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神葬世界×ゴスペル・デイ

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第一物語・前半-未来会議編-
  第四章 覇王の会議《2》

 
前書き
~明・灯による前章説明・第三回目~

【明さん】  :『なんだかんだで三回目に突入――!
 何やら会議始めたみたいだけど、私には関係無いわ。だってそこに琴姫がいないんだもの!
 それじゃあ、前章の説明に入るわよ』

-前章のあらすじ-
 日来と奥州四圏の代表である辰ノ大花による、日来の今後を告げる会議の始まり始まり。
 この会議で日来は自身の今後を告げなければならず、このまま奥州四圏の言いなりになると日来は無くなってしまうわ。
 役職とか名前とは言い合って、そこで調子に乗った馬鹿長が椅子に縛り上げられ身内殺しにあったのよ。
 連鎖するように、何故か宇天側の男子学勢二人も身内殺しに合ってしまった。何それ怖いわ……。
 視点は変わり、外交区域学勢領の建物内から会議を見学している三年一組の場面へとChange。
 会議のちょっとした説明を、恋愛にドライな恋和が説明してたけどつまんなかったから聞いてないわ。
 すると何故かゲーマーが目覚め、クラスメイト数名を襲う。獲物は結局、小柄な貧乳絶壁まな板少女のロロアとなったのよ。
 おふざけタイムのまま前章は終わった、終わってしまった。

【明さん】  :『こんな感じね。今回はこの会議の続きだからよく読んでおきなさいよ。
 一応言っておくけど、この世界では学勢院の高等部学勢は社会的には立派な大人よ。だから自治とか任されているの、分かった?
 てかなんで私ったら、こんな真面目に話してるのかしら?』
【恋恋恋】:『真面目なことはいいことですよ』
【明さん】  :『あら前章でベラベラ喋ってた恋和じゃない。まあ、そんなことはどうでもいいとして、その“恋恋恋”って何よ。世界に何を求めてるのよ』
【恋恋恋】  :『これは恋の複数系でして、恋和ということを表せたらなと』
【明さん】  :『言ってる意味分かんないけど、あなた多分、頭おかしいわよ』
【恋恋恋】  :『馬鹿にされました! 今、灯に馬鹿にされましたよ!?』
【明さん】  :『こう“恋”って字が並ぶと何処の文字よ! て言いたくなるのよね。

恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋変恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋

 ――何これ、気持ち悪っ!』
【恋恋恋】  :『酷っ! これ酷過ぎますよ!
 それに一文字間違ってますし!』
【明さん】  :『これぞ、コーナーを仕切る者の力よ!』
【恋恋恋】  :『力に溺れた人って怖いですよね……』 

