Fate / the beelzebub comes.(魔王来たりて)
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プロローグ
前書き
にじふぁん閉鎖に伴い、こちらに引越してきました。
投稿スピードは亀ですが、宜しくお願いします。
「・・・・」
生きとし生ける者が、ことごとく死に絶え荒廃した平原に、
赤い髪を背中まで伸ばした一人の男が、
静かに・・・佇んでいた――――――――
(赤髪の男サイド)
「ふう~・・・」
俺ことシリウス=インバース=ガヴリエフは、適当な岩に腰掛けながら、現状に至った経緯を思い返していた。
周りを見渡せば、多種多様の屍が転がっている。
どこぞの騎士風の人間だったモノや両腕を斬り飛ばされた魔道師風の男、戦いに駆り出された農民風の男の姿もある。
魔族や神族は死ねば死体も残らず消滅してしまうから、この場には両族の死体はないが、
両族も大半が死んだし俺自身かなりの数を殺した。
結論から言えば、ダイナストの阿保と火竜王の正義馬鹿の抗争に巻き込まれたのだ。
覇王は俺の中に存在する魔王のかけらを解放する為に・・・
火竜王は俺という存在を全否定し、俺ごと魔王のかけらを抹消する為に・・・
双方は、無関係な人間まで巻き込んで俺に接触、交戦してきた。
あいつらのお陰で、俺は今や双方の陣営とこの王国他、数多の人間から追われる事になったのだ。
ひじょ~~~~に迷惑な話だ。
「さ~て・・・これからどうしようか・・・・」
俺は今後の進退方針を、早急に決めなければならなくなった訳だが・・・
俺の父親も母親も遥か昔に老衰で亡くなっているし、アメリアおばさんやシルフィールおばさんの子孫達とも、疎遠になってしまった・・・
知り合いと言えばゼロスとかの長寿な連中ばかりだ・・・
かといって特に親しい訳ではない。
せいぜい、お互いに顔と名前を知っていると言った程度だ。
まぁ・・魔族の連中は、俺が魔王の力に覚醒してから、親しく・・というか敬う様に接してくるが。
どちらにしろ、親しい間柄とは呼べない。
・・・正直な所、俺自身この世界には未練は無い。
「・・・いっその事、異世界にでも召喚されんかね・・・」
流石にそれは無い・・・か。
《・・・本と・・・か・・》
・・・ん?
《・・今言った事は本当かの?》
!?
何者かが空間を渡って来る!?
「・・・誰だ?」
俺は次元を渡ってくる存在の方向を見定め・・・
具現化した魔王剣を構える。
「ホッホッホッ!・・・そう殺気を向けんでくれんかの、この老体には堪えるわい。」
数瞬後・・・少ししゃがれた声の老人が、空間に穴を空けて出てきた。
「・・・じーさん、その魔力量で普通の老人装おうってのは、無理だと思うぞ?
第一、普通の老人ってのは次元移動など出来んよ。」
「・・・・やっぱり・・・そうかの?」
「普通はな。」
間髪入れずに即答したら、じーさんはその場で膝を着いて、落ち込んでいる様子だった。
その仕種は甚だ胡散臭かったが(汗)
まぁ、じーさんから敵意を感じなかったので、俺はとりあえず構えを解いた。
「・・・で?じーさんは何の用で、この世界に来たんだ?」
「ホッホッ、話が早くて助かるの。わしの名はキシュア=ゼルレッチ=シュバインオーグと言う。
実はの、異界の魔王であるお主に依頼したい事があっての。」
「・・・依頼?」
「そう・・・今、わしの出身世界で【聖杯戦争】というのが行われていての・・・」
俺は暫し、じーさんの説明に耳を傾ける事にした。
(ゼルレッチサイド)
「・・・という訳での、お主には60年というサイクルをねじ曲げた奴を、ぶっ潰して貰いたいんじゃ。」
「・・・・報酬は?」
ふむ・・流石にただでは引き受けてくれんか。
「では・・・・依頼達成の後は、その世界で好きに生きて良いというのはどうじゃ?」
訳も無く暴れる様な奴には見えんし、構わんじゃろ・・・
いざとなれば、わしやあやつらで止めればいいしの。
異界の魔王との戦いも面白いかもしれんて・・・
「・・・・じーさん、今何か変な事考えてなかったか?」
おっとイカンイカン、顔に出とったかの?
「・・オホン、それよりもどうするんじゃ?行くのか、行かないのか?」
そんな白い眼で見るでない、ちょっと考えただけじゃ考えただけ!
「・・・・一つ聞くが、その世界は平和なのか?」
「何じゃ、魔王らしからぬ台詞じゃの~?」
魔王なんていう位じゃから、「ニンゲン沢山殺せるのか、ゲヘヘ~!」ぐらい言うかと思っとったんじゃが。
「・・ここ百年位ずっと戦い続けだったからな、たまにはのんびりと過ごしたい。」
「・・・お主、本当にこの世界の魔王かの?(汗)まぁ、良いわい。この世界よりは平和・・・かの?
表の世界は・・・と条件は付くがの。」
「・・・まぁ、多くは望まん。・・良いだろう、その依頼引き受けた。」
「そうか、引き受けてくれるか。 よし、善は急げじゃ、早速転送するぞ?」
「随分と急だな・・・まぁ、良い・・・やってくれ。」
シリウスは身体の力を抜き、わしに先を促す。
「ではな、よろしく頼むぞ。」
わしは懐から出した【宝石剣】をシリウスに向かって振りかざす。
わしが魔力を込めると、【宝石剣】が閃光を放ち、シリウスをあの世界へと誘った。
せいぜい派手に暴れて来い!
TO BE CONECTED
後書き
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