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剣聖龍使いの神皇帝

作者:黒鐡
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第2巻
  緊急車両並みの速度×それぞれの挑戦状

漆原家一時的理事長剥奪された漆原賢典の家から麓へと、峠道をスナイプ・ゼロを運転する俺は爆走していた。今はいつもの黒塗りの送迎車ではなく、いつも運転するフェラーリで赤・青・銀が装飾された迷彩柄とも言うのかもしれない。駆ける所は、プロドライバーでもいくつか注意しながら運転するが、こちらにはレーダーや探査装置を載せた金属生命体である。フェラーリ独特のエンジン音とは思わぬ音を立てて、最新型のエンジンを搭載したかのようなマシンが峠を下る。右に左にくねる道筋を一つのコーナーと見立てて貫く、ほとんど直線的なラインでパス。タイヤを僅かにこじらせるのは、グリップ走行でトレッド摩擦係数を限界まで引き出す完璧すぎる荷重移動。

まるで逃走車から追うように練達のハンドリング捌き、精緻なアクセルコントロール、滑らかなギアチェンジ、絶妙なブレーキング技術を運転席で披露しているのは、見た目高校生中身大人である灰村諸葉が運転をしていた。フロントガラスから見える視界はほとんどジェットコースター並みの速度と運転技術が求められる程である。後部座席に座っていたマヤ、サツキ、静乃はちゃんとシートベルトはしていたが、安全なのか心配していたが助手席に座る沙紀はまるで久々のドライグテクニックを楽しんでいるかのように見ていたが流石のサツキは心配していた。

「ね、ねえ・・・・流石に飛ばし過ぎじゃない・・・・?あと今更だけど、諸葉って免許書持っているの?」

ガタガタ震えながら後部座席から聞こえる声を聞きながら、俺は答える。レーシングカーを乗っているかのような運転技術を持った高校生何て聞いた事がないからだ。スピードメーターを見ている暇がないので、俺は前を向いているけど。

「もちろん持っているさ、それにな、この車はただの車じゃないんだぜ!ゼロ、三人に簡単な自己紹介を頼む」

『承知しました。私の名はゼロ、自立支援型AIゼロと言いますが、この車は先程までロボモードとなり人型にもなりました。私はあらゆる乗り物に変身が出来、そして運転補佐をする金属生命体でもあります。ま、主の家や蒼い翼やCBにもゼロと搭載されています。よろしくお願いしますね皆さん』

「車が喋った!」

「確かにさっき人型に変形したり車に変形したりなのです!」

「それと運転補佐をしているってどういう事なの?」

俺は大胆にアクセルを踏みながら言ったが、この道筋をゼロを通して見ているためか、この先にある道を知っているかのようにしてハンドルを切る。そんで何かが来てもいいように、助手席にいる沙紀は端末を出してあらゆるレーダーや探査するための装置をゼロの所に接続してから敵が来るのを待つ。

「大丈夫だ。コイツは俺の言う事を聞いてくれるから、普段は沙紀が運転させているが俺が運転するとこうなる。走る速度は、場所によってだが速度には慣れているつもりだ。それに俺がハンドルを放しても・・・・こうなる訳さ」

試しにハンドルを放しても、俺が運転しているのと変わらずのテクニックだったのでコイツ自身が動かしているような存在だと思わせた。ま、校長もマリもこのぐらいの速度でビビる訳がない。

「《救世主(セイヴァー)》が道路交通法違反何て許される訳ないでしょ・・・・?」

「俺が大抵運転する時は、蒼い翼からの許可でこの速度が保てる訳だからな。どんな速度とは言わずに、俺が緊急性だと報告すれば緊急車両としての特例が出るのさ」

サツキは自分が所属する組織も同じような事なので、とんでもなさは蒼い翼ぐらいあると改めて思い知らされた。

「せめて安全運転は出来ないにかしら?」

「そう言っているとエドワードが追ってくるぞ!っと危ね、前輪にナイフが飛来するところだったな」

台詞を言っている間にナイフが飛んできたので、それを避けながら左右のハンドルを握る。

「今頃になって追っ手が来るはずだわ、たぶん白鉄のAJ辺りの双頭剣だと思うわ。神速通でこの速度と同じ速度を出しているのかもしてないわ!」

「あの女か、まあ今はいいとしてこのスリルをもう少し楽しみたい所ではある。おいおい、道路の真ん中に女がいるな」

スピードに病み付きになるのは、スピーディアのトランスフォーマーぐらいだろうな。ニトロコンボイが勝負したがると思うが、道路の真ん中に立つ女を目視で発見したがゼロは普通ではあり得ないくらいのジャンプをした。した後にマヤは、普通ならあり得ないのです~とか言って楽しんでいたけど、そろそろ止めるかと思ってから車を急ブレーキをして180度ハンドル切った。アスファルトに摩擦としてあったタイヤ痕があった。

「さてと、そろそろお楽しみが来るからな。全員降りろ」

「凄く気持ち悪いわ~『全員これで何とかなるだろう』あれ?酔いが無くなった」

「恐らく諸葉の回復魔法だと思うわ。さて、来るわよ。嵐城さん?」

サツキと静乃は回復魔法によって、ドアを開けてから外に出た。皆が全員戦闘態勢が出来るようになり、こちらに来る気配が一つ。ナイフで左後輪をバーストさせようとしたり、こちらの速度を上回る神速通で道路の真ん中で待っていたかのようだったりと。行く手を遮るようにやっと登場したAJことアンジェラ・ジョンソンが、走ってきた道路から現れた。今日はヘルメットやツナギではなく、正統派(ブリティッシュ)スタイルのメイド服に、異形の双頭剣という組み合わせだった。変な組み合わせではあったが、破滅的な雰囲気というオーラが出ていた。サツキ、静乃、マヤは身を強張らせるが、沙紀が三人の前に立ち、ゼロがロボモードとなっていた。

