DOG DAYS [ミミとシッポと時々不良?]
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幼馴染との再会
前書き
第一話目です。
どうか暖かい気持ちでご覧ください。
晴れ渡る青空の下、懐かしい土地の匂い、代わり映えのない周りの景色。久しぶりの故郷に少しばかり感傷に浸りながら、愛用しているボストンバッグを肩からひっさげて昔の記憶をたよりに幼馴染を迎えに通りを歩く。今日は幼馴染の通う学校の終業式。そいつはその後の春休みを使ってそいつの故郷であるイギリスへと帰郷してくるとのことだ。現在、俺はイギリスに住んでいるのでそいつはどうやらイギリスに滞在中、俺の家に泊まって過ごすらしい。
らしいというのもこのことは俺も昨日、初めて聞いたことでそいつにもまだ泊まるところが従姉妹の七海のところじゃなく俺の家っていうのは知らされていないようだ。まったく、おかげで昨日いきなり飛行機のチケット渡されてわざわざこっちまで迎えにこさせられてしまったよ。だいたい、あいつだってもうガキじゃねぇんだから1人でイギリスくらい来れるっての!お袋は心配しすぎなんだよまったく.......。
ブツクサ文句を垂れながら歩いていると目的地の幼馴染の家が近づいてきた。するとその前にはすでに先客がいるようでなにやら大声でその家の二階に向かって呼びかけている。
すると、二階から荷物が投げ出され一つの人影が思いっきりジャンプした。人影は空中で見事なパフォーマンスを見せたのち、軽々と着地し先客に挨拶を交わしたあとこっちに気づいたようで顔を向けてきた。キョトンとした顔をしたかと思うと途端に顔をかがやかせ、こっちに手を振りながら駆けてきた。
「お〜い!!功真〜!久しぶり〜!!!」
「おう、久しぶりだなシンク!」
ボストンバッグを置いて駆けてきた少年、イズミ・シンクと握手を交わす。俺はこいつに会うためにここ、日本までやってきたのだ。
俺の名前は、「遠鷹 功真」(とおたか くうま)。こっちじゃ高校1年生と同じになる16歳だ。今日はこの金髪の幼馴染、イズミ・シンクを迎えにイギリスから日本までわざわざ渡航してきた。
「どうしたの功真?こんな朝早くからこっちまできて。」
「どうしたのじゃねぇよ....。お前を迎えに行ってこいって言われてここまで迎えに来たんだよ。」
「ええぇ!?イギリスから?いつ出発したの?」
「昨日だよ...。」
「昨日!!?な、なんでそんな急に?」
「俺が聞きたいわっ!!!!」
くそっ、お袋めぇ...。心配なら次からはあらかじめ教えてから行かせろってんだ。もう次はないと思いたいが。
「あはは、それでわざわざ来てくれたの?おばさんの心配性は相変わらずだね。ありがとね功真。」
「まったくだ。それで?今から学校n.....」
なのか?と言おうとした時。
「あああ!!!?功真兄ちゃん!!!!」
すっとんきょうのような声を上げてさっきから家の前でボケ〜ッとしていたもう1人の幼馴染が食いついてきた。
「なんだよ、ベッキー!びっくりしたじゃぁないか!!」
「久しぶり〜!ごめんごめん、一瞬誰だかわかんなくて、つい。」
こいつはベッキー。本名、レベッカ・アンダーソン。シンクと俺の幼馴染のツインテールがよく似合う少女だ。俺のことを兄ちゃん付きで呼ぶ幼馴染兼妹のような存在だ。
「そうか?シンクなんてすぐわかってたようだぞ?」
「いや、正直言うと僕も誰だろうって一瞬思ったよ?」
「そうよ、だって功真兄ちゃんの格好.....。」
「.......やっぱり変だよな........。」
なんてったって今現在、俺が着ている服装っていうのは普通の私服とかではなく、黒い上着の丈が膝したまである日本独特の有名な学生服「長ラン」を着ているのだから。
「変っていうかちょっと場違いというか....時代錯誤しているよね。」
