ガンダムビルドファイターズ ~try hope~
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いちば模型店 ガンプラバトル大会2
前書き
結局どれを選んでも、あまり物語が変わらない落ちでした(笑)
「さて、寝坊助も着いたことだし行こっか」
「そうね。時間もないし急ぎましょう」
そういうと、シノは走り出した。
おい。確かに俺のせいだが、まだ叩かれた所が痛くて苦しいんだが。
「自業自得、因果応報、身から出た錆だよ」
「うるせい」
シノに続き、俺たちも走り出した。
ヤベッ!まだ疲れが残ってる!
最後尾にいると、トウイが止まりこちらを見てきた。
「………ついてこれるか? 」
やめい!俺はあんなノリに乗らないぞ!?
「どうやらその程度のようだな………私の見込み違いか………」
………殺す。
そう思うと、さっきとはまるで別人のように、獲物に向かって走り出した。
「ヤバい死ぬ! 」
殺気を感じたのか、トウイも走り出した。
ーーー--
「ハァ…ハァ………ト、トウイ。つか、まえた、ぞ…」
「ゼェ、ゼェ…アハハ。ぜ、全然、力が入、てないじゃ、ないか…」
「二人共大丈夫? 」
俺達が命の駆け引きをしている間、既に店前にはシノがいた。
「よ、余裕………」
「大丈夫………ゲホッゲホッ! 」
「説得力皆無ね。受付時間もそろそろ締め切りだから行くわよ」
「お、おう」
「了解……」
そうして店に入り、カウンターで受付を済ませる。
「にしても、結構人がいるんだな」
「商品が伊達じゃないからね」
「まぁ、そういうことだ。おかげでいい具合に人が集まってくれた」
ん?聞き覚えのある声が………。
「ヨ、ヨシナ!? 」
「やぁ、また会ったね」
声をした方を見ると、そこにはヨシナがいた。
「どうしてここに? 」
「実はここの店長と知り合いでね。その手伝いを頼まれたのだ」
「そういうことじゃよ」
「うわっ!? 」
いつの間にか俺達の後ろに、70代ぐらいの爺ちゃんが立っていた。
「あっ、イチヨウさん」
「どうも、いちば模型店店長のイチヨウじゃ。以後お見知りおきを」
「あっはい。サオトメ ヒロヤです。よろしくお願いします」
「僕の名前はハルカゼ トウイ………探偵さ」
なにバーローみたいな紹介してんだ。
「トオサカ シノです。よろしくお願いします」
「ほっほ~。サオトメ君にハルカゼ君にトオサカちゃんか………にしても…」
瞬間、イチヨウさんの姿を見失った。
どこだ!?てか何者だあの人!?
「ヒッ!? 」
「どうし………た? 」
何が起きたのかシノの方を見ると、何があったのかすぐに分かった。
イチヨウさんがシノのお尻を触っていた。
「可愛い子じゃのう。アッハッハグハァ!! 」
「ハァハァ………」
シノが直ぐにイチヨウさんをぶっ飛ばした。自業自得だ………てかただの変態ジジイだ!!
「イチヨウさん…………いい加減止めてください。セクハラ罪で捕まっても知りませんよ。すまない、トオサカ君。イチヨウさんはいつもこんな感じなんだ。許してやってくれないか? 」
「嫌です」
即答だ。しかも、なんか「殺します」って聞こえたような気がするんだけど。気のせいかな?シノの怒りに当てられて、幻聴でも聞こえたのか?
