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ガンダムビルドファイターズ 〜閃光を纏う傭兵〜

作者:rekyunn
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第1話 始まりの戦い

 
前書き
初めましての方は初めまして。レキュンです。

ええ、あちらの方もか、書きますよ………。

それは置いておいて、ガンプラバトルをお楽しみください。 

 
宇宙空間に光条が煌めく。二つの光源から放たれた光の粒子は、互いを消滅させようと自身の光で空間を切り裂いていく。

やがて光源そのものがぶつかり合い、一際大きな爆発が起こった。

爆発によって出来た煙から現れたのは、巨大な剣を片手に提げた赤いMSだった。

「ヌルいぜ! お前さんたちよお‼︎ 多対一でも勝てねえってか⁉︎」

巨大な剣ーGNバスターソードをライフルモードに切り換え、遂に逃げ惑い始めたMSーザクウォーリアを宇宙の塵へと変える。

正確には宇宙ステージのフィールドにだが、その爆発の生々しさは、リアルとなんら変わらないものだ。

仲間を撃破されたことに激昂した僚機達がそれぞれの武器で赤い機体を撃ち抜こうと試みるが、機体を捉えることは出来ない。

「遅いんだよぉ‼︎」

凄まじい軌道で躱しきり、その間隙を縫って敵の一機を真っ二つに叩き割る。

「何故だ⁉︎ 十対一で戦っているのに何故もう三機しかいないんだ⁉︎」

言った側から隣のヘイズルが爆散し、ゼイドラを操縦しているファイターが恐怖に顔を歪ませる。

直後、真後ろから声が聞こえてきた。

「決まってんだろ。おめーらが弱いんだよ‼︎」

コックピットの部分を貫かれ、ゼイドラは機能を停止した。

離れた場所に居たヌーベル・ジムIIIは半狂乱になってビームライフルを放つが、バスターソードに阻まれ、損害を与えることは出来ない。

「うわアァァ⁉︎」

「これで、お陀仏っ‼︎」

容赦無く機体を両断し、試合は終了した。

『Battle end』

平坦な電子音が流れ、試合終了を告げる。

しかし、誰も口を開くことは出来なかった。

ガンプラ選手権大会出場経験者もいたというのに、たった一人の少年の駆る機体に10人が全滅させられたのだから。

プラフスキー粒子によって形成された宇宙空間で、赤いMSーアルケーガンダムだけが浮かんでいた。

それから一年後ーーー物語は動き出す。







「お客さん、着いたよ。あれが高野宮の邸宅だ」

小高い丘の上に立つ三階建ての邸宅が、今回の依頼主の所有物らしい。

「助かりました」

ここまで運んでくれたタクシーの運転手に高校生には結構痛い料金を支払い、トランクを引いてちょっとした丘を登っていく。

立派な門に備え付けられたインターホンを押すと、すぐに年老いた男性の声が聞こえてきた。

「舞霧氷雨様ですね。このままお進み下さい」

門が自動で開き、屋敷への道を開ける。言われた通りに進んでいくと、巨大な邸宅の玄関に辿り着く。

「お待ちしておりました。私は原沢と申します。」

初老の執事が玄関で出迎えに来てくれていたので、こちらも頭を下げる。

「招待状を受け取った舞霧氷雨です。………ガンプラの依頼と書かれていましたが、どのような?」

「それは吾郎様に直接聞かれるとよろしいでしょう」

「『黒い翼』本人からですか」

まだ長い年月を生きていない氷雨だったが、それでも耳に入ってくるほど有名な人物だった。

『黒い翼』 三条吾郎

第1回ガンプラバトル世界選手権大会から第3回大会まで常にベスト4にランクインし、二代目メイジン・カワグチやマッケンジー准将とも互角に渡り合った猛者だ。既に引退しており、家業のプラスチック製の製品を扱う企業の会長だったはずだ。

(そんな大物が俺にどんな用が有るんだか)

