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世界のルール

作者:茅島裕
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者物(ぶつぶつ)交換

 
前書き
金があれば飲み食いは出来るし、宿屋に泊まることが出来る
豪遊と言う単語がその意味を表すだろう
その通りなのだ

じゃあ、その金はどうやって手に入れる? 

 
今日もテレビはつまらない武器広告だ
どうせ『I(インフラレッド)』共が新しい武器を造ったんだ... まぁ、僕達『デッドマン』には有利なことなのだろうけど
んなこたどうだって良い
力と身体能力が物を言うとしたら、武器なんてある程度あれば良い。ナイフ、ショートソード、ロングソードの三つくらいで良いんだよ

なんて思ってる僕でもやっぱり武器は手にするものなんだなぁ... まぁ、最初はフォークしか持ってなかったけど

テーブルに置いてある食パンを咥えてその場から離れる
クローゼットに入っている洋服に着替えてまたリビングに戻る
テーブルの上にある財布に目が行き、財布を手にし、中身を見た....

「や、やばい、このままでは金欠に...」

っと、悩んでいる最中
玄関のドアを強く叩く音が聞こえる

「あぁ... またレートの低い奴らが。武器集めも確かに必要だけど、経験が一番の武器だぜ?」

ん、丁度良いか。金無いし... 金がドロップすれば良しだが。まぁ他の物がドロップしても売ればいいか

玄関へ足を運び、ドンドコ叩かれて痛がっている扉を豪快に開け...

「やぁやぁやぁやぁ武器集めにしか脳が無いクソガキ共め、ぶっ殺されたい奴から前に出ろぉ あぁ!?」

扉から見た限りではざっと四人... 腕輪は黄色、武器はみんな仲良く果物ナイフか
防具は無しで、どうせ頭脳もねぇだろうな。心底どうでも良い奴らだな、どうせナイフ振り回して脅して刺し殺して金貰ったり食いもん貰ったりしてたんだろう? 腕輪を見る限り無駄殺しはしていないみたいだが... あっちから喧嘩売ってきたんだ、関係ないだろう?


"箸一本"で十分だ


左腕に着けている黄色の腕輪に手を(かざ)し、腕輪から出てきた光の粒子が空中に箸を一本構成させる
その箸を掴み、一番前に居たナイフを構えているぱっと見十八くらいの男の額に突き刺した。比喩ではない、そのままの意味だ。グサッと突き刺したんだよ
箸の先端が脳みそまで行き着いたか、ぷにぷにと柔らかい感触を覚えた

「ははは。箸って凶器になるんだぜっ!? 一刺しで脳みそ貫通でぇ〜すっ!」

勢いよく刺した箸を抜き、白目を向いて倒れるモーションを見せた男の腹部に思いっきり蹴りを入れ、奥にある柵に飛ばす。ガシャンと大きな音がしてバウンドする"死体"が地べたにへばると同時に、横から飛び出してきた男に手を添え....

「おせぇよ」

こめかみに箸を突き刺し、貫通刺せる

「貫通させりゃ血が出ないから止血になるぜ? それ以前にもう機能しないけどな」

気味の悪い肉片がへばりついている箸などもう使いたくない
貫通させた箸はそのままにしておき、倒れる瞬間に回し蹴りをする。吹っ飛んで行った箸の刺さった死体は他の奴らを巻き込んで階段から転げ落ちる
階段の下で頭を抱えている奴らを尻目に空中から出した新しい箸を掴む。新しいと言っても、先ほど貫通させたやつを一度腕輪に戻してまた出した、瞬間的に綺麗にしただけだから使っている箸は変わらない
奴らの見る目を気にし、箸を上に投げて弄びながら、

「おーい。まだやるのかぁ? 運良く僕を倒せても今は何も腕輪ん中に入ってないから何もドロップしないぜ? 箸が欲しいってんなら別だけどね」

懲りない一匹の金を落とす餌が階段を勢い良く上がって来る....が、次の瞬間。グサッでもブスッでもない、何かが何処かに刺さった効果音が鳴った

「ごめんなさいねぇ、お箸を落としちゃった見たいで。"お目目"、刺さっちゃったみたいだけど許してね♪」

ギャーギャーとうるせぇ雄叫びをあげて階段から転げ落ちていく餌に向かって階段の上からジャンプして飛び蹴りを入れる。重力と体重と脚力の混ざった重い蹴りが地面の硬いコンクリートと相性が良い。地面に思いっきり叩きつけられ、同時に腹部へと伝わった重力と体重が内臓を破壊して行った
奴の口から勢い良く噴き出した液体は隣で転がっている奴の顔面を赤く染めた
目に刺さった箸を何度となく踏みつける、別に意味は無い
グチャグチャと不快な音が周りを覆う

残っているのは、仲間の血を顔面に浴び、目ん玉を箸で踏みつけられているのをマジかで腰を抜かして見ている奴のみだ

「怖いなら帰っても良いけど金置いてって」

踏みつけながらにっこり笑ってそう言うと、奴は急いで腕輪から金を放出させ、背を見せて走って行った
腰を抜かしていたらしく、上手く走れていない
そんな奴の背中を見て

「ってい」

軽い口調とは全く異なる力の入った勢い良く飛んで行く箸が背を見せる奴の左側、心臓部分を突き刺した

ふぅ、と息をつき、階段を登りながら空中に浮かび上がったスクリーンを見る。そのスクリーンはあの箸同様、腕輪からの光が放出させた物である
ピッピとSE(エスイー)の鳴るスクリーンに映るのは先ほど殺った四人の名前と住所、性別、持ち物、戦歴など.... そして一番大きく。ドロップ、と

「しけた戦歴のくせに金だけは一丁前に持ってるんだね。まぁ今の僕には好都合だけど」

家に入り、先ほどドロップした金を放出させ、財布にしまう
金や食べ物を腕輪に閉まっておくのは個人的に嫌いなのだ...

テーブルに置いた食べかけの食パンをまた食べ始め、ソファーに座ってテレビを見始める


なんかこの食パン鉄の味がする
あ、手ぇ洗ってないや...  
 

 
後書き
腕輪に閉まった物は光の粒子となって放出され、構成される

相手を殺ると、相手の持っている物の一つを"ドロップ"する

腕輪から映し出されるスクリーンは自分の戦績、腕輪に閉まった物、ドロップ率やドロップした物などが映し出される

黄色の腕輪は正式なデッドマンの証、赤色の腕輪はただの殺人鬼、青色の腕輪は新規デッドマン、新入りだ

デッドマン、通称『D』、殺し合いをして勝った者が負けた者の物をドロップし、常にサバイバルをし生きる者達

インフラレッド、通称『I』、デッドマンとは違い、普通に仕事し普通に金を貰い普通に生きる者達。デッドマンが使う武器や防具、道具などはインフラレッドが造っている。腕輪もインフラレッドが造った、がインフラレッドは腕輪を着けていない  
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