電光提督ノゾミアン
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第五話
プァーン!
警笛を鳴らしながら、300系新幹線がトンネルの中から飛び出して来る。その座席に座っているのはのぞみの鎮守府の艦娘達だ。今日、彼女達は休暇を使い、のぞみに乗ってキャンプに行く所なのである。
そして、駆逐艦娘達に人気なのがここ、運転席だ。
「うわ〜、はやーい!」
運転席に座る文月がそこから見える景色に感動する。すると、どこからかのぞみの声が聞こえた。
『気に入ったかい?』
「うん。司令官ありがとう。」
『こちらこそ、楽しんで貰えて良かったよ。』
運転席のモニターに映ったのぞみの目がニコリと笑う。
「文月。そろそろ代わってよ!」
すると、運転席の後ろに並んでいた皐月が文月を急かした。
「え〜。もうちょっといいでしょ〜?」
「そんな事ないよ。もう五分経ったよ。」
「む〜。わかったよ。」
渋々といった感じで文月は運転席から降りて皐月と交代した。
「あれ?」
そこで、彼女は運転室の角でうずくまる島風に気付く。
「どうしたの、島風ちゃん?」
「いやね。さっき、司令官の運転席に座ったんだけどさ、ホント速いな〜って・・・」
「それでまた自分の速さに自信が無くなっちゃったの?」
「グハァ!?」
文月の一言に、島風はまるで殴られたかのように仰け反った。
「もう。島風ちゃんには餃子作りっていう新しい特技があるんだからいいじゃない。」
そんな彼女を文月はそうやって励ますが・・・
「でも、この前“餃子禁止令”だされちゃったんだよ!」
島風は涙目でこう叫ぶだけであった。
「当たり前でしょう。」
そこへ、霞、満潮、曙の三人がやって来た。
「空母の先輩達が食べ切れないくらい作るからよ。」
「もうあんな毎日朝昼晩餃子ばかりの食事はごめんだわ。」
「自業自得ね。」
「そんな事は言わないでよ!今度はちゃんと加減するから!!!」
「どうだか。」
島風は涙目で訴えかけるが、霞達はあまり信用していない様子だ。
『三人とも、そうは言わないでやってくれ。』
そんな島風が可哀想に思えてきたのか、のぞみが口を挟む。が・・・
「司令官は黙って安全運転してなさいよ!」
『やれやれ・・・』
いつも通り、キツイ言葉を返されてしまった。その時・・・
「提督。少しよろしいでしょうか?」
赤城が運転室に入って来た。
『赤城か。どうしたんだ?』
「そろそろお腹が空いて来たのですが、食堂車は何処にあるのでしょうか?」
『そう言えばそろそろお昼の時間だな。だが赤城。残念ながら私に食堂車は連結されていないんだ。』
「食堂車が、無い・・・!?」
この事実は赤城にとってショックであった。
「そんな、この旅の楽しみの一つが・・・」
『だ、だが間宮さんが車内販売をしているから、そこで弁当を買えばいいぞ!』
「本当ですか!では!!」
それを聞いた赤城はあっという間に立ち直り、そのまま運転室を後にした。
一方、車内では間宮さんが車内販売のワゴンを押して練り歩いていた。
「車内販売です。何かいりませんか?」
「ハーイ!アイスを四人分下サーイ!!」
すると、座席を向かい合わせにして座っていた金剛型四姉妹の一番艦金剛が彼女を呼び止めた。
「はい、わかりました。どうぞ。」
間宮さんはワゴンを止めて四人にアイスを渡して行く。すると、三番艦の榛名がある事に気付いた。
「これ、いつも間宮さんが売って
いるアイスとは違いますね。」
「実はそれ、実際に新幹線の車内販売で売られているアイスなんですよ。」
「え!?あのめちゃくちゃ固いって言われているあの!?」
二番艦の比叡がアイスを見ながら驚愕する。
「ええ。提督が昔のコネを使って仕入れてくれたんです。」
「そうだったんですか?榛名、感激です!」
