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戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー

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第十六話 町田大尉!!路線変更はどうなる!その二十

 尚武は卓球のラケットを持ったままだった、そのうえで。
 その場で独楽、いや竜巻の様に激しく横に回転した。そうして超高速で動いてだった。
 風を起こしてだ、その風で。
 町田が打つそのボールの勢いを止めた、ボールは丁渡尚智の目の前で止まった。しかもその風で塵が起こり。
 町田の目に入った、まさにそれがだった。
「よし、兄貴!」
「ああ、今だな!」
「決めろ!」
「そうしてやるぜ!」
 こう話してだ、そして。
 尚智はそのボールを己のラケットで打った、そしてそのボールは。
 町田のコートに落ちた、それこそがだった。
 勝負の終わりを示すものだった、そして一点入ったその直後に。
 ホイッスルが鳴った、ジャスティスカイザーの勝利だった。唖然とする観客達の前で二人は小躍りして叫んだ。
「よし、やったぜ!」
「俺達の勝利だぜ!」
「見たか俺達の作戦!」
「今回もズバリ的中だぜ!」
 こう小躍りして叫ぶのだった。
「やっぱり戦いは頭だな」
「卓球のピンポン球は風に影響されやすいからな」
「それを応用したらな」
「こうしたことも出来るんだよ」
「空調機が使えないのなら自分達で起こす」
「そうすればいいんだよ」
 まさに発想である、機械で駄目なら人力だ。
「どうだ!俺達の頭のよさ!」
「読者は俺達を褒めろ!」
「ついでに作品中のモブ共もな!」
「日帝衆じゃなくて俺達応援しろ!」
「路線変更なんてなしだ!」
「俺達が主役のままでいるぜ!」 
 叫ぶ続けそしてだった、今度は尚智が尚武に言った。
「じゃあいいか」
「ああ、いつものあれだな」
「最近じゃヤッターマンの勝ち名乗りに匹敵するとまで言われているな」
「俺達が勝手に言っているな」
 主役、ではなく悪役三人も遂に代替わりの時が来た。喜多村英梨さんの色気のある声での演技に期待したい。
「それをやるか」
「今回もな」
 こう言い合ってだ、そして。
 二人は府立体育館の中から瞬時にだった、その舞台を。
 白波打つ海の中に移転させてだ、岩場の上においてそれぞれ腕を組んでポーズを決めてだ。高らかに言った。
「正義は勝つ!」
 こう宣言して意気揚々と府立体育館を去ろうとする、だが。
 ここで二人の前にだ、先程試合中に出て来たなんばパークスの従業員のおじさんが来てだ、こう二人に言った。
「貴方達はなんばパークス出入り禁止です、クロスアンジュの兄妹と赤髪の母親と同じく」
「おい、幾ら何でも俺達あそこまで屑じゃねえぞ」
「あのレベルまでいってねえぞ」
「おっさんそこまで言うか」
「そこまで言うと名誉毀損だぞ」
 こう抗議する二人だった。
「それに中の鳥海さんや東山さんだったら大歓迎だろ」
「弱虫ペダルや猫山さんだったらな」
「俺達はアウトかよ」
「それはねえだろ」
「ちっ、ここはやっぱりな」
「変身解いてから中に入るか」
 最初からの予定通りではある。
「仕方ねえな、サイン会開くつもりだったけれどな」
「残念だぜ」
「アホ!誰が御前等のサイン会行くか!」
「毎度毎度どっからそういう考えなるんや!」
 また抗議する観客達だった。
「御前等なんばパークスに来たら出入り禁止の前にわし等がしばく!」
「そのまま簀巻きにして道頓堀に放り込んだるわ!」
「それか南港や!」
「南港で鮫の餌になれや!」
「おう、そう言っていられるのも今のうちだぜ!」
「その罵声後悔させてやるぜ!」
 二人は今回もモブの人達に中指を立てて言い返す。
「ヒーローの俺達の素晴らしさを見てな!」
「絶対にそうなるからな!」
「覚悟してろ!」
「一生後悔するって言っておいてやるぜ!」
 こう言ってだ、そして。
 二人は府立体育館を出て物陰に隠れて一瞬で元の姿に戻ってなんばパークスに向かった。その姿では誰も気付くことはなかった。


第十六話   完


                        2014・11・30 
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