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ソードアート・オンライン~狩人と黒の剣士~

作者:村雲恭夜
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援軍到着

「……いい加減懲りろ!!」
ダークは目の前のプレイヤーに刀を突き刺して死亡させる。
次々と現れる敵に対し、ダークは戦力の半分を受け持っている形だから仕方無い。
遺跡参道まで来たダーク達を迎えたのは、第三軍のアメリカプレイヤー軍。
開戦から約数十分が過ぎているが、数が減りそうで減っていない。ダーク達側が圧倒的に不利な状況に追い込まれていた。
「くっ……擬似言霊『地面に這いつくばれ』!!」
ダークが言うと、相手しているプレイヤー軍が一斉に地面に潰される。
タツの固有能力「理不尽な重圧」を、リペレウト・ゼウスの神力を一部解放して模倣した『擬似言霊・重圧』。
最も、ダークはそれ以上の擬似化は出来なかった、と言うより出来ないのだ。タツの能力は、キャパシティを大きく奪う。ダークが前に奪い取ろうとした際はキャパシティオーバーで逆にタツに全ての神力を奪われてしまった。
その事も在り、緊急時以外は、擬似化能力を使うのを控えている。つまり、使ったのは他ならぬ緊急時だから、と言うことだ。
『バースト!フルスロットル!デッドヒート!!』
近くでは、ロードが雷撃付加状態のデッドヒートマッハを使用し、敵を殲滅している。
それでも、戦線が押されているのに変わりは無かった。
「ジョー!!壁は!?」
「このまま行くと不味いでさぁ!!」
ジョーが叫び返し、そこにユージオが斬り掛かる。
「ダーク!僕も手伝うよ!!」
「済まん!正直猫の手も借りたい状態だ!!」
ダークは言うと、ユージオが頷いて、青薔薇の剣を振るう。これで左サイドの補強は済んだが、それでも押されぎみには変わりない。ただ、唯一の救いは遠隔攻撃手が居ないことだった。
(……遠隔攻撃手が居ないと言うのは喜ばしい事だと思うべきか否か)
ダークは考えながら敵を切り裂いていく。
そもそも、ダークが本気を出せば、ダークネスウイング状態でも軽く一軍隊を壊滅させることは可能だ。が、それをしないのには訳が在る。
(……こんなときに、タツとかミヤビらへんの神が来ればなぁ……っ!)
ダークネスウイングの神力は無限。即ち、本気を出すと、下手を打つと世界ごと壊滅してしまう恐れが在る。その為、器か、それを打ち消せる能力を持つ神が必要なのだ。前者はミヤビ、後者は当然、タツしか居ない。
それが、ダークの判断を鈍らせていた。
「マスター!!重槍兵来た!!」
「何っ!?」
見ると、確かに巨大な盾と長い槍が見える。
「……突撃させるか!!『てめぇら武器を捨てろ』!!」
擬似言霊を発動させると、プレイヤー達が一斉に武装を放棄した。放棄したプレイヤー達は何が起こったか分からず、そのまま殺されていく。
「ふぅ……」
既に二度も擬似言霊を使ったせいか、ダークの汗が凄い。それもその筈、元々自分の固有能力では無いし、何よりこの力を擬似化で再現している。神力低下は目に見えているだろう。
「マスター、大丈夫ですか!?」
倒れそうになるダークを、エトナが支える。ダークは大丈夫だと言うと、刀を杖にして自力で立とうとする。
(……不味いな。神格どんだけ高ぇんだよ、あんの白黒野郎……!)
ダークの目では、既に誰が誰だか把握できないほど視力が低下している。それを神力で補正すると、漸く普通に立つ。
「ザウス様の重圧能力、凄まじいですね……」
「立てるだけでも、奇跡だろ既に……」
ダークは途切れ途切れに言うと、アスナの方を見る。
アスナの方は、重槍兵によって突撃されており、アスナにその槍が刺さっている。
だが、アスナはその槍を砕くと、背に突き出た槍の破片を掴んで引き抜き、投げ捨てた。
「おぅ……さっすが……」
アスナはレイピアでそのプレイヤーを殺すと、今度はフラッシング・ペネトレイターで更にプレイヤーを倒す。
「……エトナ、神力を回復出来るか」
ダークは言うと、エトナは言う。
「破損してる回路を閉じ、流し込めば」
「そうか……なら、そのまま突っ込む」
ダークは刀を持つと、突進技『ヴォーパル・ペネトレイター』でアスナに向かっていたプレイヤー軍を貫き滅ぼす。
「……ダーク、君」
「ギリッギリで死人も出てねぇ様だが……さしもの俺でも、死人を出しそうだな……」
笑いながらダークが言うと、アスナは言う。
「君、そんなこと言って諦めてないでしょ」
見抜かれたかと言わんばかりににやけると、ダークは地面に手を付ける。
『反魂・暗黒剣(ダークネスソード)!!』
神力を全て費やして放った闇は、地面を浸透し、そして。
スババババッ!!
