ハイスクールD×D大和の不死鳥
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32ギャスパー覚醒
《イッセー》
転送は無事成功。ただし――。
「――ッ!まさか、ここに転移してくるとは!!」
「悪魔め!」
部室にはローブを着た魔術師たちの方で占拠されていた。
「部長!イッセー先輩!」
「ご主人様!」
「ヤマトお兄ちゃん!」
声のした方には、ギャスパーの姿が!ギャスパーは魔術で作られた十字架に張り付けられている。隣には同じものに雪、秋、レナが張り付けられている
「ご、ごめんなさい。僕のせいで、皆さんが……皆さんが……」
俺は三人の様子を見る……見たところ外傷はないみたい。
「部長……。もう、嫌です……」
ギャスパーは、そう言って泣き出してしまった。
「僕は……死んだ方がいいんです。お願いです、部長、先輩。僕を殺してください……」
ボロボロと涙を流すギャスパー。しかし、部長はそんなギャスパーに優しく微笑む。
「バカなこと言わないで。私はあなたを見捨てないわよ?あなたを眷属に転生させたとき、言ったわよね?生まれ変わった以上は私のために生き、そして自分が満足できる生き方を見つけなさい――と」
「……見つけられなかっただけです。迷惑をかけてまで僕は……生きる価値なんて……」
「あなたは私の下僕で眷属なの。私はそう簡単に見捨てない。やっとあなたを開放させることができたのに!!」
「そうだぞ、ギャスパー!!俺と部長はおまえを見捨てないからな!!」
俺は後輩を……ギャスパーを必ず助け出す。
ガンッ!!
目の前でギャスパーが女魔術師に殴られる。周りにいる魔術師を見渡せば、全員が女性。魔女!!魔女もいいな!!
「愚かね、あなたたち。こんな危なっかしいハーフヴァンパイアを普通に使うなんてバカげているわ。旧魔王派の言う通りね。グレモリー一族は情愛が深くて力にあふれている割には頭が悪いって」
「さっさとこんなヴァンパイアを洗脳して、道具としてもっと有効に使えば評価を得ていたのではないかしら?敵対している堕天使の領域にこの子を放り込んで神器を暴走させれば、幹部の一人でも退けたかもしれないわ。それをしないのは何?もしかして、仲良しこよしで下僕を扱う気なの?」
「こ、この――」
あまりの言い草に殴りに行こうとした時だった。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ――。
突然地面が揺れて地鳴りがした。
「言いたいことはそれだけか?」
その一言に部室の空気が変わった。その元凶はもちろんヤマトだ。今の地震もヤマトの仕業だろう
その隙に俺はアスカロンの能力を一時的にシャットして、右の手のひらを自ら斬った。
血が滴り、痛い。
「イッセー……?」
俺の行動を怪訝に見ている部長。
俺はそんな部長に微笑んで、ギャスパーを一喝する。
「ギャスパー!!自分から立ち上がらないと何も始まらない!!てめぇには立派なもんがついてんだろうがぁぁぁぁぁぁああッッ!!!」
左手を突き出すと、血の付いたアスカロンがギャスパーに向けて伸びる。寸前のところで止まったアスカロン。ついていた血が、ギャスパーの口元に付着する。
「――飲めよ。最強のドラゴンを宿している俺の血だ。それで男を見せてみろッ!!」
俺の言葉にギャスパーは強く頷き、下で口元に付着した血を舐め取った。
その瞬間、俺の全身に言い知れない悪寒が走った。俺はアスカロンを収納しようとギャスパーに目を向けた時――。
そこにギャスパー達の姿はなく、周りを見渡すとヤマトのそばに雪、秋、レナの三人の姿があり、ギャスパーの視線を周囲から感じた。
その様子に女魔術師たちがざわめき出す。
チチチチチチチチ。
不気味な鳴き声がしていて、周囲には無数のコウモリが飛んでいた。
コウモリの集団が女魔術師たちに襲い掛かる。
「クッ、変化したのか!吸血鬼め!」
「おのれ!!」
女魔術師たちはコウモリに攻撃しようとするが
「フレイムジャッチメント!!」
女魔術師を包むように炎が吹き出す
「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁ」」」」
ばたん
女魔術師たちはほぼ全裸の状態で床に倒れた
「死に近い苦しみを味わってもらった」
ヤマトがやってやったぜ!的な顔で話しかけてくる
「ありがとうございます。ヤマト先輩」
ギャスパーがコウモリから人に戻りヤマトにお礼を言った
「気にするな、俺は仲間を傷つける奴らは容赦なく潰す」
「お兄さまのところに戻りましょう」
ドカン!
グランドの方から何かがぶつかった音が聞こえた
「やっぱりか!ヴァーリ・ルシファー!」
続く
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