内心首を傾げつつも、原沢に連れられて屋敷の中へと進む。

「流石は日本で一二を競うケミカル企業ですね」

「ええ、当主様の手腕は素晴らしいものですよ」

他愛のない雑談を続けながら、辺りを見回す。

宮殿と見紛う豪華な内装に、様々なガンプラが並べられている。UCは勿論のこと、W 、X、種、00などのガンプラが広い筈のフロントに所狭しと並んでいる。

そのどれもが丁寧に作り込まれているのだ。

(ああ、こんな家に住めるのは幸せそうだな………)

内心非常に羨ましく思っていると、フロントのすぐ横にある応接間に通された。

「当主様をお呼びしますので、ここでしばらくお待ち下さい。早希、お茶を」

「はい。わかりました」

執事の原沢が退室するのと入れ替わりで、部屋に控えていたメイド服の少女が紅茶を運んできた。早希と呼ばれた少女は俺と同じくらいの年齢か。

綺麗な黒髪を大人しめの髪留めで纏めている。中々可愛らしい少女だ。

が、それよりも気になることがあった。目の前で主張している筐体を指差す。

「あの、これって………」

「うん。バトルシステムだよ。はい紅茶」

フランクな言葉遣いも気にならないほど、広めの応接室で主張するバトルシステムに圧倒される。まさかここまでとは思っていなかったのだ。

「ねえ、お客様ってガンプラファイトやるの?」

「ああ、一応やるけど?」

お喋りが好きなのか、好奇心旺盛なのか、気になって仕方がないといった風に尋ねてくる。少し意表を突かれながらも、頷くと、嬉しそうな表情を浮かべた。

「やった。ねえ、ガンプラバトルしない? この辺りだと学校以外で戦える場所が無いんだよね」

「仕事中じゃないのかとか色々言いたいことは有るけど、別に構わないよ」

「やった。私は原沢早希。ここでメイドのアルバイトをやってるの」

「メイド………」

本当にある職業だったのか………。

「あ、私は当主様の娘のメイドだから、期待しても無駄だよ?」

バトルシステムを起動させつつ、可愛らしくウィンクする。

「いや、何の期待しなきゃいかんのか」

ボヤきつつ、トランクから機体を選び出す。

「それ、なんて言うの?」

「ガンダムエアマスター。ガンダムXの機体だよ」

ほとんど改造を施してはいない。敢えて言うならばビームダガーを取り付けたくらいか。

『Please set your GP-base』

機械音声の通りにGPベースを筐体にセットする。早希もメイド服の背中のリボンからGPベースとガンプラを取り出した。

「何処から取り出してる。………ガイアガンダムか、よく手入れされているな」

「ありがと。これはガイアガンダム・アメジスト。私の相棒よ」

薄紫色に塗り直されたガイアの背中には、大型の火器が増設されている。

(射撃火力型か。メイドさんの力、お手並み拝見といくか)

『Please set your GANPLA』

エアマスターとガイアが台の上に置かれ、粒子の光に包まれる。ホログラムの球体状の操縦桿を掴み、グッと押し出した。

「ガンダムエアマスター。舞霧氷雨。目標を撃破する!」

「原沢早希、ガイアガンダムアメジスト。行きます!」

粒子の光を放ってガンプラが飛び立っていく。



その様子を他の部屋のモニターで観戦している人影がいた。

「やはりうちの娘はガンプラバトルを挑みましたな」

頭を痛そうに抱えた原沢だったが、隣の男性は朗らかに笑う。

「良いじゃないか。彼もリハビリは必要だろうしね」

自身の主の言葉に、驚いたような表情を浮かべる。

「………やはり彼は一年間、あの機体を使わなかったと………?」

一年前のとある事件以来、彼の二つ名の代名詞とも言える機体を見たものはいない。

捨てたとも破壊されたとも噂されるが、真相は明らかではない。

「どうだろうね。でも、あの機体を見れば、何か反応を見せるかもしれない」

「………お嬢様が譲り受けた機体ですか」

執事の言葉に頷き、戦いの始まったモニターに向き直った。

「でも、取り敢えずは彼がまだどれ位動けるのか、お手並み拝見だよ」

 
 

 
後書き
どうでしたか? 主人公機はなんと、アルケーガンダムですw

アルケー、エアマスター、後何枠が出るんでしょうかねえ………。

機体については、順次説明していきます。

では次の話で会いましょう。


感想を頂けたら幸いです。 
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