不動を継ぐ者
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1話不動を継ぐ姉弟
とある屋敷の一室で、一枚のカードを眺めてる少年がいた。
その家は学生が二人で住むには十分すぎる広さだが、彼ともう一人以外に人の気配はない。
「手がかりはこのカード達だけか...」
そのカード達には白く美しいドラゴンの姿が描かれていた。
過去をを知る者が見たらさぞ驚くだろう。
なぜならそのカードは20年前に世界を救った不動遊星のスターダスト・ドラゴンとジャック・アトラスのレッド・デーモンズ・ドラゴンとクロウ・ホーガンのブラックフェザー・ドラゴンなのだから
そう彼はその不動遊星の息子である。
しかし不動遊星と十六夜アキだけではなく元シグナー達は彼が10歳の頃に行方不明になっており、残されたのは彼らが少年ともう一人に作ってくれたデッキと彼らのエースモンスターだけだった。
「三年も待ったんだ必ず見つけて文句の一つは言わないと」
そういっているとドアが開き少女が入ってくる。
「まだ、起きてたの、早く寝ないと明日に響くわよ」
「わかってるよ、咲夜姉」
少年はカードをしまうと咲夜がベットに潜り込んでくる、屋敷には他にも部屋があるのだが、もし何かあった等のために二人は同じ部屋で暮らしている。
「おやすみ、遊夜」
「おやすみ、咲夜姉」
◇
翌朝、遊夜と咲夜はいつものように普通に授業を受けて、珍しく昼休みに外へ出て来ていた。
「ハハハ!雑魚が!」
不愉快な声が聞こえたので、そっちを見るとどうやらデュエルをしていたようだった。
様子を見る限り、もう決着がついたようだ。
「何があったんだ?」
周りに居た人に事情を聞いてみる。
「最近、よくあるんだ。シャークが弱いデュエリストに一方的にアンティデュエルを申し込むの。おまえみたいな雑魚にデュエリストを名乗る資格はないって。」
その話を聞いた遊夜と咲夜の顔は険しくなった。
「そうか。」
心なしか声も冷たくなっている。
「約束通りおまえのデッキをいただくぜ。」
「返してくれよお。」
無理矢理デッキを取られた少年は泣きながら、頼んでいた。
それを見たシャークの取り巻き達は爆笑していた。
「ハハハw負けた癖にみっともねえぜww」
「しかも中学生になって、泣いてやがるぜww」
「シャークさん、ほっといて帰りましょうよww」
周りで見ていた人達は同情しつつも、目をつけられたくないので、我関せずといった感じだった。
「あんまり見てると目をつけられるから、君達も早くここを離れた方がいいよ。」
横にいた少年が忠告するも、遊夜はとくに気にした様子もなく、真っ直ぐシャークの方へ歩いて行った。
「遊夜、やるの?」
「うん、遊戯王を汚す奴は許せないから。それに、父さん達も黙ってみてないと思うから」
「わかった、全力で潰しなさい」
遊夜はそのまま、シャークの前に立つ
「なんだてめえ。」
突然現れた遊夜にシャークは聞いた。
しかし彼はシャークの問いに答えることなく、言った。
「おい、デュエルしろよ。」
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