詩集「棘」
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川面に流る月のように
瑠璃色の空 夜と朝の中間
夢と現のあやふやな境界線
こんな淡い時刻には
否が応にも考えてしまう
不意に家を出て歩く
どこへいたって 淋しいことに変わりない
川面に流る月のように
ただ ゆらゆらと漂うだけで…
君と見た夕べの星空 雪降る夜闇…
そんな想いに更けて 巡りゆく刻は明ける
朱色の空 焦がすような紅
山並みへとその身を落とす太陽
とても曖昧な世界で
一人の影を追い掛けてしまう…
ふと足を向けた河原
あてもなく 想いに縋って歩くだけ…
川面に映る月のように
君の姿 揺らめいては消える
暮れゆく時の狭間 一人立つ僕…
優しく風は吹きて 巡りゆく刻は過ぎる
どれ程の想いなら認められる?
愛することはただの幻想?
全てが違い過ぎた君と僕は…
川面に流る月のように
ただ ゆらゆらと揺らめくだけで…
誰もいない風景の中 取り残された影
どこへ逃げようとも 巡りゆく刻は来る
川面に流る月のように
ただ きらきらと映る幻…
君と居た一瞬の現 語った夢
そんな記憶を胸に 巡りゆく刻を見つめてる…
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