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剣聖龍使いの神皇帝

作者:黒鐡
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第2巻
  試作品デザート×イギリス本部長襲来

次の日曜日。週休一日制の亜鐘学園生にとって、待ちに待った休日。サツキと静乃は諸葉が指定した喫茶店に来ていた。サツキには、昨日静乃と一緒にいた事によって諸葉が詫びをしたいと言ってきた。サツキは別にそれぐらいで詫びるのはいいと言ったが、なら諸葉が作る試作品デザートのモニタをしてくれと頼まれた。静乃と一緒にいた件は、あの理事長が関わっていた事なので、怒りはどこにもない。

「ここが諸葉が指定した喫茶店なのね、で、漆原も呼び出された訳なのね」

「そう言う事よ。ここは女子寮から近場の店ではあるけど、何かしらの関係がありそうね」

そう言って入ると、ここの店長か定員が席まで案内された後にとりあえず紅茶とコーヒーを頼んでから、しばらく待つ事にした。この喫茶店は、実戦部隊(ストライカーズ)の先輩女子達がよく利用する喫茶店で、サツキと静乃も諸葉と一緒に何度も利用した事がある。学生の身分からすると、値段が少々高めなのが痛いがお茶もデザートもレベルが高い。ここで昼を摂るのもちょうどいい場所となっている。

「それにしても兄様は遅いなー。約束した時間からもう経っているんだけど」

「お客様は灰村オーナーのお知り合いですか?」

「灰村オーナー?『灰村諸葉様の事です』亜鐘学園で同じクラスメイトですけど・・・・?」

「やはりそういう事なのね、嵐城さん、あそこを見てみなさい」

そう指を差す静乃だったので、見たらサツキはあっ、と言ってから納得したがそれは蒼い翼のシンボルマークである銀色の6対12枚があったからだ。つまりここは蒼い翼関連系経営する喫茶店だったからだ。話を聞くとここのオーナーは灰村諸葉であり、本社社長の零達也とCBの織斑一真との共通点は料理であり、食べたら女性のプライドを粉々に砕く程の威力を持っている。

「本日灰村オーナーから、新しいデザートの試作品を持ってくるという事なので。その時モニタをする友人もいると言っていました」

「だからここを指定した訳ね。そういえば翌々考えれば、蒼い翼関連での経営しているお店は多いもんね。ところで漆原は昨日何してたの?」

「兄が予想通り諸葉の力に目を付けたみたいで、ランクSにして諸葉の自由を奪うみたいよ」

「地位が上がればホントなら、祝うはずだけど諸葉は自由を奪う真似をする輩がいたとしても、倒すと前言ってたもんね」

そう言ってから、紅茶とコーヒーを運んできたのでしばらく飲んでいるとやっと来た諸葉と沙紀にマヤだった。待ち合わせ時間よりも遅くなったが、諸葉の手には大きな箱を持っていて、テーブルに運ぶ。そして置いてから、店長に紅茶を頼んでからサツキと静乃とマヤという席順で、俺と沙紀という席順にした。

「いらっしゃい、灰村オーナー。で?今回はどんなデザート何です?」

「やあ店長。早速だが、俺手作り何で遅れた。今回はこれだ」

箱を開けたら、既に切り分けていたケーキだった。一見ただのショートケーキだが、ここに置いてあるショートケーキよりも美味しそうなケーキだった。あとは俺特製ブレンド紅茶のレシピを店長に渡した後で、サツキと静乃にマヤに食べてもらった。もちろんタダで、そしたらここよりも美味しかったようなのでよかったと思った。

「今までも美味しいケーキを食べてきたのですが、まーやもこれは美味しいと思うのです!」

「もしかして諸葉の家には、これ以上に美味しいケーキや食べ物があるの?」

「はいなのです。ただ諸葉が作ろうとしても作らせないようにするらしいのです」

「お砂糖はいくつ?諸葉は昨日の食事でも、一料理人としては微妙だったみたいわね」

俺のコーヒーとマヤのカフェオレが来たので、静乃は砂糖は何個かと聞く。三つと言ったので、入れた後にモニタのケーキを何個か持ってきたのでここにいる店長と店員にも食べさせた。そしたら、零社長にこれを納品かレシピが欲しいと言ったので俺は了解と言ったので、端末を取り出して本社にモニタしたケーキを納品するように指示を飛ばした。

