詩集「棘」
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
たった一人の休日
春先の冷たい雨
目の前には冷めた珈琲
人波の喧騒に
心 追いつかない…
考えないようにしているつもりで
いつも君を想い出す
それがとても…辛くて…
たった一人の休日を
僕は自由に過ごせない
どこへいても想ってしまう
君のいない休日を
ただ一人…噛みしめる
芽吹く春の草花
解けた雪の小さな流れ
人知れずうつろい逝く
君のいない時間
もう重ならないありふれた日常を
どうにか僕はやり過ごす
それがとても…苦しくて…
この一人の休日を
君と一緒に過ごせたら
きっと僕は幸せで…
ここに君のいない日々
ただ一人…噛みしめる…
たった一人の休日を
僕は自由に過ごせずに
君とのことを思い出す
黄昏逝くこの世界
ただ一人…眺めてる…
ページ上へ戻る