転生者の珍妙な冒険
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出来ればコイツとは戦いたくない・・・・・
前書き
さて、お待たせしました。
今回は肉体派のあの人との対決です。
「さて、待たせたなジーク。」
「やっとか、待ちくたびれたな・・・。」
アホ1名を再起不能にして、いよいよ師匠との戦闘だ。これでやっとシゴキの仕返しが・・・・・。
あ、アイツ自分の周囲に真空竜巻作ってやがる。
地面の小石とかがアイツの周囲だけ細切れになってってるもん、風自体は見えないけどバレバレ。
あれ、俺でもスタンドでも触ったらお陀仏じゃあ・・・・・・。
「なぁ、やっぱり戦うの止めね? ほら、俺らの主目的はオッサンに話w「臆すな!! 真空竜巻くらい何とかしろや!!」・・・・・ハイ。」
台詞に食い気味で言い返してくるジーク、まぁビビった俺も悪いとは言え、声デカいよ・・・。
(まぁ、確かにやるしか無いか・・・・。)
内心でため息を吐きながら、何とか被害を最小限に抑える為に両腕に波紋を集中させる。波紋に弱い柱の一族の技だから、多少はマシになるだろ、うん。
『さぁ、ジェリア選手を外道としか思えない手段で打ち破ったヨシュア選手!! 今回はどんな卑劣な精霊技を見せてくれるのでしょうか!!!』
「確かに気になりますね~、性格云々は兎も角、中々に効果的に使いますからね~。」
司会と解説の声に、集中力と波紋を散らされました。
「コラ司会者ぁ!! お前何なんだよその物言いわあぁぁ!!!!?」
『おぉっとっ! ここでヨシュア選手からの暴言だあぁぁぁぁ!!!!』
ウザい、アイツは俺が嫌いなのか、尋常じゃなくウザい・・・。
「大丈夫ですヨシュア選手、貴方の性格は兎も角、私個人は貴方のその精霊の使い方嫌いじゃないです。」
「フォローになってねぇんだよ解説者畜生!!!!」
あぁあぁぁぁあぁぁああぁぁぁ!! ウザい!!!
「分かったよ、じゃあ目の前のこんな奴なんざ精霊無しで戦ってやるよ!!」
『おっと、ここでヨシュア選手から面白・・・コホン・・・衝撃の宣言がっ! 大丈夫なのでしょうか!!!?』
「大丈夫に決まってんだろ!! こんな奴、精霊無しでもボコボコじゃ!!!」
「へぇ・・・・スタンド無しでも、ねぇ・・・?」
ッ・・・・・・!!!!!!?
(や、やっちまった・・・・。)
売り言葉に買い言葉で、ジークをキレさせちまった・・・・・。
しかも、俺スタンド使えん!!
「そこまで言うなら夜集阿よぉ、お前スタンド無しでもイケるんだなぁ!? 1回でも使ったらその場で負けにするからな、アァ!!?」
「・・・・・じ、上等だよ師匠コラァ!! テメェに受けたシゴキ、纏めて返礼してやらぁっ!!!」
ここまでくれば後には引けない、いっそヤケだ!!
「いい度胸だ、後悔するなよクズ弟子がアァァァァァァァ!!!!!!!」
すでにジークは鬼のような形相で爆進してくる、このままじゃ蹴り潰されそうだ、時間はねぇ!!
「コオォォォォォォォォォォ・・・・・・・、波紋疾走ッ!!!」
「ウッシャアァァァァァァァァ!!!!!」
バキャアァ・・・・・!!
俺の波紋を纏った手刀と、ジークの真空竜巻を纏った蹴りがぶつかり、凄い音を立てた。
骨が砕け散る音、それを発したのは、
「ぐああぁぁぁぁ!!!!」
俺の腕、おまけにやはり完全には防げなかった真空竜巻のせいでズタズタだ。
急いで波紋の呼吸で治そうとするが、目の前の男はそれを許してくれない。
「そらッ、どうしたッ、その程度かッ、さっさとッ、攻撃をッ、してこいッ!!!」
言葉の区切り区切りに合わせるよう、流れるような動きで蹴りや拳を叩き込んでくるジーク。その1つ1つが真空竜巻を纏った必殺の一撃、かするだけでズタズタだ。
現に、紙一重で躱してるはずの俺の顔や体に、薄い切り傷が無数に生まれていく。
「お前ッ、そもそもッ、手刀でッ、俺にッ、歯向かおうッ、とかッ、馬鹿じゃッ、ねぇのッ!?」
嘲りの言葉を乗せて攻撃を打ち込み続けるジーク。恐ろしくウザいが、正論だ。
「やっぱり、蹴りに手刀は無理だな。波紋疾走が1番得意だからいけると思ったんだが・・・・。」
兎に角、真空竜巻を何とかしねぇと死ぬわ。
「じゃ、反撃開始だ。波紋カッター!!!」
ジークが拳を突き出してきたタイミングで、口に溜めておいた唾に波紋を流し、カッターにして肩に放つ。
当然ながらジークは避けたが、ンな事はお見通しだ。
「真空竜巻、隙間出来てるぜっ!!?」
そう、奴の真空竜巻は柱の男の力、波紋をぶち込めば消える。その隙間に入り込んで!!
「仙道波蹴!!」
顔面に波紋を込めた膝蹴りを叩き込むっ!