「ま、俺の事についてはいいけど、昨日ウザい先輩達が街中の公園でアンセスタルアーツを特訓していたから襲われたと石動先輩に報告したら、その三人は今日も武道館で反省しているんじゃねえの」

「えー!あの先輩達が街中で!バカじゃないのその先輩達は」

「諸葉も使ったの?」

「俺はいつも通り拳だけだったから、お咎め無しだ。それよりサツキには言っとくが、夜は余り外に出ない事を言っておく。また何かしらの威力偵察者がいつ現れるか分からんからな」

今頃石動先輩と副長からの鬼みたいな訓練でもしているんじゃねえのか。あとは漆原家の力でも、蒼い翼に刃向おうとしても無駄だと言う事も。

「諸葉は料理が趣味だと言う事は初めて知ったかも」

「気を付けた方がいいわよ嵐城さん。諸葉の料理を食べた者は女のプライドを破壊する効果を持つって前聞いたから」

何その絶対兵器みたいな感じはと思ったらしいが、まーやも同じく感じたそうだ。それとさっき言った威力偵察者の続きとして話をしていた。亜鐘学園の生徒ではないというのは確実で、俺が直接校長先生に報告したからか、今は先生総出で調査に当たっている。

「何か手がかりはあるの?兄様」

「ま、今のところはな、でも白鉄の武器を見れば分かるからな。憶測だけが出回ってもパニックになるだけだから、当分は俺達だけの内緒な?信用出来る相談相手も、お前らしかいないから」

サツキも静乃もそれを聞くと何だか嬉しそうだったが、石動先輩ぐらいの強さを持っているから当分は夜間は出歩かない方がいいと言っといた。その場で捕獲すればよかったが、公園の修理も必要だったので、わざと逃がしてから小型偵察機で追っている。俺は本気じゃなかったが、相手は本気だったので周囲にどんな影響出るか分からない。

「その判断は賢明ね、民家を巻き込んでしまっては寝覚めが悪いわ。でもこの前のショッピングモールも諸葉の力によって、復興されたしね」

九頭大蛇を倒した時は、サツキと静乃が桜花の指示によってショッピングモールで戦いの場所を選んで、諸葉が到着した後は本気ではなかったが吹っ飛ばしてしまった。その事で、神皇帝の力によって大蛇が現れる前まで戻した後に白騎士機関と政府は連続ガス爆発だと処理する前に、元通りにした蒼い翼の会見によりお蔵入りとなってしまった。事件を揉み消すために、余計なストーリーで処理何て事はないし、全て無償で修復するから助かっている。街の発展も出現したとしても、全て時間の巻き戻しや再生によって事件をなかった事にできる。

「まあ諸葉の力は、最早白騎士機関でも収められないくらいの力を持っている証拠よね」

「蒼い翼を中心とした復興や壊れた場所を壊す前にする事が出来るのは、兄様と他の神皇帝だけね!」

「俺は被害を最小限にしたかっただけだ、・・・・ん?あの男はどこかで見覚えあるな」

そう言った後に、外からとても目立つ男を発見した。出入口のドアが開き、軽やかな鐘の音が鳴った。試作品のケーキを店の奥で片付けた後だが、そこに鼻歌をしながら入って来た。