くくくっと笑いを堪えているベッキー。
「まさか、これで飛行機乗って来たの?功真?」
「おう、そうだが?」
シンクの問いに堂々と答えるとベッキーとシンクは同時に吹き出していた。
「やっぱり変なんだな!!くっ、お袋のやつこれ着ていけば学生だと思われて、怪しまれないって言ってたのに騙しやがったな!」
「い、いや、全然変じゃないんだけど似合いすぎてつい。」
「そうそう、なんかTHE・不良って感じがしてグッとくるっていうか、功真兄ちゃんって普段、顔がしかめっ面してるから...くく。」
「俺は不良になった覚えはないぞ、ベッキー?」
...確かに普段、やんちゃしたりしているがあくまで正当防衛であってだな。しかめっ面してるだけでケンカふっかけてくるやつなんて......あれ?それが原因なら結構当てはまるぞ、ちくしょう。
「しょうがねぇ...今日一日だけだし、これで過ごすよ。」
「そうだ!なんで功真が迎えに来てくれたの?」
「ああ、シンクは七海ん家にやっかいになると思ってたらしいけどなぜか俺の家で預かることになっててな。」
「あっ、そうなの?じゃあ功真にも稽古つけてもらえるんだね!」
突然、目を輝かせるシンクに俺は苦笑いしながら
「まあ、そうなると思ったよ。少しだけな少しだけ。あんまりお前の相手してるとあの七海が怒って自分もやる〜とか言い出すから困る。」
「あ〜七海ならありえるね、それ。」
はははと笑い声をあげる三人。
俺は荷物を持ち直すとシンクに、
「さて、シンクよ。終業式は何時に終わるんだ?」
「んー、お昼ごろには終わると思うんだけど、今日は早退していいって言われてるからちょっと早めに終わると思うよ。」
「そうか、じゃあ俺はお前たちの学校で待とうかな。」
「功真兄ちゃん、通報されないようにねぇ」
心配そうな笑顔でベッキーが声をかける。本当にそれだけは気をつけなければいけないな...。
学校に入る前に案の定通報されかけた俺だが、シンクたちが先生に臨時保護者だと説明してくれたおかげで学校内での待機が許された。終業式がある程度終わるまで暇だった俺は散策をすることにした。
校舎を歩いていると木陰からひょこっと、マフラーのような物を巻いた犬がこちらを見ているのに気づいた。その犬はこちらが見ていることに気づくと足下に駆け寄ってきた。
「どうした犬っころ?迷子か?」
犬の頭をわしわし撫でてやると犬は喜んだような表情になった。頭から手を離すと犬が短剣のような物を持っているのに気づいた。
「これお前のアクセサリーか?最近の飼い犬は放し飼いの上にこんな物騒なものをつけられているのか。」
やれやれと首を振っていると犬が突然、ズボンの裾を引っ張りだしてこっちに来いといっているかのように歩き出した。
暇を持て余していた俺は導かれるままについていくと、
「あっ、功真〜!!」
上から声がしたので視線をあげてみると校舎の上にシンクがいた。
「おお、シンク。おわったのか?」
「うん!今そっちに行くよ〜っと」
そういうとシンクはそこから飛び降りてきた、次の瞬間
いつの間にか口に加えていた短剣と一緒にさっきの犬が出てきて、シンクの着地点と俺の周りを囲むようにピンク色に輝く不思議な円が地面から出ていた。その光は俺たちの視界を白く染めて________
「なぁっ!?」
「えええぇぇ!?」
_____________次に気づいた時には俺とシンクは、空を飛んでいた____________
______to be continue________
後書き
読んでいただきありがとうございます。
第一話目なのでやはり内容が少なくなってしまいましたが次の回からも多めに書いていきたいと思っております。
次の回もよろしくお願いいたします。
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