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ドリトル先生と二本尻尾の猫

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第四幕その一

                 第四幕  若い二人
 先生のお話を聞いてです、トミーと王子、そして皆はこぞって言いました。
「それはまた」
「何ていうか」
「先生にしては珍しい」
「ちょっとこれまでなかった」
「いや、先生がそうしたこと頼まれるって」
「意外ね」
 こう言うのだった。
「ちょっとね」
「そうしたことあるんだ」
「いや、それって」
「それって何ていうか」
「うん、僕も自分で意外だと思ってるよ」
 お家の中で、です。先生はこう言うのでした。
「けれどね」
「頼まれたら」
「それでなんだ」
「それでその恋を適える」
「そうするんだね」
「まずはその娘がどんな娘か知って」
 そして、というのです。
「相手の人もね」
「そうそう、どんな人か」
「まず知ることがね」
「大事だよね」
「何て言っても」
「僕は恋愛には疎いけれど」
 それでもと言う先生でした。
「それでもね」
「こうしたことはね」
「二人のことだからね」
「男女の」
「そうしたものだから」
「相手の人も知らないから」
 それで、というのです。
「だからね」
「それじゃあ」
「まずはお互いのことを知って」
「そうしてそのうえで」
「どうするか考えて」
「そして調べる」
「そういうことだね」
「うん、そうしよう」
 是非にとお話してです、そうしてでした。
 先生は二人で調べてでした、それからどうするかを考えました。その先生にです。
 皆はです、こう言いました。
「じゃあ僕達もね」
「いつも通りね」
「先生と一緒にね」
「出来ることをやらせてもらうよ」
「済まないね、皆もこうしたことには疎いと思うけれど」
「疎くてもね」
 それでもとです、最初に言って来たのはトートーでした。
「皆がいればね」
「そう、強いと思うよ」
 続いてホワイティが先生に言いました。
「それだけね」
「そうそう、いつもそうじゃない」
 ダブダブも先生に言います。
「皆だとね」
「力になる筈よ」
 ガブガブもそうしたことは疎いにしてもでした。
「先生だけ、私達だけよりもね」
「確かに僕達にとってはじめてのことだけれど」
 ジップは恋の橋渡し役のことから言います。
「けれど集まればだよ」
「強いわよ」
 ポリネシアは太鼓判を押しました。
「誰よりもね」
「私達のそれぞれの能力と先生の頭と性格」
「もう無敵じゃない」
 チーウサイドの一家の言葉です。
「これまで何でも乗り越えてきたし」
「今回のことがはじめてもだよ」
「先生、僕達もどうなるかわからないけれど」
 チーチーの今の言葉はとても優しいものです。
「まずはやってみることだよ」
「そう、まずは動こう」
「それぞれの出来ることでね」
 オシツオサレツの二つの口も先生に言います。 
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