ダブルクロス~世界の豹変~
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昔話
前書き
シンドローム『キュマイラ』
体の一部を獣又は、昆虫に変化できる能力。
他にも、元々人間に無い器官を増やしたり、腕などを増やす事も可能
力は、シンドロームの内最強である
ここで一つ、突然だが昔話をしよう。
俺がまだUGNに所属していた頃の話だ
その日の任務は簡単に終わる筈だった。ファルス・ハーツから極秘ラップトップを入手するだけの単純な仕事の筈だったのに····
その頃のUGNには、『ジャッジ』と言うチームが居た。任務の成功率は略100%、所謂最強のチームだった。
メンバーは、シンドローム『キュマイラ』俺···名前は後程紹介してやろう。『ソラリス』のクロロ・ファイト
『エグザイル』の月読 優
クロスブリードであるジャッジの隊長、『ブラックドッグ』『ハヌマーン』のフランク・デサンタ。
この四人がジャッジであった。
ここまでは理解できたか?二度説明するのは嫌いなんでな、話を続けるぞ?
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とあるビルの屋上、時間は深夜近くなのに、人の歩みは絶える事は無く、ネオンの光が町を夜の町を照らしていた。
「着きました。予定通りです」
フランクへ無線で連絡する。
「了解。クロロから合図があるまでそこで待機だ」
「了解」
無線を切り、装備のチェックをした。
「ふぅ」
溜め息を付き、腰を下ろす。すると、無線に連絡が入った。
「私よ正面玄関の警備二人を排除、侵入成功率よ。あなたも早く来なさい」
クロロから、合図が出た。
屋上から、階段を使って下の階へと向かった。
人の血の臭いを嗅ぎ、敵の位置を察した。
「右奥二人、手前テーブルに三人、窓際に一人、やれるか?」
こちらの位置からすると、奇襲をしても手前の奴ら三人しか始末出来ないだろう。
「隊長に援護を貰うか···」
無線を入れ、隊長の周波数に連絡する。
「俺だ、どうした?」
「敵の位置が際どく、俺じゃやれそうもないです。援護をお願いできますか?」
「了解」
隊長が了承し無線を切った後、空を切るような音の後、右奥、窓際の敵の頭が吹き飛んだ。
さすがに手前の奴らは今の異変に感づいた。
「なっなんだ!?」
「敵襲か!!?」
「辺りを警戒しろ!」
そういって死体の方へ三人が移動を始めた。
「後は俺が···!」
右腕から、黒い剛毛が腕を覆い、爪の色は赤に変色して鋭く伸びた。
その腕は人間の腕には似てもにつかない様な異形の腕だった。その見た目はまるで悪魔のようであった。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
俺は勢い良く飛び、右端の男の首を爪でかっ切った。
首からは、夥しい鮮血が吹き出し、男は痙攣した後、白目を剥いて絶命した。
敵は後二人、その二人が此方を向いた。
そこに間髪入れず、一番近くの男の体を爪で斜めに引き裂いた。
男の体は三つに別れた。
「ひっ····!」
その光景を見た最後の男が酷くビクついた。
だが、殺す事には変わりはない。手を開き、男の鳩尾を貫いた。
貫通した手には、まだ少し動いている心臓が握られていた。
手を男の身体から引っこ抜き、心臓を男の上に置いた。
「···クソッタレ」
絶命した男達を見回した後、呟く様にそう言った。
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階段を使って下へと下る。
すると、タートルネックの紫色をしたセーター、茶色いベルトにジーパンを履いた金髪ポニーテールの女性が腕組をして仁王立ちしていた
「あんた遅いわよ、またどうせ死体見て「クソッタレ」とか行ってたんでしょ!いい加減死体に慣れなさいよ!全く、何年UGNで仕事してんの····」
クロロは呆れた様に言い捨てた。
「··言葉が悪いぞ、クロロ」
「余計なお世話よ、お節介焼き。良いから行くわよ」
クロロのすぐ横に有った扉を開くと、そこにはPCやら機材やらが乱雑していた。
「隊長、見つけたわ、早く来て頂戴」
クロロが無線で隊長に報告した。
「嫌な予感がする···クロロ、この部屋から出るぞ」
「··分かったわ、あんたの勘が外れた事は無いものね」
部屋から出て、扉の前に二人で並んで立った
しばらくすると、二人の男が此方に走ってきた。
「すまん、遅れた。見張りとお前の殺人ウィルスに戸惑った」
隊長が息を切らしながらそう言った。
「仕方無いでしょ、一杯居たんだし、見つかったら面倒だから一掃するしか無いじゃない?」
クロロは何か文句でも?と言いたげな顔をした。
「それはないよクロロ、攻めて言ってくれれば援護するのに····」
こっちの高身長は月読、実力はジャッジで1、2を争う。
「兎に角隊長、ラップトップ回収、お願いします」
俺がそう促すと、隊長は頷き、扉を開き中へ入った。
その後、月読、俺、クロロ、と入っていった。
「こいつだな?」
隊長が、PCに触った瞬間、部屋にガスが散布された。
「逃げろ!」
俺は叫んだ。皆咳き込みながら、部屋から出た。
「隊長は!?」
クロロが言う。
ガスの中から、微量だが、声を聞き取った。
「逃ゲロ、俺ハモウダメダ···ミンアハ逃ゲオ」
その声は隊長のものだったが、言葉が滅茶苦茶だった。
「隊長は···ジャーム化したかもしれん」
下を向き、そう言った。
「····行くぞ」
優が俺の腕を掴み、強引に歩き始めた。
「待ってよ!まだ喋れるんだから完全にジャーム化した訳じゃ無いでしょ!?