「そういわず頼む。お詫びとして、好きな商品を持っていってもいい」
「嫌です」
頑なに断るシノ。ヨシナも困っているように頬をかいている。
「サオトメ君。何とかしてくれないだろうか? 」
「はっ?なぜ俺が? 」
「頼む。このままじゃ大会が潰される。貸し一つでどうだろうか? 」
「………ハァ。忘れるなよ」
貸し一つで承諾し、シノの肩に手を置いた。
「なに?ヒロヤ? 」
「シノ。そこら辺で許してやれよ。帰りに甘いもんでも奢ってやるから」
そう。シノは甘いものが好きな女の子なのだ。そして、予想通り反応した。
「………絶対よ」
「ああ。約束だ。だから今は許してやれ」
「………わかったわ」
「というわけだヨシナ。許してくれるぞ」
「感謝する。では、そろそろ大会も始まるから君達も準備したまえ」
ほんとうだ。時間も迫ってるし準備しなきゃな。
にしても、シノの怒りようはすごかったな。普通に………いや、すごく怖かった。
「さて、じゃあ準備しようか。この大会はシングル戦だから、よろしくね」
手を軽く振って、トウイは店の奥に姿を消していった。
「俺達も行くか」
「ええ」
ーーー--
「あーあ~。マイクテス!マイクテス!リンドウ君。これちゃんと聞こえてるじゃろうか? 」
「ちゃんと聞こえてますよ。だから気にせず始めてください」
「おおそうか。え~、皆の者!集まりいただいて感謝する!では、ルール説明をする!今回はローカルルールということで、前に世界大会で使われたルールを使用する!それを二回戦までじゃ!諸君等!健闘を祈る! 」
「世界大会で使われたルール? 」
「それでは、まずは一回戦!自分のガンプラの武装は全て使用禁止!武器はこちらから用意するので、くじ引きを引いて番号を言って下さい! 」
すると、店員の手元には箱が抱えられていた。
武装か………なに出るかな?ちゃんとした奴だといいな。
そう思っていると、自分の番まで回ってきた。くじを直ぐに引き、番号を確認する。
『04』
………四か。死じゃなくて四だよな?
「あの………番号は?」
「あっ。四です」
「四番はっと……あったこれだ!はいどうぞ」
そうして店員から渡されたのは、ハリセンだった。
へっ?ハリセン?
「すいません質問いいですか? 」
「何ですか? 」
「これ間違いではないでしょうか?何ですかハリセンって? 」
「いえ。間違いではありません。確かに四番の所に置いてありました」
つまりこれで戦えと。なかなかクレイジーだな。
「それでは!第一回戦………開始じゃ! 」
『Please Set Your GPベース』
『Beginning plavsky particle』
『Dispersal』
『Damage level C』
『Field Resort』
フィールドは、ゲームでよくみるガンプラの箱で出来ているステージだ。
『Please Set Your GUNPLA』
「ハリセンとかで勝てんのかよ…………。サオトメ ヒロヤ!ケルサスガンダム、出る! 」
フィールドに出ると、敵を三機発見した。
ジャスティスのフリーダムカラー(実剣)、エクストリームガンダムtypeレオス・ゼノンフェース(スプレーガン)、青色のガナーザクウォーリア(バスターライフル)だ。
「いやマジで勝てんのかよ!? 」
ハリセン装備を見たのか、三機とも俺に向かってきた。
ハリセン装備だから先に潰そうという算段か!にゃろう………。
バスターライフルの砲撃がまずきたので回避し、そのあとジャスティスが斬りかかってきた。
「ハリセンだからってなめんなよ……なんでやねーん!! 」
ジャスティスの攻撃を回避し、腕にハリセンを叩き込むとジャスティスは実剣を手放した。
「なるほど!こういうことか! 」
空いてる方の手で実剣を掴み、すぐさまジャスティスを切り裂いた。
「これで少しは戦えるな。さあ行くぞ! 」
今度はザクの方に向かい、バスターライフルを撃たれる前に破壊し、ザクも同じように撃破した。
「残りは赤いの一機か………」
二機を撃破し終わると、エクストリームがこちらに向かってスプレーガンを投げてきた。
「おっと」
スプレーガンをハリセンで叩き落とすと、エクストリームがもうスピードで突っ込んできた。
「シャイニング………バンカー!!ヒート、エンド!! 」
掌をこちらに向かって突き出してきたのを実剣で斬ろうとすると、誘われていたのか実剣を捕まれて折られてしまった。
「ヤベ! 」
ハリセンで頭を横になぎ払い、距離をとる。
にしても攻撃方法を失ったのはまずいな。どうする?
ハリセンで叩くとしても、絶対に撃破するまでにはいかないし………。
考えていると、容赦なしに攻撃を繰り返してくるエクストリーム。
「てや!はあ!だあああ!! 」
ちょっ!?まだ考え中!!ハリセンで拳の軌道を変えて外させてはいるが、これではじり貧だ!