 
 蒼天の空の下、二つに分かれている覇王会に日が当たる。
 ぐったりとしている男子が三人程見えるが、周囲はそれを気にせずに会議を進めていた。
「それじゃあ、うるさい奴も黙ったことなので会議を始めよう。こちらの長が先に発言してしまったので、こちらが先攻で行こうか」
「それじゃあ後攻は私たちね。そうね、そちらの長が言う通り“その一”からで行こうかしら」
 会議場の上にある映画面|《モニター》に映る、“その一”の文字に赤丸が付く。
 それを見た飛豊は思った。
 一先ずは安心か。しかし、この馬鹿長何を考えてるのか分からないな。
 別にこちら側が先に発言しなくてもいいのだ。
 何故なら、自分達も相手も立場が危うくなろうともこれから敵となる運命を辿る。
 日来が彼方の指示に従い他勢力群|《イレギュラー》に移り住んでも、指示に従わず敵対しても、結局は有効打を持たない日来はその名を消すことになる。
 ならばここは、相手の様子を見て如何に今後の情報を得るかが重要なのだ。だから飛豊は解らなかった。
 何故、自分達の長は先に発言したのかが。
 彼方はこちらの様子を伺っている。そして彼方の隊長が立ち上がり、机に手を着いた。
「始まって早々に申し上げますが、今後奥州四圏は日来から……」
「ちょっと待っ――」
 飛豊は立ち上がった。
 先程の長であるセーランの発言を彼方は先攻側の発言と捉え、今度は彼方が発言して来た。
 だが彼方は、動いた口を止める気配は無い。
 本当はここから先は聞きたくない。聞けば選択を嫌でもしなければならない。
 日来を捨てるか、世界を敵にするかを。
 何故、お前はこんな会議に社交院の代わりに出ようと思った。こんなこと、大人がやることだろ。
 飛豊は立ったまま、ぐったりとなっているセーランを横目で一瞬だけ見た。
 先程のパンチがよほど効いたのだろう。ピクリとも動かない。
 そんなことを思いながら、耳からは宇天の隊長の言葉が入って来る。
 そして、彼女ははっきりと日来に告げる。
「――日来から、手を引くわ」
 その言葉に日来がざわめいた。
 手を引く、それは日来を捨てるという意味だ。
 予想はしていたが、直に言われるとキツいな。
 右に座っている空子の向こう側。
 レヴァーシンクは自身の映画面を表示し、伝界|《ネット》でこの会議についての受け答えをしている。
 その伝域|《サイト》の観覧数が一気に四桁を突破し、五桁に近付いていた。
 焦りを感じながらも、冷静に振る舞うよう努める。
「それは日来を他勢力群の貿易艦隊・調と交換する、と言うことでいいのだろうか」
「その通りよ。聞きたいことがないなら、次に進むわよ」
 焦らせるな、と飛豊は思う。
 会議の場で相手を焦らせるのは、何かしらの理由がある。
 例えば、
「何か隠しているのか?」
「どういう意味かしら」
 彼方の隊長が睨んできた。
 間違い無い、と飛豊は確信する。
 先制攻撃は早い者勝ちだ。当たり前だけどな。
 今、彼方の隊長はこちらに睨みを効かせてきた。それ以上言うな、の警告だ。
 後戻り出来無い会議では、調子に乗ったことが出来るのが魅力だ。
 しかしやり過ぎると、今後のことに迷惑を掛けてしまいそうなので、これ以上は問い詰めない。
「いや、そちらがあまりにも早く会議を進めるからな。何か隠し事があるのかと思ってしまった」
「隠し事なんて誰にでもあるでしょ。それに万が一あったとしても日来には関係無いわ」
「すまない、小さいことが気になる性分なんだ」
「確かに、飛豊ってお金のことになるとけちけちするんだもの」
「商売、上がったり下がったりで大変だ。よくもまあ価値が低い頭を持つものだ」
「お前達は黙れ」
 伝達者二人を叱りながら、飛豊はレヴァーシンクの方を向く。
「レヴァーシンクからは何か聞くことはあるか? ネフィアや空子、二人は特に聞くことは無いだろうしな」
「そうだね……」
 言い、レヴァーシンクは立ち上がり、宇天の隊長の方を向いた。
「関係が明白になったわけだから、“その二”に移って今度は今後の日来について話してもらおうか」
「いいわよ。今後、日来が交換を認めるならば、調を神州瑞穂に迎える。もし日来が認めないのならば、奥州四圏との争いになるわ」
 言ってくれるね。レヴァーシンクは思いながら自身が表示した映画面を見る。
 映画面には多くの批判のコメントが流れている。
 全く、どうにかしろなんて簡単に言ってくれるよ。
 日来に残ったからにはどんな状況になろうとも、責任は日来に残ったその者自身にある。
 だが、如何に覚悟をしたとしても、その覚悟は揺れ動くのが人間だ。と、レヴァーシンクは思う。
 だから皆を導く王が必要だ。
 そして、それが覇王の名を冠する覇道の道を行く覇王会であり、長だ。
 もうその長は、既に決断を下している。
「咲先生。会議中申し訳無いけど、この会議って神州瑞穂中に放送してるのかい?」
「いいところに気が付きましたね。気付くまで言わないように決めてたので、すみません」
「それくらい世界に目を向けなきゃあ、覇王会失格だよね」
 咲の言葉に、更に榊が言葉を加える。
 レヴァーシンクは掛けていた度の入っていない眼鏡を整え、飛豊に語り掛ける。
「君の受け身型の会議、いきなりだけど攻撃型の会議に変更ね」
「……っ! 動くのか」
「わたくし達が動くなら、ここら辺でこちら側の立場をはっきりさせておいてもよいかと」
「住民からの批判覚悟だな」
「何好き勝手やってんだとか叫びながら、社交員が乗り込んで来ないか心配だよねえ」
「お前の勘は妙に当たるから怖い」
 長を除き、仲間から肯定の返事が返ってきた。
 飛豊は席に座り、レヴァーシンクに会議を託す。
 会議にしては展開早過ぎる気もするが、気にしてもしょうがない。
 まあ、駄目元会議って社交院の連中も言ってたし。最悪、僕の責任じゃないしね。
 心の中でぼやきながらも、伝域に文字を打ち込む。
 どうにかするから黙って見てろ、と。
「“その二”はもういいや、そっちは?」
「こちらも大丈夫デース!」
「オーケーで御座るよ!」
「起きたのね、もう一度寝る?」
「「ひいい――!!」」
 宇天の男子学勢二人が、自身の隊長に怯えている。
 遠くから、それを学長が見詰め微笑んだ。
 “その三”で日来は動くわね。
 宇天の隊長は顎杖を突きながら考える。
 “その一”、“その二”は序章に過ぎない。“その三”の内容である今後の日来の姿勢が、双方が真に会議するところだ。
「それでは“その三”に移ろうかしら。聞かせてもらうわ、今後の日来の姿勢を」
「そうだね、はっきりさせようか。こちら側の立場を」
 会議は“その三”、今後の日来の姿勢へと移る。
 ふと、会議場に冷たい風が吹いた。
 これから始まる討論を伝えるように。
「僕達日来は今後、奥州四圏の指示には――」
 風により、葉が舞い踊るなかで告げた。
「従わない」
 次の瞬間。再び、彼が開いていた伝域の観覧数が一瞬にして跳ね上がった。