「流石はテートクなのデース!」
早速、金剛がアイスのフタを開けてプラスチックのスプーンを突き刺す。だが・・・
「Oh・・・全く歯が立たないネ・・・」
中身をすくい取る事は出来なかった。そんな彼女に比叡がアドバイスをする。
「お姉様。そのアイスは置いておいて少し融けてから食べるものなんですよ。」
「そうデスか。目の前にあるのに今直ぐ食べれないのはとてもじれったいデース。」
「そこは我慢です。お姉様。」
そんな感じに金剛型四姉妹は騒がしくしている。だが、一人だけずっと静かにしている者が居た。末妹の四番艦霧島である。そんな彼女を心配して榛名が尋ねた。
「霧島、どうかしたの?もしかして、どこか具合でも悪いの?」
「いえ、少し考え事をしていただけです。」
「考え事?」
「はい。提督と一航戦コンビのフードファイトの時といい、少し前の島風の餃子修行の時といい、どうやって深海棲艦は陸に上がって来たのかと言う事です。」
「確かに、それは気になりますね。」
現在、日本の沿岸部は深海棲艦に上陸されないよう、艦娘と通常の艦船により厳重な警備が行われている。ゆえに、深海棲艦が陸に上がる事はほぼ不可能なハズだ。
「ヘーイ、二人とも!今日はバカンスなんだから、そう言う難しい話はノーだからネ!」
そんな中、金剛はいつもの調子だった。だが、そのおかげで二人の表情は和らぐ。
「お姉様の言う通りですね。」
「ええ。いまはこの休暇を楽しみましょう。」
暫くして、のぞみ達は駅に到着。一行はそこでバスに乗り換え、キャンプ場へ向かった。
そして、目的地へ到着すると・・・
「ついたー!!」
「よし、遊ぶぞー!!」
早速、駆逐艦娘達が虫取り編みなどを取り出して遊ぶ準備を始めた。だが、のぞみが彼女達に注意する。
「こら。遊ぶのはまずテントを張ってからだ。」
「え〜。」
「早く遊びた〜い。」
「なら、早くテントを組み立てるんだ。そうすれば、遊べる時間は長くなるぞ。」
そう言ってのぞみは自分からテントを組み立て始める。が・・・
「あれ?おかしいな?」
テントは変な形になるばかりであった。
「提督殿、ここは自分に任せるであります。」
そこで、陸軍から出向して来た艦娘あきつ丸がのぞみを手伝い始めた。
「済まないな、あきつ丸。」
「いえ。提督殿は陸軍出身である自分も誘ってくれたのであまりますから、これくらいは当然であります。」
そう会話しながらも、あきつ丸はテキパキとテントを組み立てて行く。
そんな彼女の様子を見ながら、木曾は同じく陸軍から出向して来た潜水艦娘まるゆに聞いた。
「凄いな、あきつ丸さんは。まるゆはああいうのは出来ないのか?」
「はい。私も出来ますよ。」
「なら、こっちの手伝いを頼むぜ。」
「任せて下さい。」
早速、まるゆはトンカチ片手に手伝いを始めた。
「でも、今日は晴れて本当によかったですね。」
「ああ。昨日は酷い嵐だったから中止にならないか心配だったからな。」
そして、テントの組み立てが終わった後、艦娘達は各々に遊び始めた。川で水遊びをする者。川釣りをする物。キャンプ場に設置されたアスレチックで遊ぶ者。そして、森で虫取りをする者。
「よっしゃー!クワガタゲット!!」
吹雪型駆逐艦の深雪が木にとまっていたクワガタを手づかみで捕まえた。
「磯波〜!虫かごとって!」
「う、うん。でも、あまり近付けないでね。」
深雪に頼まれ、同じく吹雪型駆逐艦の磯波がおっかなびっくりと言った感じで虫かごを持って行く。すると、そんな彼女の様子を見た深雪に悪戯心が芽生えた。
「何、磯波?もしかしてクワガタが怖いの?ほら!!」
そして、近付いて来た磯波の顔の目の前にクワガタを突き出す。
「きゃあっ!?」
すると案の定、磯波は驚いて虫かごを投げ捨てて後ろに下がった。それを見た深雪はさらに面白がって磯波を追いかけまわし始める。
