Angel Beats! the after story
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キャラぴょんぴょん☆
突如、俺の家に現れたウサ耳JC!?
どうする俺!?
「とりあえず入ろっか」
こうするに決まってるわな。ウサ耳JCをご近所さんに見られたら獣耳っ娘属性があると勘違いされてしまう。俺にはそんな属性がない!!と言えたらいいのにな。
「ささ、あがってよ遊佐ちゃん」
「お邪魔します。それと初音ちゃん遊佐ちゃんではありません遊佐衣ちゃんです」
「はいはい。分かってる分かってる」
「ムっ、絶対分かってないよ。ぷんぷん」
こんなほのぼのとした場面を見れてお兄ちゃんは安心だよ。うんうん。
「キューーーーー!!!!!トォォォォォォーーー!!!!」
想像通り、復活したばかりの椎名は目の前に現れたウサ耳っ娘によって悶えてしまった。
「えっ~と、こちらが初音の友達の遊佐さんこと遊佐衣さんらしい」
「こんにちわ立華 かなでっていいます。よろしくね遊佐衣ちゃん」
「日向 秀樹だ。よろしくな遊佐衣ちゃん」
「な~んかあたしとキャラが被ってますよね。このウサギ」
反抗的な態度のユイ。キャラが被ってるか、言われてみれば……ダメだ分からん。
「このあたしもユイにゃんという動物系キャラを持ってます!!ポッと現れた遊佐衣(笑)はやめるべきに決まってるニャ!」
取ってつけたような猫語がいきなり使ってるユイにゃん。果てしなくどうでもいい闘いが始まる。
「いい大人がユイにゃん(笑)って恥ずかしくないぴょんか?」
「は、恥ずかしく……ない……ニャン」
テクニカルノックアウトで勝者遊佐ちゃんに終わった。敗者のユイは泣きながら日向の元へ帰っていった。
「ハァハァ、遊佐衣ちゃんこっちにおいで~。楽しいことしよか~」
「不潔な変態ゴミ野郎は消えて欲しいぴょん」
眩しいスマイルで有機鉄線並のトゲトゲしい言葉を言い放つ遊佐衣さん。
JCにこんなこと言われたらさすがに効果絶大だろうな。
「あ~アカンそっち方向に目覚めてしまいそうやわ~」
聞かなかったことにした方がいいな。
「遊佐衣?さんはなぜここに」
「名前に疑問系は禁止ぴょん。初音ちゃんからLINEがピコんって来たからね☆」
中学生なのにケータイを持ってるなんて時代も進んだな。
「言うのが遅れたが初音がいつもお世話になってる」
「いえ、そんなことありありですぅ~。こちらもいつも初音ちゃんのお世話をしてま~す」
「それは本当に申し訳ない」
「気にしないでいいぴょん。初音ちゃんは二匹目のウサギさん候補だからで~す☆」
いつのまにか妹は獣耳っ娘の仲間入りが決まっているらしい。
「オホン!遊佐衣という彼女。少し触ってもよろしいか?」
「どうぞ、好きなだけ」
復活していた椎名はプライドを捨てウサ耳っ娘をお触りする機会を自分の力で得た。すごい速さで手をわしわししている。
自然と椎名の目の前に座る遊佐衣さん。
「では、参る!!」
ウサ耳をわしわし、頬をわしわし、お腹をわしわし。
「くすぐったいぴょん」
「ブフッ!」
不意打ちのぴょんに鼻血が止まらなくなった椎名。日向とユイが必死にティシュでカバーしている。
「やめてください椎名さん!それじゃあ出血多量で死んじゃいます!!」
かなでの決死の呼び声が部屋に響く。
「断る!」
「日なっち先輩!ティシュが……ティシュが足りません!!」
「クソっ!このままじゃ椎名っちが……!!」
えっ?何この展開、俺が間違ってるの。んなわけないよな、初音はちゃんと……。
「もうやめてあげて遊佐ちゃん!!このままじゃ椎名さんが悶え死しちゃう!!」
「やめないぴょん。椎名さんがやめるまでぴょんぴょんし続けるぴょん。それと遊佐ちゃんじゃありません遊佐衣ちゃんです」
「あさはか……なり……」
ふっ、と椎名の両手が力なく地に落ちる。真っ白に悶え尽きた椎名がそこにいた。
「まずは一人。次は貴様だぴょん!」
人差し指の方向にいるのは……俺?
「マジで?」
「本気と書いてマジと読むぴょん!!さぁ触るぴょん!」
「じゃあお言葉に甘えて」
肩に手を置き、力を加える。
「んっ!、あっ!ちょ、待つんんっ!!そこはダメっ!」
一応は医者志望だから血行をよくする技術ぐらいあるよ。肩揉みだけは誰にも負けない自信があるからな。
「音無さん、不潔です!!」
「がはっ!」
参考書の面ではなく角で殴られ、悶える。
痛い!何故に角!?