地面から木のように生え、プレイヤー軍を殺していった。
「がはっ……!」
途端、ダークは元に戻り、吐血する。
「ダーク君!」
「ダーク!!」
アスナとロードが、ダークに近寄る。
「へへっ……ざまぁねぇ……何かしらの天罰かもな……わりいが結構討ち損ねた……」
「解ってる、後は任せて」
アスナが言うと、レイピアを取って、消えた木をのあった場所に突撃していく。
「ダーク、大丈夫!?本気で何してるの!?」
「……あーくそ、ちぃとやり過ぎた……これで英雄の一端なんて言うんだから情けねぇったらねぇよ……」
ダークは自嘲ぎみに言う。
その奥では、アスナが必死の攻防戦を繰り広げており、レンリ達もそのアシストに回ってる筈だ。
「……くそが」
遂に、ダークが小さく悪態を付いた。
此処で、終わるのかと思われた時だった。
「なぁにボサッと倒れてるんだよ、馬鹿」
「それでも、俺達のライバルかよ」
聞き慣れた声がした。絶対に聞くはずのない、声が。
「……一人で無茶した罰だよね、翔夜?」
「ダークさんの良いところでも在りますけどね」
「……ふん」
「ヤッホー、ダーク君!」
「あーあ、馬鹿が一人倒れてら」
上から、ライト、リン、ミヤビ、タツ、シャドウ・リパルサー、サナ、そしてキリト(神喰い)。
何故か、異世界の戦士が、此処に集結していた。
「お、お前ら……!」
「ゼロって人に言われたんです。希望と言う絆を助けろ、って」
タツが言うと、ザウス・オールマイティになって言う。
『ダークさんの神力は超回復し、使っても減ることはない』
途端、ダークの身体が光り、傷が無くなっていた。
「タツ……!」
「まぁ、お互い様と言うことで」
タツは笑って言うと、ミヤビが言う。
「クライン達も、来てる。此処から、巻き返し」
そして、一本の白い刀を差し出す。
「向こうから、急いで取り寄せた。使って?」
「リスタート・ライティング……わざわざ取りに行ってたのか」
ダークがそれを掴むと、身体半分が白に染まる。
「聖皇剣……シャイニングまで使えるのか、コレ」
「どういう原理か分からない、けど、これはあなたの剣。貴方の思うように、貴方の剣はその輝きを放つ」
ミヤビは言うと、敵の方を見る。
「さて、と。軽く殲滅して、ライトつれ戻すぞ。決着も着いてないのに勝ち逃げされちゃ堪らねぇ」
「ダーク、お前もだ。勝ち逃げはさせない」
ライト、リンが左右に立ちながら言うと、ダークは頷き、叫ぶ。
「そこどけぇ!!」
駆けると、それにライト、リン、タツ、ミヤビ、シャドウ・リパルサー、キリトの順に戦場に飛び込む。
「聞いて……驚けぇ!!」
シャドウ・バーサークで斬り伏せながら、叫ぶ。
「聖殺の王者!ダーク!!」
次に、ライトが重槍兵を斬りまくりながら叫ぶ。
「漆黒の勇者!ライト!!」
更に、それにリンも続く。
「純白の英雄!リン!!」
タツが更に、続く。
「黒と白の賢者!タツ!!」
ヴォーパル・ストライクを放ち、シャドウ・リパルサーとミヤビが叫ぶ。
「影の王!シャドウ・リパルサー!!」
「翡翠の剣士、ミヤビ……」
そして最後、キリトが切り込みながら叫ぶ。
「神喰いの剣士、キリト!!」
「最強にして究極の剣士!!我ら、SAO生還者(リバイバー)!!」
ダークが叫ぶと、爆発と共にプレイヤー達が吹き飛んで行き、クライン達も、後ろに立つ。
そして、左右に三人ずつ立つと、ライトとリンがダブルドライバーを持ち、シャドウ・リパルサーがオーバドライブ『モードブルー』で大剣を持ち、キリトが神機二刀流に持ち変えて構える。
『ブレイブ!』
『ヒーロー!!』
「「変身!!」」
『ブレイブ!ヒーロー!エボリューション!!』
ライトとリンは一つとなり、金色のWとなる。
そこに、ロードが漸く現れ、ダークの隣に立つ。
「それじゃあ……ワイルドに!」
「ひとっ走りDeショータイムだ!!」
ダークとマッハを先頭に、クライン達ALOプレイヤー、その次に軍隊が続き、一気に交戦状態へともつれこむ。
「ライン、コレ使え!!」
ダークがプレイヤーを葬りながらラインにメモリを手渡すと、それをマキシマムスロットにさしこむ。
『ファイズ!マキシマムドライブ!!』
『エクシードチャージ』