まだ助かるかーーー」
「甘ったれるな!隊長の命令を聞いたろ!逃げろと言ったんだ!」
その一言で、クロロ目に涙が浮かんだ。
「クロロ、行こう」
クロロの背中そ擦りながら、脱出を試みた。
ーーーーーーーーーーー
玄関にたどり着く目前、後ろからファルス・ハーツのメンバーが出てきて、此方に発砲してきた。
その一発の弾丸がクロロの脇腹を捉えた。
「うっ····!!」
クロロは堪らず倒れ込み、気絶した。
「ここは俺がやるから、お前はクロロを死ぬ気でUGNに送り届けろ!クロロは俺達の希望であり、救世主だ!絶対守り抜けよ!」
優が敵の方に振り返り、そう告げる。
「分かった、死ぬなよ?まだ決着がついてないんだ」
「俺がこんな奴らに殺られるとでも?」
「無いな」
「さぁ、行け!この人数だ!俺が死ななくとも、逃がすことはあるぞ!」
「不安の一言ありがとよ!」
俺はクロロを抱えあげ、力一杯走りだした。
そして、ビルの手前に置いておいたバイクに乗り、走りだした。
クロロを、第四の腕で抱えながらバイクを走らせる。
UGNに向けての一本の橋を渡ろうとすると、橋はUGNによって封鎖されていた。
「畜生!ふざけやがって!!」
必死に頭の中の地図で道を探る。
「近くの港で隠れるか···」
港まで、バイクを走らせると、
黒い車が物凄いスピードで近づいてくる。
その車から男が顔を出し、銃を撃ってきた。
銃弾がタイヤに被弾し、バランスを崩してクロロを放り投げてしまった。
「しまった!クロロ!!」
クロロの着地点を予想し、バイクから飛び降りた。
空中でクロロそキャッチし、俺が地面に落ちてクロロのクッションになった。
車の奴らは、何やら連絡をして、去って言った。
さっきの無茶の性で、左腕が血まみれになり、背中に激痛が走った。
「っ痛!約束したんだ···死なせねぇって」
ヨロヨロになりながら立ち上がり、クロロを抱き抱える。すると、想像を絶する痛みが背中を襲った
「ぐあぁぁ、いってぇ···」
堪らず膝を着く、すると優のあの言葉が脳裏を過った。
『死ぬ気で守れよ!』
その言葉を聞いた瞬間、立ち上がって歩き始めた。
背中は激痛が走り、左腕はほぼ感覚が無い。
意識が朦朧としながらも、港についた。
「クロロ、待ってろよ···今絶対助けてやるからな··」
港の、不自然に隆起した場所に立つ、すると、隆起した場所が沈んでいき、エレベーターになった
これはUGNが極秘に作ったもので、ジャッジにしか知らされていない物だった
そしてUGNにクロロを預けた後、俺は気を失った。ーーーーーーーーーーーー
あの事件、『オープンフレイム事件』の後、俺はUGNを辞めた。月読がどうなったか、隊長の身元、クロロのその後は俺は知らない。
知る資格無い···その話は今はしたくない。
To be continud
この物語は、今の昔話から二年後のお話。
後書き
『ジャーム化』
シンドロームを持った人間が、化け物へと豹変すること、理性を失い、ジャームになった瞬間から、UGNの支部長で有ろうが、殺害される。
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