ん?軌道を変える?さっきの攻撃を相手にぶつければ………よし!
空いている手でエクストリームの頭をぶん殴り吹き飛ばす。そして、こちらも後退する。
「さあ来い! 」
ハリセンの先を相手に向けて攻撃を誘う。ハリセンじゃかっこつかないなうん。
そうしていると、エクストリームはさっきと同じように拳に力を加えて突っ込んできたので、ハリセンを構える。
「シャイニングバンカー!! 」
「今だ! 」
突きだしてきた右手を左側から払うと、そのままエクストリームの体に突き刺さった。
「相手が悪かったな」
『BATTLE ENDED』
「ほっほー。まさかハリセンなんかで勝てるとは思わなかったぞ」
バトルシステムから出てくると、イチヨウさんとヨシナが迎えてきた。
「イチヨウさん…………あんたの仕業か!このハリセンは! 」
「いやーリンドウ君から話を聞くと、君なら何とかすると言っていたから箱をすり替えておいたんじゃ。まさか本当に何とかするとはビックリじゃな」
「いやはや。流石だったよサオトメ君」
「ヨシナ。イチヨウさんの方を、マジで何とかした方がいいぞ? 」
「それは諦めているよ」
そんな話をしていると、トウイとシノが来た。
「ヒロヤ君。君の武器ってなに? 」
「ハリセン」
返事をしたら、二人に思いっきり笑われた。
「ちょっ!ハリセンって!よく戦えたわね! 」
「ヒロヤ君。それはなかなか面白い武器だね! 」
「はあ?ふざけんな。そういうお前たちは何だったんだよ? 」
「木刀」
「傘」
よく戦ったなおい!
「イチヨウさん!この二人にも!? 」
「もち」
ピースサインで返答してきた。仕込んだのかよ。
「いやー。木刀はましだったんだけど、切れない切れない」
「傘も突く位しかできなかったし」
「そうか………お前たちも大変だったんだな」
「ほほ。さすがリンドウ君の言ってたチームじゃ。なかなかやるのう。ボソッ…いやマジで勝てるとは思わなかったわい」
イチヨウさん。聞こえてますよー?自分で仕込んどいて何ですか?悪ふざけは止めてください。
「さて、次のルールもすぐに説明されるから聞いてきた方がいいぞ? 」
「そんなことは早く言え!急げ! 」
ーーー--
「次のルールはレースです。なおレースでは攻撃は許可します。そして、全体での記録で一位から八位までの人が三回戦に行けます。では皆さん、健闘を祈ります」
ほう、レースか。
「フッフッフッ。来たこれ。僕の出番がきたよヒロヤ君」
「意味わかんないこと言ってんなよ。ワサビ丸々一本口に突っ込むぞ? 」
「水やー!皆!オラに水を分けてくれー! 」
「突っ込まれたいのかよ………」
「で、どうしてトウイはそんな自信満々なの? 」
「フッフッフッ。僕のフリーダムは機動力を上げているからね。そこら辺の機体じゃ追い付かないさ」
「そうか。なら躓いて最下位にでもなってろ」
「君がなってなよ」
「はあ?三回死んで二回生き返れよ」
「一回足りない!? 」
そんなツッコミを無視して、バトルシステムにでも向かうか。
「じゃ、二人とも頑張れよー」
「ヒロヤもね」
「あいよ」
ーーー--
『Please Set Your GPベース』
『Beginning plavsky particle』
『Dispersal』
『Damage level C』
『Field Resort』
フィールドは、簡単にいうとマリ〇カートだなこれ。
『Please Set Your GUNPLA』
『BATTLE START』
「サオトメ ヒロヤ!ケルサスガンダム、出る! 」
フィールドに出ると、スタートラインに自分を除いて五機いた。
「あれ?ヒロヤ君もここのフィールドなんだ」
「誰だお前? 」
「さっき喋ったばっかだよね!?まさかの存在否定!? 」
「いやマジで誰だよ? 」
「ハルカゼ トウイ………たんて」
「あっ!そろそろ始まるな。スタートラインに着こ」
「酷い!酷いよいヒロヤ君」
嘆きながらも、トウイもスタートラインに着く。
八位以内に入んないとダメってことだが、まあ行けるだろ。
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