途端、ラインの足にフォトンブラットが濃縮し、それらを広範囲にぶつけていく。
『使えるな、もっと無いか?』
「じゃんじゃん使え!」
ダークはラインにメモリを在るだけ渡すと、回避して回り蹴りを叩き込む。
「螺旋!!」
螺旋の渦を放ってプレイヤー軍を吹き飛ばすと、そこにシャドウ・リパルサーが現れる。
「……情けないな、お前も」
「神でも出来る限度があんだよ!!」
すると、シャドウ・リパルサーがシャドウ・バーサークを突きで出す。その後ろには、武器を構えた剣士。
「貸し借りは無しだ」
「OK」
シャドウ・リパルサーは頷くと、ヴォーパル・ストライクを連発して奥へと行く。
「うらっ!!」
リスタート・ライティングを振るい、閃光・五星団を放つと、今度はキリトが現れる。
「キリト……で、良いんだよな?」
「……他に誰が要るんだよ!!」
バレットを放ちながらダークに叫ぶ。
「……ああ、まぁ、宜しく」
「雑!!」
キリトはブレードモードに切り換えると、斬って進んでいく。
と、そこにミヤビが現れる。
「……翔夜、家帰ったら数日説教ね」
「覚悟している」
ダークは言うと、お互いの背後に居た敵を切り裂いた。
「……ありがとう」
「嫁さんは大事にしないとな?」
「……馬鹿」
顔を赤らめたミヤビは、すぐに前に言って縦横無尽に駆ける。
「さってとぉ……」
ダークも漸く身体になれて、動こうとした瞬間、タツに肩を捕まれる。
「タツ?」
「フィールド、展開完了です。……まぁ、壊れる心配は無いと思いますが、くれぐれも」
「了解了解」
「……貴方のそれは解ってない口調ですよね?長年付き合ってるんですから解りますよ?」
タツは言うと、前線に行ってしまった。
「……さぁっすが、同期で最強の神様、言うこと違うなぁ」
ダークは感心すると、マッハ……ロードが言う。
「感心してないで、行くよ?」
「ああ」
ダークは頷くと、叫ぶ。
「さぁ、地獄のパーティを始めるとするか!!」
その叫びと共に、半数が擬似言霊によって動けなくなった。

「……さて、此方もミッションを開始する」
ダークがライトらと合流した同時期、彼はシェータとイシュカーンの前に現れた。
「……無音のシェータ、拳闘士イシュカーン、で宜しいか?」
「……そう、だけど?」
シェータは言うと、彼は頷いた。
「なれば、拙者の守護範囲で御座る」
彼は背を二人に向け、ある物を取り出した。
「さて……と。我が主“コード:ゼロ”の命により、忍者武蔵、推して参らん!!」
『カメンライド』
「変身!で御座る!!」
『ディケィド!!』
途端、彼ーーー忍者武蔵はマゼンタの戦士『仮面ライダーディケィド』に変身した。
「お、お前……何者だ?」
イシュカーンは問うと、武蔵はこう返した。
「唯の、通りすがりの忍者で御座る!参る!!」
ライドブッカーソードモードを持ち、武蔵は単身、主の命により戦いを始めた。 
 

 
後書き
いやー、漸く半分来ましたよ、最終章!
ライト「で、ゼロが出て何でまだ出ないの?そんでミザールは?」
ミザールはクライングループに紛れてます。因みに今回の武装は槍です。
ミザール「メインレイピアなのに!?」
槍です。
武蔵「そして、拙者武蔵も参戦で御座る!!」
彼は未来のライト、つまりゼロの忍者、武蔵君です。本名は伊賀碕武蔵君。
武蔵「宜しくで御座る!」
でも、どっちかと言うと出オチキャラなので、これ以降の出番はほぼ在りません。
武蔵「御座る!?」
ライト「……なんと言うか、ドンマイ」
そして、うちの小説からAWのシャドウ・リパルサー、神喰いからキリト、そして居候中のレイトを除く、定番四人を出しました。今後の物語にも、ダークに絡ませて出ます。
武蔵「……拙者、いらない子なんだで御座る」
ライト「止め刺してるぞ!?」
ミザール「キャラは大事にしようよ……」
問題無い。アキトとかリンドウとか出てないし。
狩黒メンバー「オイコラ!」
つー訳で次回も!
ライト「ワイルドに!」
ダーク「ショータイムだ!!」
……あれ、普通ライトがショータイムの筈なんだけど。 
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