「どうした〜。クワガタがそんなに怖いのか〜。」
「や、やめて〜!」
「こら!やめなさい深雪!!」
それを見た同じく吹雪型駆逐艦で委員長気質の白雪が注意する。その時・・・突然深雪の身体が持ち上がった。
「うわあ!?何!?」
よく見ると、深雪の右足にロープが絡みついており、それにより彼女は逆さ吊りの状態となってしまっていた。
「何これ!?」
「罠、みたいだけど・・・」
突然の事態にその場に居た艦娘達は困惑する。
「大丈夫でござるか!?」
そこへ、どこか忍者っぽい雰囲気の紺色のヒカリアンが姿を現した。
「ええと、あなたは?」
そのヒカリアンに吹雪型駆逐艦のネームシップである吹雪が尋ねた。
「拙者は南海ラピート。この森の奥に屋敷を構える忍者でござる。」
「忍者!?」
「で、その忍者が何の用なのよ。」
吹雪が驚愕する中、吹雪型の中では変わり種に分類される叢雲が聞いた。
「実は、そこのお嬢さんがかかっている罠を仕掛けたのは拙者なのでござる。」
「はあ!?何でそんな事をしてんのよ!!」
「先程言ったでござるが、拙者はこの森の奥に屋敷を構えているから、外敵を防ぐ為に罠を仕掛けてあるのでござる。ただ、この時期になるとキャンプに来る旅行者が誤って罠のある所に入ってしまう危険があるので立ち入り禁止の看板を立ててあるのでござるが、昨日の嵐で吹き飛ばされてしまったのでござる。」
「そう言う事。なら、しょうがないわね。」
ラピートの説明に叢雲は納得したようだった。その時、吹雪の頭にふとした疑問が浮かんだ。
「あれ?ラピートさんは家の周りが罠だらけの状態なのに、外に出かける事はできるんですか?」
「それなら、大丈夫でござる。この森の中にある罠の場所は全て覚えているでござるからな。」
「流石は忍者。全くぬかりは無い。」
「おーい!はやく降ろしてよ!!」
皆がラピートと仲良く話している中、逆さ吊りの状態のままの深雪が叫んだ。そんな彼女に叢雲は・・・
「まあ、よく考えたら深雪にはいいクスリだし、暫くそうしてなさい。」
「そんな〜!!」
その後、吹雪達の入った森の前に折れた立ち入り禁止の看板を見つけた第六駆逐隊がその場に駆け付け、電が宙吊り状態の深雪とぶつかると言うハプニングがあったが、なんとか深雪は救出された。
「あたたた・・・」
「大丈夫なのですか、深雪ちゃん?」
赤く腫れた鼻を抑える深雪を心配して電が言った。もっとも、そう言う彼女も額が赤く腫れているのだが。
「いや、これ自体は大した事無いんだけどさ・・・ぶつかる直前になんか走馬灯的なモノが見えちゃったんだよね・・・」
「大袈裟・・・とは言えないわね。この組み合わせだと。」
深雪の話を聞いた暁が苦笑した。
かつてただの艦だった頃の深雪は訓練中、電に衝突されて沈んでいるのである。
「まあ、それより早くキャンプ場の方に戻りましょう。何せ、今日はバーベキューなんだから。」
「そうだった!」
雷に言われて思い出した艦娘達は急いで走り出した。そんな中、電がラピートに話しかける。
「あの、ラピートさんも一緒にどうですか?」
「いや、拙者はもう昼食の用意は出来ているのでござる。」
「そうですか。じゃあ、今度キャンプに来た時は一緒に食べるのです。」
「うむ。楽しみにしているでござる。」
キャンプ場に戻った艦娘達はグリルの上で焼かれている肉や野菜を見て目を輝かせた。
「もうすぐ焼けますから、順番に取って下さいね。」
「「「はーい!」」」
軽空母の鳳翔が肉をトングでひっくり返しながら言うと、艦娘達は皿を持って一例に並ぶ。
「ちょっと赤城さん!なんで二枚もお皿持ってるんですか!!」
「はにゃっ!?ナスもあるのです・・・」
「好き嫌いはダメよ、電。」
「そう言う暁お姉ちゃんもピーマン残してるのです。」
賑やかにバーベキューを楽しむ艦娘達。だがその時・・・
ゴゴゴゴ!