「ハァハァ、どうですか?私の悶えの威力。苦しいでしょう」
「お前によってじゃないだろ!しかも、精神的悶えではなく物理的な悶えだからな!!」
もう……いやだ。疲れたよパトラッシュ。
*
「今日は楽しかったよぉ。さよならだぴょん」
いまだにキャラが分からないまま、お別れの時間となってしまった。
「この恨み忘れねぇぞ!ごラァ!」
「一昨日きやがれです☆ユイにゃん(笑)さん」
覚えてろぉ~と負け猫の遠吠えが聞こえた。日向も軽く遊佐衣さんに別れの挨拶をした後ユイの方へ行った。
かなでもTK、椎名も挨拶をしたいんだろうが生憎、二人は椎名の介護をしている。
「バイバイ遊佐ちゃん。ということでお兄ちゃん、遊佐ちゃんを家まで送って行って」
「大して距離もないからOK牧場。初音ちゃんのお兄さんに迷惑はかけられないぴょん」
「そんなことないよねっ!お兄ちゃん」
最愛の妹の頼みを断る理由なんてあるわけがない。それに、かなでがまだ不機嫌だからほとぼりが冷める時間が欲しい。
「構わないぞ、最近は物騒だからな。誘拐犯に痴漢やストーカー、TKなんかが出没するかもしれないし」
「分かったよ☆。そこまで言うなら、お願いするぴょん」
初音に見送られ遊佐衣さんの家まで送ることになったが、会話がない。死後の世界でも、こういう気まずい雰囲気があったからな。
「はぁ~、ほんと疲れました」
ん?
「何かおっしゃいましたか?遊佐衣さん」
まるで仕事終わりのOLのようなことをおっしゃっていたような。
「遊佐衣さん?あっ、今はそういうのいいんです。遊佐で大丈夫です」
んん?
「ぴょんぴょんはいいんですか?」
「そういうの大丈夫です。疲れるんです、キャラを作るというのは」
んんん?
「やめれば解決するんじゃ」
「そんな甘くないんです。この業界はキャラが命ですので」
笑顔いっぱいフルチャージの表情は消え、俺の目に写っている遊佐?遊佐衣さんは無表情だった。
それと、先程の言葉に疑問が浮かんでくる。
「業界?ってどういうことなんだ。芸能人か何かなのか?」
「芸能人といっても、読モやアイドルの駆け出し、雛鳥、卵なんて言われてるようなものです」
「それでもすごいんじゃないのか?」
「私ぐらいの人はうじゃうじゃいます。その中から這い上がるのは年に数人。だから、こうして少しでも記憶に焼き付くように濃いキャラを作ってるんです」
こういうのは色んなところで見聞きするが、実際に体験している人から聞くと一味も二味も違うんだな。
「そんな素のことを俺みたいなやつに話しても大丈夫なのか?」
悩む素振りを見せず。
「初音ちゃんのお兄さんだからですから、というのは理由になるでしょうか?もう一つ付け加えるのなら直感、でしょうか」
そんな理由かよ。と思ってしまったが、前者の答えは核心をついてるな。
「世の中にはこんな言葉がある。
妹とは数多常世の頂点に立つもの」
何が言いたいかと言うと、と前置きをする。
「妹の願いをすべて叶えるのが兄の役目!!俺からすれば妹の親友は俺の義妹だと考えている。だから、できることなら何でもするぞ」
「ふふっ、兄妹揃っておもしろいです。やっぱり似てますね初音ちゃんと。ありがとうございます」
嘘に塗固まれていない笑顔は彼女によく似合うな。
「じゃあ、お言葉に甘えて……」
グイッと胸倉を掴まれ、顔と顔がぶつかる寸のところで止まると邪悪な笑みを浮かべる。
「私のマネージャーになってください。お義兄さん」
「………マジですか……」
後書き
どうも、騎士見習いだぴょん。
遊佐衣!!遊佐衣!!かぁあいよぉぉぉ!お持ち帰りィィぃ!!
お花見の季節ですね~。番外編で書いてみたいのですが、この部が終わる頃にはお花見のシーズンも過ぎてるでしょう。
その時はその時で違うのを考えていきます。
この話を書くだけで予測変換でぴょんぴょんが先頭に来てしまう。誰かに見られでもしたら終わっちゃいます。
では、みなさんいつも私の後書きに付き合ってくれてありがとうございます。次回もお付き合いお願いします。
作品をより良くするために、意見、評価をお願いします。
もちのロン感想もドシドシお待ちしてます。
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