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ドリトル先生と学園の動物達

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第十二幕その十一

「甲子園でデートだね」
「というかあれね」
 ダブダブが言う対象はといいますと。
「日笠さんも頑張ったね」
「うん、先生相手に本当にね」
 チーチーもしみじみとして言います。
「見事に押したよ」
「そしてその押しを成功させたんだね」
 ホワイティも日笠さん寄りです、決して先生の敵ではないにしても。
「これは素晴らしいことだよ」
「全くだよ、日笠さんに拍手したいよ」
 ジップが言うことはといいますと。
「僕達の殆どがそれは出来ないけれどね」
「うむ、蹄ではのう」
 老馬もジップに合わせてジョークを述べます。
「無理じゃな」
「しかし日笠さんはやってくれた」
「頑張ったね、あの人」
 オシツオサレツが最後にその二つの頭で言ってきました。
「じゃあ二人で甲子園に行ってね」
「仲を深めていってね」
「先生もね」
「しっかりとね」
「うん、日笠さんと二人で韓戦してくるよ」
 先生はお庭にいるオシツオサレツに応えました。
「阪神の試合をね」
「虎の試合をだね」
「野球をね」
「日本人はサッカーも好きだけれど」
「野球も好きだね」
「そちらもね」
「どっちがより好きかな」
 サッカーと野球のどちらがというのです。
「一体」
「それはわからないですね」
 トミーも言ってきます、晩御飯の準備をしながら。
「どっちもって言うべきかも知れないですけれど」
「どっちもだね」
「サッカーも野球も」
「どれか一つじゃないね」
「それが日本人ですね」
「別に階級もないから」 
 先生はイギリス社会のことも述べました。
「どんなスポーツをしてもいいしね」
「イギリスとは違いますからね」
「うん、貴族はラグビーとかね」
 そして平民の人はサッカーです。イギリスではそうしたことも決まっているところがあるのです。
「バーも一階と二階で入る人の階級が違うとか」
「ありませんね」
「誰でもバーの何処でもパブでも入れるし」
「だからスポーツもですね」
「誰でも何でも出来るんだね」
「そういうことだからですね」
「日本人はどっちも好きってことなのかな」
 サッカーも野球もです。
「そうしたところも日本だね」
「ではその野球を」
「韓てくるよ」
 阪神のその試合をというのです。
「二人でね」
「じゃあそちらも頑張って下さいね」
「さて、阪神は勝ってくれるかな」
 先生は考えているお顔で述べました。
「その時は」
「ううん、そこでそう言ったのはね」
「不合格だよ、先生」 
 動物の皆は先生の今の言葉には少し苦笑いになって返しました。
「そこで試合のことが念頭にあるのはね」
「よくないよ」
「折角のデートなんだから」
「そこでそう思って言うのはね」
「あれっ、駄目かな」
 先生はわかっていないお顔で返しました。
「野球を韓に行くのに」
「これは時間がかかるかな」
「それも結構以上に」
「まあ気長に進めていけばいいか」
「一歩ずつでもね」
 やれやれという感じで言う皆でした、動物園と水族館の騒動は終わり対策も立てられることになりましたがこちらはまだまだこれからでした。


第十二幕   完


ドリトル先生と学園の動物達   完


                              2014・9・12 
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