突如、地響きがキャンプ場を襲った。
「何これ!?」
「地震!?」
「皆!慌てず火もとから離れて地面に伏せるんだ!!」
慌てる艦娘達に指示を出すのぞみ。その直後、地面が盛り上がり巨大な何かが姿を表した。それは先端に二つのドリルを装備した二つの煙突を持つ巨大な蒸気機関車だった。
「あれはスモークジョー!!と言う事はブラッチャーか!?」
「その通り!!!」
のぞみが叫ぶと、スモークジョーの上にブラックエクスプレス、ドジラス、ウッカリーのブラッチャー三人組が姿を現した。
「一体何をしに来た!!」
「なあに。今回は少し俺様達の新しい“お友達”を紹介しようと思ってな。」
「新しいお友達だと?」
そうのぞみが聞き返した時、ブラッチャー三人組の背後から複数の人影が現れた。
「紹介しよう。俺様達の新しいお友達、深海棲艦だ!!!」
それは深海棲艦の戦艦ル級、重巡リ級、空母ヲ級、そして戦艦レ級だった。
「深海棲艦!?」
「おい!レ級までいるぞ!!」
困惑する艦娘達。だが、霧島だけは合点がいったという感じで言った。
「そうですか。最近深海棲艦が陸に現れていたのはその汽車で地下経由で来ていた訳ですね!」
「その通り!さあ、美味しいご飯の後は軽く運動と行こうじゃないの!!」
ブラックエクスプレスがそう言うと、深海棲艦達はスモークジョーから地面に飛び降りた。
「まずいぞ、提督。今日は本当に休みのつもりで来たから艤装を用意してねえ。」
天龍が苦虫を噛み潰したような表情で言った。艤装の無い艦娘の戦闘力は人間とは変わらない。せいぜい自衛用に軍隊格闘術を身につけている程度だ。一方、ヒカリアンののぞみはいつでも自分の武器を出す事が可能であったが、相手は数が多い。まさにピンチであった。
だが、その時である。一つの煙玉が何処からかスモークジョーの上に投げ込まれたのだ。それにより、スモークジョーとその周囲は煙で覆われ、ブラッチャーと深海棲艦は視界を失う。
「皆、こっちでござる!」
すると、のぞみ達の目の前にラピートが姿を現した。
「ラピート!助かった!!」
「しかし、これはあくまで目くらましで時間稼ぎをしているだけでござる。直ぐこちらへ!」
「分かった。皆、行くぞ!!」
のぞみがそう叫ぶと、艦娘達はラピートの後に続いた。そして、その先にあったのは何と、先程駆逐艦達が間違って入った罠だらけの森だった。
「皆!拙者の直ぐ後ろを一例について来るでござる!!そうすれば罠にはかからん!!」
「分かった。皆、いけるな!」
「ああ。それなら単縦陣で慣れているからな。」
のぞみの直ぐ後ろに居る長門が答えた。そして、一行はそのまま森の中へ突っ込んで行った。
「待てー!!!」
そして最後尾が森の中に入った直後、ブラッチャーと深海棲艦達も森の中へ追いかけて来た。
「よくもやってくれたな!」
そして、先頭を走るブラックエクスプレスが自身の武器である暗黒マシンガンを構えた。だがその直後・・・
「のあぁ!!?」
彼の姿はしたの方に消えた。
「親分!?」
「あれ〜?どこ行っちゃったの〜?」
突然消えたブラックエクスプレスを探して辺りを見渡すドジラスとウッカリー。すると・・・
「お〜い!俺様はここだー!!」
下の方から声がした。それを聞いた二人が視線を下に向けると・・・
「た〜すけてくれ〜!!」
ブラックエクスプレスは穴の中に落ちていた。
「あ!親分!!」
「やっと見つけた。」
「いいからさっさと俺様を助けろ!!」
ブラックエクスプレスに怒鳴られ、ドジラスとウッカリーは彼を引っ張り出す。