『ちゃー、ちゃー、ちゃー、ちゃーらんら、らんらららららんら、らーんらー♪』

見た事ある男が陽気な足取りで入店してきた。二十代後半ぐらいの外国人で派手な銀髪をしていたが、金髪じゃなかったような?サングラスで顔は隠れているが、伊達男の雰囲気と羽田空港での報告にあった男だ。背は高いが、伊達男は何か聞いているのかイヤホンを外すと鼻歌をやめて店内を見渡す。今日は意外と空いている日なのか、テーブルはいくらでもあるというのにわざわざ俺らの隣に座った。こいつは威力偵察者の主かと思ったので、先ほどの話はあとにすると小さく声を出した。伊達男がメニューをめくる音がやけに大きいが、店員がお冷を持っていくとそこで一悶着していた。すると店員がこっちを見てくるから、俺は沙紀に行けと言う。

『何かお困りごとでしょうか?』

沙紀は俺の通訳をするという仕事もあるので、サツキの代わりにしていた。白騎士機関の公用語は英語なので、伊達男は恐らく英語で話しているのだろう。亜鐘学園でも英語の授業は特に力を入れているが、俺だけはその授業はパスしている。

『ありがとう、注文をしたいのだがメニューには英語は書かれてないのでね』

『確かにそうですが、ここは主に亜鐘学園生徒が来る場所ですので、メニューには英語表記や写真はついていませんから』

沙紀は慣れたようにペラペラと英語を言っていたが、サツキは日頃努力してきたからなのか日常英語は得意である。静乃は、家の躾でペラペラであるが、唯一喋れないのが俺だ。ま、俺の場合はゼロに同時通訳してくれるから沙紀と伊達男の言う事を同時通訳してくれる。マヤも曾祖母がイギリス人らしいが・・・・。

『親切な淑女さんに、僕の代わりに紅茶を注文してくれるかな?』

『いいでしょう、では頼むのを言ってください』

『では茶葉はマックウッズのゴールデンチップスを。ミルクは低温殺菌のものなら産地には拘らないよ。砂糖はそうだな・・・・せっかく日本に来たんだ、少しいたずらしてみたいね。この国には確か和三盆という素晴らしい砂糖があるのだろう?紅茶とマッチングを試してみようじゃないか。紅茶の温度は六一度。カップは今日の気分は・・・・』

『茶葉はマックウッズのゴールデンチップス、紅茶ですね。ミルクは低温殺菌のを使ってますが、和三盆は四国東部で伝統的に生産されている砂糖の一種ですので、ここにはありませんが、このような砂糖でよろしいでしょうか?カップについてもですが、お客気分ではなくこの店のカップしかないので』

『てっきり断れると思ったのだが、対応可能なのかい?』

そう言った後に、メモ帳に書いたのを店員に渡した後に沙紀は戻ってきた。あの人はイギリス本場から来たので、驚きはしないが紅茶通のここは対応可能でどの茶葉もあるからな。俺は通信機を付けた後に、伊達男に運ぼうとした紅茶を俺が運ぶ事にしたのだった。

「『イギリスから来られたので?』」

『そうだけど、それって同時通訳が出来るものかい?』

「『そうですよ。それと注文通りの紅茶となります』」

そう言った後に、俺は席に戻った後に端末を取り出してから、サツキと静乃とマヤに打ち出した内容を見せる。

『あいつは来日及び学園視察に来た六頭領の一人。六人しかいないランクS《救世主(セイヴァー)》の一人。白騎士機関の異名の源(ザ・モデルイメージ)でホワイトナイトという異名を持つイギリス本部長だ』

というのを見せたら、自らの端末を取り出してからメモ帳で会話をし始めた俺ら。声を出すと白鉄なら、天耳通という聴覚を強化するのを使うかもしれないのでケータイやスマホなどで会話をする。間違いないく、サー・エドワード・ランパードで、昨日の威力偵察者の主であろうという感じだ。伊達男は道化みたいな仕草でサングラスを外してから、言った。

