歌集「春雪花」
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早春の
夜に降り積もるは
名残雪
想いし刹那の
写し鏡よ
その日の夜、淡雪が少し降ってました。地面を濡らす程度でしたが、止む様子はない…。まるで次から次へと想いが湧いている様で、自分の心の写し鏡みたいだと思ったんです。
君想い
嘆きし日々の
空しさを
翼在りければ
飛びて行くなれ
上の歌と同じ時に詠んだもの。
詠んだ時、自分が如何に我が儘な生き物か再確認し、涙が零れてしまったのを覚えています。
たとえ飛んでいったとしても…彼には邪魔なだけの存在ではありませんか…。会いたいのは自分だけであり、彼にとって私は然したる価値はないもの。
ただ…虚しい。
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