「アホが、その程度予測出来るわ!!」
が、その膝を掴まれて失敗、しかも掴まれた脚が動かせん!!
「マズっグボッ!!!?」
そして、ジークの拳が鳩尾に叩き込まれ、俺の体は宙を舞う。
かなりの高さまで打ち上げられ、受け身も取らねぇと落ちたら死ぬような状況でも、俺の体は動けなかった。
(く、クソがッ!! 鳩尾に入れられた一撃のせいで体が満足に動かんッ、吐き気もしやがるッ、畜生!!!)
そんな俺を、追撃もせずに眺めているジーク。あまりいい予感がしないな。
そして、その予感は最悪の形で的中した。
ジークの体から夥しいほどの闘気が吹き出し、奇妙な形に構えられた両腕が不自然な方向に捻じれ始める。
「今まで、お前は弟子だからってんで手加減してやってたぜ、『この技』を使う時はな? だが、今は決闘だからな、敬意を持って最大威力だ。喰らえ、闘技ッ!!」
逃げねぇと、死ぬッ! だが体が言うこと聞かねぇ!!!!
「『神砂嵐』ッ!!!!!!!!!』
そして、ジークが生み出した圧縮空気の竜巻は、俺を切り刻みながら上昇し、俺の命は消えた。
「な~んてな☆」
ここで俺が死ぬ? ンな事あるわけねぇでしょう!!!
俺が膝蹴りなんて単調な攻撃を何の策も無しに放つ訳ねぇし、ムザムザ鳩尾に無策で拳を喰らうわけもねぇ。
「まぁ、作戦の成り行き上で多少は神砂喰らっちまったが、こんなもんいつも喰らってるのと同じくらいだし許容範囲だわ。なぁ、師匠よぉ!!?」
波紋で傷の応急処置をし、立ち上がりながら視線を向けるその先にいたのは・・・・。
「ッ、~~~~~~~~~~~ッ!!!!!!」
膝蹴りをフェイクにして、掴まれた瞬間に放って無茶苦茶に絡みつかせた超極細ワイヤーに腕を捩じ切られ、声も上げずに悶絶しているジークの姿だった。
「ま、ジョセフ・ジョースターのやり方の9割9部パクリだな。成功して良かったぜ。」
「て、テメェ・・・・・・!!!」
予想外のスプラッタ発生に騒然となる会場を無視して睨み合う俺とジーク。
俺は知ってる、今も既に立ち上がろうとしてるこの男が、腕を失ったくらいで諦める男じゃないことを。
「スマンが、真面目にマトモにぶつかったとして、スタンド無しじゃあアンタに勝てる気はしねぇ。姑息な手を使ったが、許せよ?」
「テメェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!」
激昂し、突貫してくるジーク。その速度、気迫、何より腕を失って尚来る根性は流石に師匠だと感嘆する。
「だけど、無理だな。」
蹴りを放つその瞬間、速度は確実に落ちる。
腕を失ったジークの放てる攻撃は今や蹴り一択、速度の低下はすなわち、「隙」だ。
その隙を狙ってジークの軸足を払い、その体を宙に浮かせる。
「ジーク、アンタをスタンド無しじゃあ倒せないって言っても、アンタの生んだ隙を突けない程じゃあない。アンタを無様に宙に浮かせるのは忍びねぇ、一撃で地に沈める。」
「・・・・・・畜生、がッ!!!」
悔しそうに歯噛みするジークを見ながら、全力の波紋を右腕に込める。
「あばよ、師匠。山吹色の波紋疾走!!!!」
夜集阿 聖斗、初戦通過。
準決勝進出。
後書き
夜集阿 聖斗:『格闘家』『奇術師』:ランクA+
・波紋の呼吸法【レベル2】
波紋ズームパンチ
波紋疾走
波紋カッター
仙道・波紋疾走
銀色の波紋疾走
生命磁気の波紋疾走
山吹色の波紋疾走
稲妻十字空烈刃
クラッカーボレイ
我流・冷酷な怒りの波紋疾走
深仙脈疾走
・スタンド「タロット大アルカナ」【レベル2】【現在固定:星の白金】
0番『愚者』の暗示する「愚者」
1番『魔術師』の暗示する「魔術師の赤」
4番『皇帝』の暗示する「皇帝」
6番『恋人』の暗示する「恋人」
7番『戦車』の暗示する「銀の戦車」
8番『正義』の暗示する「正義」
9番『隠者』の暗示する「隠者の紫」
10番『運命の車輪』の暗示する「運命の車輪」
15番『悪魔』の暗示する「悪魔」
17番『星』の暗示する「星の白金」
21番『世界』の暗示する「世界」
レオパルド・ジーク(神風 零弥):『格闘家』:ランクS-
・神砂嵐の流法【レベルMAX】
真空竜巻
闘技・神砂嵐
・漢武夷流柔術【初期レベルMAX】
神砂の拳
セーナ・フォクス:『格闘家』:ランクB
・イヌ科の嗅覚【初期レベルMAX】
・イヌ科の聴覚【初期レベルMAX】
・波紋の呼吸法
ネーナ・チュミン:『アーチャー』『補助魔術師』:ランクA
・魔導弓【レベル2】
回復型
威力型
速度型
(上から順に使用頻度の高さ順)
・補助魔法
ヒール(極小回復)
ホイミヒール(小回復)
ケンロ(防御小アップ)
ムッキ(攻撃力小アップ)
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