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インフィニット・ストラトス 乱れ撃つ者

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実力

でもって次の日



「…………」


「…………」


「え~と、皆さん今日も嬉しいお知らせです。 また一人、クラスにお友だちが増えました。 ドイツからきた転校生、ラウラ・ボーデヴィッヒさんです」


山田先生の隣に立つ銀髪の少女。
ラウラ・ボーデヴィッヒ、ドイツのIS配備特殊部隊『シュヴァルツェ・ハーゼ』の隊長。階級は少佐
俺は内心でやっぱり来たなと教室の最後列から見ていた。


「ラウラ、挨拶をしろ」


「はい、教官」


彼女が織斑先生を教官と呼ぶのは、織斑先生がドイツにいたころに教えを受けたからなのだろう。
出来損ない扱いされていたラウラを部隊最強に返り咲かせたとされている。



「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」


一言。 名前だけを名乗ったボーデヴィッヒは教室の静寂も何のその。山田先生も困り果てて、それだけですかと聞いたが、返された言葉は以上だの一言のみ。


そこで、ボーデヴィッヒの瞳がある人物を捉えた。言わずもがな一夏である。


何かを呟いたボーデヴィッヒ。 ここからではよく聞こえないが、次の瞬間にはその手で一夏の頬を打った。
パシーンッとけっこう良い音が教室に響く。
箒さんやオルコット、シャルルも驚愕の表情を浮かべていた。


「貴様があの人の弟など、私は認めない。 認めないぞ」



ボーデヴィッヒの一夏を見る目は冷たかった。 敵を見るような右目の視線は小動物くらいなら殺せるんじゃないかと思えた。













「こう、ガーン!とだな、ドン!バーン!とやるんだ!」


「そんなもん感覚よ感覚。 はぁ? 何で分かんないのよ!?」

「防御するときは左足を斜め前方に45度、回避の時は斜め後ろに5度ですわ!」



「…………」


場所は変わってアリーナ。
俺はシャルルとともに目の前の光景を見て、苦笑いを浮かべていた。
原因は箒さん、凰、オルコットの一夏への指導を見ているから


「正直に言うぞ、全然わからんっ!!」


ついに一夏が悲鳴をあげた。


「な? 合ってねぇだろ?」


「そうだね……ここまでとは思わなかったよ……」


だろ?と俺もその言葉に同意する。
実際に、近くで話を聞いていると、ほんとどうしていいのか聞かない方がマシな気さえしてくる。
まぁ、俺は加賀さんという俺の親代わりでもあり、協力者でもある存在がいたため、苦労はしなかった。……まぁ、訓練という名の地獄ではあったが



はぁ、とため息をついたシャルルはその場でISを展開させた。
ラファールリヴァイヴカスタム2
フランスの第二世代で、うちの学園にもあるラファールリヴァイヴをカスタムしたものだ。
さすが、デュノア社と言いたいものだ。


「模擬戦でもやんのか?」


「うん。 白式と戦ってみたいしね。 中もどう?」


「どうしようかねぇ……一夏の後で考えるよ」


俺のその言葉に分かったと頷いたシャルルは三人娘にあーだこーだ言われていた一夏のもとへ。
これ幸いと一夏もシャルルの提案にのっていた。……後ろの三人娘は不満そうな顔であったが、それはしゃぁない。 俺もあの状況なら同じ選択肢を取る



アリーナの中央に移動し、対峙する二人。
その様子に周りのクラスメイト達も、今から何をするのか察したのか騒がしくなった。
シャルルの専用機を見て、はしゃいだりしているのだろう。


三人娘も今は大人しい。が、やはりまだ不満はあるようだった。


ちなみに俺はアリーナの端っこで二人の様子を見ていた。
一応、原作通りになるとは限らない。 何が起きても対処できるように俺は一人辺りをアサシンの力で警戒し、サバーニャもすぐに展開できるようにしてある


模擬戦は一夏が動いたことで始まった。
斬りかかる一夏だが、シャルルは簡単にそれをいなす。
そして、シャルルはそのまま上空へ。 近接武器しかない一夏はついていくしかないため、その後を追った。


だが、そこからは一方的。 攻撃は当たらない。 シャルルの銃撃戦に成す術なし。
俺は上空で繰り広げりているその戦いを見て、思った。
慣れているな、と。 一夏ではない。シャルルのISの操作が、だ


(これは、一回戦ってみるのもありかもな?)


