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仮面ライダー鎧武 信じた道

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第二十六章

「戦いは終わったがな」
「ああ、今の戦いはな」
「それだけだ」
「肝心の奴が出て来ていないからな」
「そうだ」
 だからだというのだ。
「これで終わりと思うな」
「そういうことだよな」
「いるな」
 バロンは自分達の前を見て問うた、その相手に。
「既に」
「ふむ、わかっているのだね」
 ここで新たな声がした、声だけだが。
 その声がだ、こう言うのだ。
「私のことが」
「既にな」
 バロンはその声の主に答えた。
「だから残っている」
「そうか、ではな」
「ここでやるつもりか」
「いや、それは明日にしよう」
「明日か」
「今日君達はかなり戦った」
「貴様が出したインベス達とだな」
 バロンはこう声の主に答えた。
「だからか」
「明日にしよう」
「貴様との戦いはか」
「そう、明日君達を面白い場所に案内する」
「そこは何処だ」
「あの森だよ」
 声の主は楽しげな声でだ、ライダー達に答えた。
「ヘルヘイムの森にだ」
「あそこに俺達を案内してか」
「戦おう」
「あの森でか」
 鎧武はその言葉を聞いて言った。
「あんたと戦うんだな」
「その通りだよ」
「俺達全員とか」
「そうしよう」
「わかった、しかしあんたは本当に」
「戦いを楽しみたいのだよ」
 声の主は鎧武が言いたいことを察して自分から言った。
「もっと言えば戦いを通して君達人間を見ることを」
「そうだよな、あんたは」
「そう、だから明日また君達を見る」
 ヘルヘイムでの戦いを通じてというのだ。
「そうさせてもらおう」
「じゃあ明日な」
「会おう」
 こう鎧武に告げてだ、声の主はその気配を消した。そして。
 その後でだ、ライダー達は。
 その姿を元に戻した、そのうえで。
 光実は葛葉のところに駆けて来てだ、彼にあらためて言った。
「紘汰さん、よく」
「ああ、あっちの世界のこともあるけれどな」
「戻って来てくれたんですね」
「どうやらあっちの星と掛け持ちになりそうだよ」
「掛け持ち、ですか」
「インベスと一緒にいてな」
 そしてというのだ。
「地球にも来てな」
「今みたいにですね」
「スサノオと戦うことになったんだよ」
「そうなんですね」
「黒衣の青年さんにお願いされてさ」
「そうなったんですか」
「ああ、だから地球にいる時はこれからも宜しくな」
 葛葉は微笑んでだ、光実に言った。
「そしてあいつと戦おうな」
「スサノオと」
「人間としてな」
 二人で笑って話した、そしてだった。
 駆紋もだ、自分のところに来たザックとペコに言った。
「俺は生き返らせられた」
「そうみたいだな」
「だから戻って来たんだね」
「黒衣の青年にだ、一旦ライダーとなったらだ」
 その時点でというのだ。
「何度も蘇りスサノオと戦う」
「それがか」
「ライダーの運命なんだね」
「他の奴等も同じだ」
 湊と初瀬、角居達を見ての言葉だ。 
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