天上の大空を目指して
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ーアインクラッドー
1.はじまりは
無限の蒼穹に浮かぶ巨大な石と鉄の城。
それがこの世界の全てだ。
基部フロアの直径はおよそ十キロメートル、世田谷区がすっぽり入ってしまうほどもあったという。その上に無慮百に及ぶ階層が積み重なっているというのだから、茫漠とした広大さは想像を絶する。内部にはいくつかのとしと多くの小規模な街や村、森と草原、湖までが存在する。上下のフロアを繋ぐ階段は各層にひとつのみ、その全てが怪物のうろつく危険な迷宮区画に存在するため発見も踏破も困難だが、一度誰かが突破して上層の都市に辿り着けばそこと下層の各都市の《転移門》が連結されるため誰もが自由に移動出来るようになる。
城の名は《アインクラッド》。約六千もの人間を呑み込んで浮かび続ける剣と戦闘の世界。またの名を――
《ソードアート・オンライン》
何故こんなことに。そう思わずにはいられなかった。ただ、やっと平穏な生活が手に入って、少しだけ噂のゲームをやろうとしただけだった、はずだ。目の前に広がる光景を否定したいという感情と、これが現実だと訴える本能、とでも言うべき何か。このままじゃダメだ・・・・・・。俺はそう思いながらも、こんなことになる前までのことを思い出さずにはいられなかった―――
窓からの朝日で俺は目が覚めた。俺は最近ゆっくり眠ることができて、内心すごく嬉しい。少し前まで、常に危機感を持って生活していたせいだと思う。今もそんなに変わりはないかもしれないけど。
そんなことを考えながら、学校へ行く準備をする。今日は、会議があるそうで、午前中だけの授業らしい。
突然だが、今日は特別な日だ。
俺、沢田綱吉は、今まで全くのダメダメだったが、最近では、成績が上がってきている。それが、スパルタでデタラメな我が家庭教師様のおかげだとはあまり思いたくないけど・・・・・・。とにかく、そのことで少しだけ我儘も聞いてもらえるようになった、と思う。その証拠に、現在、最も期待感のあるゲーム――ソードアート・オンラインを購入することができた。限定一万人のところを苦労して手に入れることができたのだ。
秋もそろそろ終わりに近づこうとしている、11月の6日。今日がそのゲームの正式サービス開始の日だ。長い戦い――いろいろあった本当に長い戦い――が終わって、趣味の時間を作ることができた今、全く新しいゲームを始めるには絶好の機会だ。MMORPGはあまりやったことのない種類だけど、多くのゲーマー、そのほかの人に騒がれているだけあって、内容もすごい。学校から帰ってくれば、その世界に行ける。
本の数分の間、そうして今日のことを考えると自然と頬が緩んでしまっていたようだ。
「何一人でニヤニヤしてやがる。きめぇゾ」
「なっ!リボーン!別にニヤニヤしてなんか・・・・・・」
小さな赤ん坊に頭を蹴られながら、暴言を吐かれた。赤ん坊のくせにスーツを着て、頭にボルサリーノをかぶっている。その帽子の上には緑色のカメレオン。俺の家庭教師兼最強のヒットマンである、リボーンとその相棒のレオンだ。
リボーンは俺をマフィアのトップであるボンゴレファミリーの十代目に育てるために日本まで来たらしい。俺がそれを拒んだ今は、ネオ・ボンゴレプリーモに育てるとか言っている。どちらにしてもなる気はないが。
そんな風にいつものやり取りをしていると、既に家を出る時間になっていた。行っていきます、と言いながら家を出て通学路を歩く。途中でいつもの友達と会い、学校へ行った。今日の授業は難しいものは無く、半日ということもあり、楽だった。
だから、今日はいい日だと思っていたんだ・・・・・・あの時までは――
後書き
はい、一話終了です。話が進んでません。短いですね。変なところがあるかもしれません。すいません。解りづらかったらいってください。初めての小説なので、少しでも読みやすくできるようにしたいです。
by白月
2015/4/6 ルビ振りました。
2015/9/23 修正
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