「……そうきたか」
「どういうことですかな、葉木原君」
「簡単なことだ」
 外交区域社交領の建物の一室のなかで、数人の人影がある。
 机に手を着き、葉木原は机を四角形に並べた中心に表示されている映画面|《モニター》を見ながら説明した。
「この前、覇王会が交渉しに来たことがあっただろう?」
「私達に代わって、この会議に出るとか言っていたあれですな」
「憶えているかね? その時に長が言ったことを。どうせ戦うなら早い方がいいぞ、とな」
「なるほど、あれは会議で宣戦布告するという意味でもあったのですな」
 ああ、と彼は頷く。
 自分達も彼らも戦うことを同じく考えていた。
 しかし、彼らは若い。
 若いゆえに全体として浅はかな考えしか出来ず、最後には必ず行き詰まる。だからこそ本来は、多くの経験を積んだ社交院が出るべきなのだ。
 だが若いなりの可能性に、未来を託した事実は否定出来無い。ゆえに不安なのだ。
 彼らに対して。自分達に対して。
「下手なことになる前に、会議に乗り込みますか」
 刀を携えた女性が葉木原に問う。
 数秒考え、口を開いた。
「いや、この会議が終わり次第行こう。まずは彼らの意見を聞こうじゃないか」
 そう告げ、彼女は映画面の方に顔を戻す。
 部屋のなかでは、皆の呼吸の音だけが静かに響く。