「『殺す気満々のようだが、残念だったな。こっちには最新機器が搭載されたこいつがあるから、すぐに避けられたよ』」

『不幸な事故を演出しようとしてもすぐに避けられるので、間に合ったと思えば車がジャンプするなど見た事がなかった。そいつは何だ?』

「『タダで教える程、俺は優しくない。コイツは金属生命体だ、だからレーダーや探査機で避けられたのさ。で?エドワードからの命令なのかな?』」

『違う。私個人の復讐だ、・・・・これを見ろ!』

アンジェラは怒りでギラギラさせるが、いきなりメイド服の胸元を自分で引き裂いた。胸の谷間から綺麗な形のへそにかけてまで、大胆に露出する。一瞬露出魔か?と思ったが、そうではなかった。白人女性特有の象牙のようなまめかしい肌の上に、風刃の舞と共に闇術の真似をしたかのような青痣が幾筋にも見えた。

『貴様の風の刃と闇術で刻まれた、私の敗北の刻印だ』

あの戦いから二日しか経ってないからか、白鉄の高い治癒能力を以ってしてもまだ痣が引かないようだ。ま、あれは闇術紛いのだから、消える訳はない。文字通り敗北の跡だと思えばいいから、明日辺りにでも消させるかと思った。

『こんな無様を晒す訳にはいかぬ。お陰でエドワード様に閨で仕える事も出来ぬ』

「『お前はただの侍女じゃなくて、アイツに惚れているのか。ま、それは闇術ではないから治癒能力が高い者でも消えないさ。俺が許可しない限り消えはしない、あと閨ってな、・・・・ここには十八歳未満の者がいるんだからそんな話題は夜にでもしておきな』」

そちらから襲っておいて何を言っているのやら、アイツが閨の辺りからはサツキ達には聞こえないようにしていた。殺気を放つ相手を簡単に受け流してから、徒手空拳の構えをした俺と緑色の通力(プラーナ)を全身に燃やしていた。がそこへやっと到着したようだ。

『やれやれ。ボクは確保しなさいって命じたのに。キミはイケない子だねえ、アン?』

やっと追い着いたかのように来ては、この火種を持ち込む男が現れた。言わずとも知れたサー・エドワード・ランパードで、白騎士機関イギリス本部長でランクSの実力者ではあるが、果たして俺を本気にさせてくれるのかな?

「『遅いぞ、イギリス本部長のランクS保持者』」

徒手空拳の構えを解かないで、前に凄腕の白鉄と後ろにランクSの白鉄。あとは俺らが発進してから、こちらに追いついたようだけど、俺からしたら少し時間は掛かったようだった。

『まさかその車がロボになるとは、流石のボクでも驚きだよ。それに君の言い分を一方的に聞いて帰れるボクではないよ』

「『随分と静乃にご執心のようだな、俺を本気にさせてくれるのか?それとも剣を持つぐらいにさせてくれるのかな?』」

『イギリス本部はダークセイヴァーを欲しているか、小説三冊分くらいお涙頂戴話をしてもいい。キミを本気にさせればいいのかな?』

「『剣を抜かせるぐらいのじゃないと、俺は静乃を渡す訳にはいかない。この俺である神皇帝はランクSSSだと言う事は既に知っている癖に、少しでも加減が出来ないから死なないでね?と相手を心配するぐらいなんだけど』」

『ボクは彼女をイギリスに招きたいけど、流石の神皇帝じゃ敵わないとは思っている。だがボクにもイギリス本部長というプライドがあるし、神皇帝に目覚めたばかりの者がランクSSSだと承認する事はない。このボクを倒せば素直に認めてやってもいい、という訳でアン。キミはそこのお嬢さん達三人と淑女の一人を生きたまま確保する事。いいね?』

『・・・・承りました(Yes. my lord)』

エドワードに重ねて命じられて、アンジェラは悔しそうだったが恭しく拝命した。暗い炎を灯した瞳で最後にもう一度俺を睨んでから、未練がないようにして視線を逸らす。静乃達だけに意識を向けた時には、沙紀はISを展開させたが今回はエクシアRIIだった。右前腕に装備される斬撃兵装であるGNソード改だったので、そんな玩具な装備で負けるはずがないと思ったらしいが、実際は双頭剣の刃とGNソード改の両刃で受けながら膝蹴りで離れたアンジェラ。サー・エドワードが、俺の本気を受けられるのか相手は冷や汗していた。

「サツキ達は沙紀のバックアップを頼む。またもしドウターが現れた場合は、沙紀の代わりに相手をしてもらえ。それとラードゥンはマヤの近くにいて、結界を作るのを補佐しろ。他は俺の中で待機だ」

「承知しました。我が主」

「了解したわ兄様!」

今の所アンジェラの相手は沙紀がやっているが、いつドウターが出るか分からない。なのでサツキと静乃でバックアップをし、マヤが『夢石の面晶体(フィールドオブドリーム)』の準備に時間かかるためにラードゥンが補佐をする。結界や障壁を得意とするドラゴンだ、問題はないさ。六人しかいないランクSだろうが、CBにはランクS保持者ぐらいの実力や権力を持っている。戦いは二つの場所となったが、俺対エドワードで沙紀ら四人対アンジェラ・ジョンソン。俺は巻き込まれないようにして、場所移動する。 
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