『あらら・・・・急にどうしちゃったのかな・・・・モロハ、クン?』

眼光鋭く俺の名を呼んだ事で、緑の瞳が物騒な輝きを帯びる。最初から知っていたかのように、惚けて近付いてきたようだ。

『「あのヘルメット女はやはりアンタの仲間だったか』」

『アンジェラ・ジョンソンと言うんだ。出来れば憶えておいてあげて欲しいね。ボクの可愛い部下で、君にリベンジを誓った女の名前を』

「なるほどね。諸葉の相手はAJだったのね、納得だけど、諸葉の実力は本気を出していないと聞いたけど」

「確かサー・エドワードの右腕でしたよね。双頭剣の使い手で、白騎士機関でも有名人ではありますが、この人は間違いなくサー・エドワードですね」

日本語で言った静乃と沙紀だったが、俺らは立ち上がり身構える。店員さんと店長は店の奥にいけという合図を出す。

『「イギリス本部長が何しに来た?」』

『ボクと知っても同じような態度を取れるとは』

『「喧嘩売ってるのなら、表に出ろ」』

『落ち着きたまえ。ボクは紳士たるもの女性に狼藉は働かないさ、第一ボクは君しか興味がない。ただの学生が、日本支部が総力を挙げて対応すべき弩級《異端者(メタフィジカル)》を斃した。観測史上三人目の神皇帝、どれだけの力を秘めているのかと大いに興味があるね』

弩級(ドレッドノート)を倒したくらいで、俺に興味を持ったとは正直アホだな。あんなのは雑魚だとしか思えないし、もし戦うならもっと大きいの来いよと思いたいがエドワードは前のめりになった。ここで白鉄特有を通力(プラーナ)の輝きを見ただけで、姿を消していたが俺はクロックアップで姿を消したであろうエドワードの前に行く。驚いたのか、すぐに速度を上げるが俺の速度には敵わない。黒魔の静乃は当然であり、白鉄のサツキも反射神経で捉えきれない。七つある<<神足通>>の最上級派生技で、北斗の第七星の名を冠する縮地の歩法。瞬間移動をしたかのような速さで動く事ができる破軍だ。

『「それが最速か?」』

サツキ達からしてみれば、姿がないエドワードと俺に対してどこに行ったかだったが、最後に待ち構えるかのようにして拳を俺の頬に当てようとしてきたが、静かに拳を手で封じたのだった。徒手空拳が得意の俺としては、これがランクSかーと思った。

「・・・・今のは一体・・・・?」

烈しい拳風を無効化させたので、店内には壊れないようにしたけど。俺が十回虐殺しようとしていたのを、沙紀から聞いた事で絶叫する。

『なぜボクの速度に追いつける?』

「『簡単な事だ。お前以上の速度を出すだけの事、動く必要はなかったが、あえて俺の動きに追いつけるかどうか見ただけだ』」

『これが神皇帝の力だというのか?』

「『生憎だが、俺の力がこれで本気だと思うなよ?神皇帝の力じゃなくとも、背後に回り込んでからの蹴りをする。期待外れだと思って、さっさと日本からイギリスに帰りな?』」

『・・・・迷惑賃だと店員さんに伝えてくれないかな?もちろん期待外れだと思っておこう』

エドワードは俺から離れてから、万札をテーブルに置くとその場を後にした。またイヤホンから聞くためにつけたら鼻歌が店内に響いたのだった。本来なら期待外れと言いたいが、俺の速度はエドワードが使う破軍よりも速い。沙紀は何があったのかをサツキと静乃に報告した後に、また何かありそうだと思った。

「モモ先輩と手合せしたお陰なのか、あたしも白鉄の超スピードに慣れてきたつもりだった。けど、さっきのは兄様ぐらいの反則技よ」

「実物見たのはまーやも初めてですけど、数々の伝説に偽り無しって感じなのです」

「とりあえず店内は大丈夫そうだし、店員達や店長も無事みたいだしそろそろ帰るとするか」

俺の速度はエドワードが使ったのよりも速いからなのか、たまにモモ先輩と速さを競うがやはり俺が速い。この後、先ほどとは違うケーキを食べた後に解散となった。俺はまだ仕事が残っているので、車に乗ってから本社地下にあるCBの訓練所の所に向かった。それとエドワードには俺の事を期待外れだという事を術で思い込みをさせたので、予定通り。 
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