私は構わない
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私は構わない
朝9時。日もだいぶ高くなり、これ以上寝かせる訳にはいかないと、自分のベットでスヤスヤと気持ちよさそうに眠っている彼女を起こしにいく。
「96ちゃーん。そろそろ起きないと」
「ん……てんちょー……」
まだ寝たいのか布団の中へ潜っていく。朝の強い店長と違って96猫は朝にとても弱い。まぁ今日はそれだけが理由ではないが。
「昨日は無理させちゃったもんな……」
小さく呟きながら96猫の腰あたりをなでる。久しぶりのせいか昨日は自制が効かなかった。だが96猫は東京店長は山口。店長がライブやイベントがない限り会えない。となれば久々に恋人に会えたのだ結果としては当然だろう。
「96ちゃん、さすがにもう起きよ?」
腰を撫でていた手に少し力を入れる。するとゆっくり起き上がってきた。
「おはよう、96ちゃん。はいお水。」
「ありがと。」
水を受け取りゴクゴクと喉を鳴らしながら飲んでいる。それだけ喉が乾いていたのだろう。やはり無理をさせてしまったと少し落ちこんでしまう。
「店長気にしすぎだよ」
表情で察したのかすかさずフォローをいれる。
「でも本当にごめん。久々に会ったから自制が効かなかった。」
「私は嬉しかったし良いよ。」
満面の笑みで言われては言い返すことは愚か今すぐ死んでしまいたい気分だった。きっと自分が何を言ってるか分かっていないのだろう。そんなことを店長が思ってるなどつゆ知らず。何も言わず顔を手で覆っている状態で固まっているせいでずっと問いかけていた。その姿もまた可愛いと思ってしまう店長はもう末期なのだろう。
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