 今、会議場の雰囲気が慌ただしくなっていた。
 それもそうだ。
 普通なら、ここは嫌でも素直に従った方が損は少なくて済む。だが、日来の覇王会は奥州四圏の慈悲とも言える逃げ道を、歩まないと告げたのだ。
「貴方達、本気なの?」
「本気も何も、これが僕達の答えだ」
「奥州四圏を敵に回すことと同じに御座るよ」
「それくらい覚悟してるよ」
 レヴァーシンクは自重することなく、当たり前のような口振りで受け答えをする。
 その姿勢には、来訪者達も何故か関心を覚えた。
「撤回するなら今のうちよ」
「撤回はしない、警戒するなり何なりするといいさ」
「売り言葉に買い言葉。これ大丈夫ですの? レヴァーシンクの中二病発症してノリノリですけど」
「まあ下手なことはしないだろうし、大丈夫だろう」
 だが不安なのは違いない。
 飛豊は不安を感じていた。この発言はいわば宣戦布告と同じだ。
 既に日来を警戒する行動を、奥州四圏は考え、取っているだろう。
 不安を思う飛豊にネフィアは気付きながらも、日来の隊長であるネフィアは立ち上がる。
「この発言から分かるように、今後、日来は奥州四圏の指示には従わずに独立しますの」
「独立したらどうなるか、お解りで?」
 宇天の戦術師が問うて来た。
 彼方も意味は解っているだろう。だから、これは確認だ。
 本当にそれでいいのか、と。
 ネフィアは立ち上がる際、前に出た髪を後ろへ流しながら答える。
「まずは奥州四圏が……。いいえ、まず神州瑞穂が敵に回りますわね。それに世界各国からも狙われるようになりますわ」
「貿易をするとなれば、他勢力群|《イレギュラー》の協力が不可欠となりましょうな。どんな存在かも分からない日来に各国が手を貸すとは思えませんし」
「それならば心配無い」
 ネフィアの横に座っていた、指揮官が補佐と一緒に立ち上がる。
「日来には生産区域が設けられている。日来には今、約九万という人々が住んで居るが、一日二食としても生産区域と貯蓄してある食料で三週間ぐらいは保つ」
「何処が心配無い、で御座るか。たった三週間の食料では日来が沈むのも時間の問題で御座ろう」
「それが心配無いのだ、三週間あればな」
 断言するように言ったアストローゼは、補佐のニチアに映画面|《モニター》を表示するように合図を出した。
 ニチアの操作により、アストローゼの前には二つの映画面が並ぶ。
「これを見ろ」
 自身の方に向いていた二つの映画面を、反転させ拡大した。
 宇天側に見せ付けるように。
 一つの映画面には日来が、もう一つの映画面には何かのグラフが映っている。
「日来には生産区域が地下を含めて大小様々計二十ある。そのなかで家畜を扱っているのはたった五つだけだ」
 映画面に映る、日来の部分部分が赤色に変わる。
 ニチアは生霊|《ナビ》のウタタネと一緒に、映画面を操作する。
「このグラフを見てみろ。日来の食料の輸入量は全体の七十三パーセントだ、残り三十七パーセントはこの地で賄える。そして輸入の殆どが家畜共の肉だ」
「つまりは肉の問題をクリアすれば、日来は食料の貿易を必要としないってわけ」
「それはおかしいのでは?」
 宇天の戦術師が疑問を口にした。
 それは誰もが思う疑問だ。
 全体の七十三パーセントを輸入に頼っているのに、これを心配無いと言い切れるのは確かにおかしい。
「いいか? わざわざ国や地方で貿易をしなくてもいいのだ。何故なら、他勢力群があるからだ」
「それもそうですね。確かに他勢力群にも決まりはありますが、それをクリアすれば貿易は出来ますから。
 貿易相手の他勢力群が仮に各国から圧力を掛けられても、その国は今後その他勢力群の恩恵を受けられなくなりますからねえ」
「なるほどに御座る。他勢力群にはまだまだ国と関わっていない勢力が多く存在するで御座る。それゆえ、資金面等で苦悩しているとこもあるので御座ろうから、そこを対象に貿易を持ち掛ければ上手く行く可能性は十分にあるで御座る。
 それに他勢力群なので、いざとなったら国との問題から逃げられる。この二つのメリットは彼方側には大きいで御座るな」
「よく理解している」
 飛豊は思った。
 これで食料の問題についてはクリア出来るな。
 しかし、食料が確保出来たとして次に問題になるのは。
「なあアストローゼ、ならば資源はどうなる?」
「話してやろう」
 あえて質問を味方にぶつけることで、相手の割り込みを阻止する。
 言い、二つの映画面に別のものが映し出される。
 今度は日来の建物の画像と資金の表が、それぞれ映し出された。
「日来は区域によって建築物の材料を変えている。例えば居住区域の場合、何時壊れても被害が小さくなるように建物は木造で造られている。私達、学勢の校舎もそうだな。だが校舎以外の外交区域は外の連中に見られてもいいように、鉄筋コンクリートなどで頑丈に造られている」
 一つの映画面には、幾つもの建物の画像が映っている。
「これを見ると、使われている材料の殆どが何処でも調達出来る。木なら何処でも生えているし、コンクリートならそこら辺の山へ行けば集まるからな」
「泥棒! ここに平気で泥棒宣言している御仁がいるで御座るよ!」
「泥棒とは失礼な。ちゃんとありがたく使わせてもらうだけだ」
「アッちゃんカッコいいんだから」
「オレンジレンタルラディオの芸も泥棒しちゃたで御座るよ!?」
 来訪者の伝達者が、敵である側の指揮官にツッコミを入れる。
「何か楽しそうだなあ」
「君は覇王会じゃないのに何で来たんだい?」
「え?」