「ハッ、間抜ケナ奴ダナ。」
それを見たレ級は馬鹿にするように笑ってから足を一歩踏み出した。すると・・・
「ノアッ!?」
ロープが足に絡みつき、逆さ吊りにされてしまった。
「コンナモン!!」
直様、彼女は尻尾についた口でロープを食いちぎる。が、それにより頭から真っ逆さまに落ちてしまった。
「イテテ・・・クソッ、コノ俺ヲコケニシヤガッテ。」
「大丈夫?」
頭を抑えるレ級を心配してヲ級が近付く。すると、彼女の足が何かを踏んだ感覚があった。
「ヲ?」
そしてその直後、彼女の頭上にタライが落下してきたのである。
「ヲ〜ッ・・・」
レ級と同じく頭を抑えるヲ級。よく見ると帽子の方も涙目になっている。
「ギャアアアアア!!!」
さらに、ル級は横から鐘つき棒のように襲って来た丸太に吹っ飛ばされ・・・
「ウワアアアアアア!!!」
リ級は頭上から降って来たクモやムカデといった気持ち悪いムシに襲われた。
一方、のぞみと艦娘達はラピートの屋敷に到着していた。そして、彼らは屋敷内にある倉庫に案内される。
「皆、ここにある武器を使うでござる。」
そこには、刀や手裏剣といった忍者が使う事でお馴染みな武器はもちろん、槍や弓矢などもあった。
「済まない、ラピート。」
「礼には及ばないでござる。」
「じゃあ、使わせてもらうぜ。」
のぞみがラピートに礼を言うと、天龍や龍田、伊勢といった刀や槍を使える艦娘や、弓矢を使うタイプの空母娘が武器を手にとっていった。
「やっと、着いたぞ・・・」
ラピートの屋敷の前に到着したブラッチャーと深海棲艦達は満身創痍であった。
「来たな、ブラッチャー!深海棲艦!!」
そこで、さらに悪い事に彼らを武装した艦娘達が待ち構えていた。
「なにいいいぃぃ!?お前たち、どこでそんな武器を!?」
「ラピートが貸してくれたのさ。」
「これで、形勢逆転ですよ。」
武器を構えてジリジリと近付いて来る艦娘達。それに対しブラッチャー達は・・・
「どうします、親分?」
「決まっている。逃げるんだよぉ!!!」
その場から逃げた。
「オイコラ!待テ!!」
「私達ヲ置イテ行クナ!!」
深海棲艦達もそれに続く。
「逃がすか!ライトニングライキング!!」
「忍者剣、関空斬り!!」
ドッチューン!!
「「お風呂から出たら!」」
「パンツ履けよな〜!!」
「覚エテロヨ〜!!」
「「「レ級様〜!!!」」」
が、のぞみとラピートの必殺技でぶっ飛ばされた。
ブラッチャーと深海棲艦を撃退した一行はラピートに別れを告げた後、のぞみに乗って鎮守府に戻る所であった。
「折角の休暇だったのに、あいつらのせいで台無しデース。」
「お姉様の言うとおりです!」
「提督ともラブラブ出来なかったデース!」
「お姉様!?」
未だに、休暇を邪魔された事に対する怒りが治まらない様子の金剛と比叡。しかし、霧島と榛名は別の事が気にかかっていた。
「しかし、深海棲艦がかつての提督の敵と手を組んでいたとは・・・」
「これは、運命なのかもしれませんね。」
「いえ。上層部が最初からこの事に気付いていて、それで提督をスカウトしたと言う事も考えられます。」
「まさか、それは考え過ぎでは・・・」
「ヘーイ!榛名、霧島!!間宮サンの車内販売が来たネー!今度は行きとは違う味のアイスを頼むデース!!」
「もう・・・」
「金剛お姉様ったら・・・」
車内販売が来た途端、不機嫌な態度を一変させる金剛に二人は呆れるばかりであった。
続く
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