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戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー

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第十三話 立花中尉!野球は九人でするものだ!その十四

「どうして決めるかだな、今回」
「そこが問題なんだよな」
「御前等がサヨナラ負けせい!」
 観客の一人の実に斬新な意見である。
「九回裏にな!」
「うるせえ!そんな水島新司先生の漫画みたいな負け方するかよ!」
「あの人決勝はいつもそんな勝ち方だけれどな!」
「この作品はジャスティスカイザーなんだよ!」
「ドカベンでも男どアホウ甲子園でもダントツでも球道君でも一球さんでも極道君でもねえんだよ!」
 とにかく多くの野球漫画を描いている人である、高校野球ものだけでもざっと挙げてこれだけの作品がある。
「野球狂の詩なんて後半殆ど阪神戦だったけれどな!」
「水原勇気の相手殆ど阪神だったぜ!」
「よくわからない読者は古本屋で探せ!」
「あの人の作品は名作揃いだぜ!」
 野球漫画といえば水島新司だ、特にドカベンはいい。
 しかしだ、この作品はジャスティスカイザーだ。だからなのだ。
「俺達が勝つんだよ!」
「主役補正甘く見るなってんだ!」
「そりゃ種負債みたいな馬鹿補正はないけれどな!」
「あんな補正は作者はしないぜ!」
 あそこまでの補正はない、ましてや主役だけをえこ贔屓する作風でもない。勿論声優さん達と衝突してその声優さんの出番を削ることもない。それは作品の私物化、冒涜である。
「ただ勝つのは俺達だ!」
「見てろ、延長十八回までにな!」
「この試合の決着つけてやる!」
「勝ってやるぜ!」
 観客達に中指を立てつつ言ってからだ、二人は自身のクローン達と共に試合を続けた。そしてそのうえでだった。
 試合は進み本当に延長戦になった、十五回までいってもだ。
 まだ進む、そして。
 遂に十八回になった、まさに水島先生の展開だ。
「大甲子園かよ、おい」
「ドカベン対球道君だな」
「ちなみに球道君のモデルは元阪神の中西清起さんらしいぜ」
「あの人の高校時代の力投からヒントを得たらしいな」
 阪神はピッチャーはいいのだ、伝統的に。
「男どアホウ甲子園じゃ十八回引き分け、その後も十八回までしたけれどな」
「この作品はこのイニングで終わりだぜ」
「ここで決める!」
「俺達が!」
 こうしてだ、二人はその十八回表の攻撃に入った、そしてだった。
 まずは尚武がだった、立花の超光速のストレート、ジャイロするそれをだ。
 打った、しかも打っただけではなかった。
 打ったその瞬間にだ、その打ったバットがだった。
「!バットが!」
「砕けた!」
「受けろ、ジャコビニ流星打法!」
 幾つにも別れたバットが甲子園のバックスクリーンに突き刺さった、助走なしで五十メートルはジャンプするリョウ坂本並の身体能力を持つ日帝衆の兵士達でもだった。
 その打球は見極められなかった、そしてだった。
 ボールはバックスクリーンに突き刺さった、ホームランだった。打った尚武はダイアモンドを回りつつ小躍りして叫んだ。
「見たか!これが正義の力だぜ!」
「今時そんな技使うな!」
「大体その技反則ちゃうんか!」
「ここでアストロ球団か!」
「古いにも程があるわ!」
「作者が好きやから出したんか!」
「それでその技か!」 
 観客達は当然の様に尚武を応援しない、罵声で応える。
「くそっ、ここで一点か!」
「裏にサヨナラ負けせい!」
「帰れ帰れ!」
「負けて帰らんかい!」
 罵声の嵐だった、そして。
 次の尚智が打ったボール、それは。
「秘技消える打球!」
 今度はそのリョウ坂本の技だ、ボールの中身を打ち出しその皮のところだけが高速で飛び消えて見える打球もだ。
 バックスクリーンに突き刺さった、日帝衆のセンターである大山伍長(モブです)はまずはグラウンドに竜巻を起こした。
 その竜巻は伍長を中心に起こっていた、伍長はその中に乗り絶叫しつつ螺旋状に飛び上がりそうしてだった。
「うおおおおおおおおおお!!」
 叫ぶ、そして。
 思い切りだ、打球を蹴った動きになり叫んだ技の名は。
「ハリケーン・・・・・・」
 モブだがさらに叫ぶ。
「キィーーーーーーーーーーーーーーック!!」
 ドグーーームという激しい効果音が聞こえた、風に見えた。
 しかし打球は消えていた、それでだ。
 その渾身のハリケーンキックは空振りに終わった、ボールはバックスクリーンを直撃した、これで二点目だった。
 尚智もダイアモンドを小躍りして回ってだ、こう言った。 
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