 日来学勢院と宇天学勢院。双方の真ん中で椅子に座りながら会議を見ている若い少女に、中年の榊は話し掛ける。
「普通は覇王会じゃないのに、わざわざ日来になんて来ないでしょ」
「私はただ心配だったから。無理言って一緒に付いて来ただけです」
「仲間思いのいい子だね。蓮とは大違いだなあ」
 榊は少女の横に座っている、老婆を見て言った。
「若い頃から礼儀のなってない子だね。私だって仲間思いのいい子だったさあ」
「何処がだよ。仲間を背後から池に突き落としたり、男子の恋話に参加するわで、いい迷惑だったことしか記憶にないよ」
「学長の悪口は許さん」
「お前も蓮災害の被害者だろ」
「昔のことは関係無いな。今をちゃんと生きることを勧めるぞ」
「お前は本当、機械になっても口が悪いな」
 歳の行った男女と騎神が話している。
 会議のことなど関係無いような、そんな感じだった。
「「三人は知り合いか何かですか?」」
 女性教師と女性学勢が同時に、同じ言葉を口にした。
 少し間が空いた後、榊が口を開いた。
「二人ってなんか似てるよね」
「「そんなことないですよ」」
 また、同じ言葉を口にした。
 教師と学勢は互いの顔を見詰め、頬を赤めた。
「……そのようですね」
「……はい、そのようでした」
「会議中にこんなに楽しんでいいもんなのかねえ。日来が独立宣言してるってのにさあ」
「今は楽しめばいいのかと思います」
「タメナシの言う通りさ。今は面倒臭いことは後回しでここだけで楽しんじゃおう。今後どうなるのかなんて分からないんだしね」
「どうなるか、ねえ。お前が言えたことじゃないだろうに」
「蓮もだろ」
 笑いながら榊は言った。
 楽しむべきところは楽しもう。そうしなければ、苦しみだけが自分に乗し掛かってくる。
 誰しも面倒なのは御免だ。
 しかし、人間の社会はそううまくは出来ていない。だからその被害がたまたま、日来に襲い掛かって来ただけだ。
 そのたまたまが、笑える程度のものなら良かったと、榊は二組の覇王会を見て思った。 
 

 
後書き
 会議の討論始まった!! だけどまだ四章……。
 べ、別に気にしてないぞ?
 物語は会議から進んでおらずですが、のんびりが一番……じゃないか?
 まあ、そんなの気にせず次回は会議終るかな? 
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