ココ=ローラムもこのことはわかっています、ベッツイ達を何度も迎えて楽しい時間を過ごしてきているからです。
「他のものでいいかな」
「ええ、テーブル掛けを持ってきてるわ」
 ベッツイがココ=ローラムの問いに答えました。
「だから安心して」
「わかったよ、じゃあパーティーを開こう」
「それじゃあね」
 こう楽しくお話してでした、そのうえでなのでした。
 一行はココ=ローラムと一緒に楽しいパーティーに入りました。そしてそのパーティーの中でなのでした。 
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