シャルルからすれば、恐らくだが一夏や俺のISの情報を少しでも知りたいがためにこんなことをしているのかもしれないが、生憎、俺のISとなっているサバーニャは他のものとはかなり違う。
ちょっとやそっとで簡単にバレるような設計ではないのだ。 流石、ゴッドパワー


「はぁ、また負けたぜ……」


「まぁ、仕方ないよ。 一夏はまだISにのりはじめてそう長くないんだからさ」


「この学園の男の中で、俺が一番弱いとか……」


なんか、模擬戦を終えて戻ってきた一夏の落ち込みようが凄い。


「まぁ、あれだ。 お前はもうちょいしたら急成長とかすんじゃね?」


「だといいんだけどな……。 なぁ、中はシャルルとやらないのか?模擬戦」


一夏のその言葉に、周りで話を聞いていたクラスメイトたちも確かにといった顔で俺を見る。
三人娘、とくに凰の奴は俺のことを全く知らないようで隣の箒さんやオルコットに何かを聞いていた。
多分、前の一夏との勝負のことを教えているのだろう。
変なものを見る目で見られたことは甚だ不本意ではあるが


「まぁ、暇だし、いっちょやるか?」


「中がいいなら、僕は大歓迎だよ」


そうかと言って、俺はアリーナの中央に向かう。
あ、一夏に言っとくことあったな。

「なぁ、一夏。 最初に言わせてもらう。 すまん」


「? 何で謝るんだよ」


急に謝った俺を首をかしげて見る一夏。
男が首をかしげても可愛くないぞと言ってやりたいが、まぁ、いいだろう



「この間の勝負のことだ」


「あぁ、あれか。 何かあったのか?」


「正直に言う。 俺はあのとき、かなり手を抜いていた」


「……は?」

一瞬何を言われたのか分からなかったのだろう。
だが、少し経つと事情が飲み込めたのか、今度は驚きの顔で俺を見ていた。


「あ、あれで手を抜いていたっていうのか?」


「ああ。 勝負相手になめ腐ったことをして申し訳なかった」


すまない、と頭を下げる


「だが、次からは真面目にやるつもりだ。 だから、このシャルルとの勝負で対策でも考えておけよ? 近接武器しかないお前じゃ、俺には絶対勝てないからな」



「ちょっと! あんた、何気取ったこといってんのよ!」


話を聞いていたのか、凰のやつがキレた。
だが、一夏は分かったと頷いたため、俺はシャルルの待つ中央へ


「それじゃ、始めようか。 そういえば、中のISってどんなの?」


「あぁ、ちょっと待ってろよ」


意識を集中すれば、一秒もかからずにサバーニャが展開される。
一夏の時とは違い、今度はちゃんとホルスタービットも着いていた。


「……第三世代、サバーニャ。……へぇ、中、遠距離タイプの機体なんだね」


「まぁな。 シャルルみたいなオールラウンダーと戦える機会もあんましねぇから、頼りにしてるぜ?」


両手にセンサーとグリップを着けたピストルビットが二丁。
チラリと一夏の方を見れば、以前とは違う部分、ホルスタービットの方に注目していた。
まぁ、見た目的にいえば変わってるのはそれぐらいだよな


「それじゃ、早速始めるよ!」

「おうよ! かかってこいよ!」


アリーナで、オレンジとグリーンの機体が同時に動いた 。
まずは、シャルルの方が銃で牽制の発砲。
俺はそれを後ろに下がりながら上手く避けていく。
反撃に二発。両手のピストルビットで一発ずつビームを放った。


だが、なんなくそれを回避し、シャルルは上空へ。
俺も後をおう形になるが、有利にはさせねぇぞ!


「喰らえよシャルル!!」


両肩に取り付けられているホルスタービット、そこから四つのピストルビットが射出され、即座にシャルルを取り囲む。


「BT兵器っ!?」


驚くシャルルだが、構うものか。
四方からビームを放つ。
だが、流石シャルルと言いたい。 なんせ、あの攻撃を一つだけ盾で防ぎ、残りを上手くいなしたのだ。


「中はBT兵器を使うんだね……でも、それ使ってる間は君
は動けないだろ?」


「そう思うか?」


ニヤリと含みのある言い方をする。


「なぁ、シャルルよ。 まさか、俺の攻撃がもう終わりとか思ってねぇだろうな?」


「……どういう意味だい?」


「こっから先はずっと俺のターンってことだよ!!」


残りのホルスタービットに収納されていた八つのピストルビットを一斉に展開する。
全部で十四のビットは俺の周りを取り囲むようにして銃口をシャルルに向けた。


「っ!? まさか、それ全部操作できるとか言わないよね?」


「そのまさかってやつだが?」


「き、君は、それがどれだけ非常識なかとか分かってるの? 」


まさに脳量子波さまさまである。



「まぁ、そんなことはいいさ。 続きといこうじゃねぇか!」





十四のビットを動かし、俺も動く。
ビットによる一斉に射撃や大量のマイクロミサイルを駆使し、結局この勝負は俺が圧倒することになった











「……あいつ、ほんとに何者?」


「さぁ、ゴッドカンパニーが実家で世界で二人目のIS操縦者ということしか……それと、お強いですわ」



「一夏、お前は?」


「……なんか、うん。ほんとに手加減されてたんだなって思うな。 あれ見ると」


中達が争うその下で、一夏はただ呆然とその様子を見ていた 
 

 
後書き
更新が遅れて申し訳ない!
だから、今回は長めにしたから許してちょ! 
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