ガンダムビルドファイターズ ~try hope~
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ガンプラバトル!レディ…ゴー! 後編
「量が多いなやっぱ! 」
弾いてはいるものを、数が多すぎて迂闊に攻められず、じり貧になっている。
「どうした!?守ってばかりじゃ勝てないぞ!? 」
ユニコーンが両腕に付けていたシールドを離すと、シールドファンネルとしてビームガトリングを撃ってきた。
「くそ! 」
囲まれた状態で撃たれてしまい、回避できる場所が見当たらない!
一つの所からガトリング撃たれたのは弾いて回避するが、残り一つのシールドファンネルの弾が当たりかけた時、弾とケルサスガンダムの間に二つのビームシールドが現れた。
「何だ!? 」
攻撃の手を緩め、飛び回っている物を見つめるユニコーン。
するとシノから通信がはいってきた。
「たくっ………いくらなんでも無茶しすぎよ。まぁ、無茶はいつもの事だからいいけど。さて、いって!ファンネル! 」
すると、浮遊していた二つのファンネルからビームが撃たれた。
「ファンネルか! 」
ユニコーンの間にシールドがはいりビームを防ぐが、横からファンネルからの攻撃ではないビームが、ビームガトリングを貫きシールドごと破壊された。
「ちぃぃ! 」
後ろに背負っていたシールドを腕に装備し、ビームマグナムでファンネルに向けて撃つも当たらない。
もう一発ユニコーンに向けて狙撃がされるが、辛うじてそれをかわす。
「今だ! 」
体勢を崩したところを逃さず、一気に距離を詰める。
「しまった! 」
ビームマグナムをこちらに向けて撃とうとするも、すでに遅い!
「これで終わり………だぁ! 」
ユニコーンを真っ二つに切り裂いて、爆破した。
「よーし!シノ、サンキューな」
「どういたしまして。次からは気をつけてね」
「わかったよ………」
説教を受けるが、今はスルーする…いや、スルーしよう。
「さて、次はトウイのところね。バトルが終わってないってことは、まだ続いているってことだし」
「だな。じゃあ行くか」
ーーー――
トウイの所に行くがそこにはトウイのガンプラはなく、 代わりに真っ白な機体に赤いマントを羽織っている機体がいた。
「なんだあれ? 」
「騎士ガンダムね。しかもHG仕様。それよりも、トウイのガンプラが見当たらないんだけど」
「ああ。おそらくアイツの仕業だな」
話していると相手がコチラに気づいたのか、剣と盾を構えた。
そして、マントの中からフィンファンネルが四つこちらにとんできた。
「いきなりかよ! 」
こちらも構えるも、ファンネルは俺に攻撃してこなず、V2バレットスナイパーに向かっていった。
「マズイ! 」
急いでファンネルを破壊しに行こうとすると、矢がとんできた。
「ちっ! 」
二本三本とんできたのを弾くと、すでにV2バレットスナイパーが両腕をファンネル二つに捕まれていて、そのままフィールド外に出される。
「シノ! 」
残りは俺だけになると、相手から通信がはいってきた。
「やぁスマナイね。いきなりバトルに乱入してしまって。なにやら面白いバトルをみかけたのでね」
「それだけでバトルに乱入してきたってのかよ………。なんなんだよあんたは? 」
「ああ、名を名乗ってなかったな。私はヨシナ リンドウ。そしてこのガンプラは聖騎士ガンダムだ」
「人のバトルに乱入して恥ずかしくないのか?てかトウイはどうした? 」
「いや、つい体が勝手に動いてしまってね。申し訳ないと思ってる。フリーダムは、先ほどのV2と同じようにフィールド外に出させてもらった」
トウイのガンプラはどうやらフィールドアウトにされたらしい。けど、この二人を簡単にフィールド外に出すコイツは何者だ?
「まあそんなことよりも、バトルを再開しよう。残念ながら、ファンネルは二人を出すために使いきってしまったから安心したまえ」
剣と盾を再度構え直すと有無を言わせないかのように、こちらに向かってきた。
「ちぃ! 」
聖騎士ガンダムが剣を降り下ろしてくるのをビームサーベルで受けるが。すぐに盾でケルサスガンダムを横からなぎはらってきた。
「盾で攻撃かよ! 」
体勢を立て直し聖騎士ガンダムの方を見ると、近くに来ていて盾でまたなぎはらわれた。
「くそっ!まともに立たせてもくれないのかよ! 」
そうやって何度も距離をとろうとするも、すぐに詰められ攻撃される。
空に一度飛ぶしかない!
羽を出し、機体は吹き飛ばされながらも空に飛んだ。
「ハァハァ………」
「どうした?まさかその程度の訳あるまい。そのガンプラの性能は」
肩で息をしていると、ヨシナはそんなことを言ってきた。
にしてもこのガンプラの性能を知っているかのような口調だな…。ニュータイプかなにかか?
「まだまだ。勝負はこれからだ」
ビームサーベルを左手に持ち替え、グラディウスを鞘から抜いた。
「実剣とビームサーベルの二刀流か。なかなか変わった組み合わせだな」
「そりゃどうも………行くぜ! 」
急降下して地面に降りると、砂埃と同時に前に出て、すぐにグラディウスで切りつける。しかし盾でふさがれ剣を降り下ろしてくるが、それをビームサーベルで受け止め、またグラディウスで斬りかかる。
「はあぁぁぁぁ!! 」
粒子を纏わせて、剣撃の速度と威力を上げる。
それを一気に叩き込むと、ヨシナは盾で防戦一方だった。
「むぅ…」
「ああぁぁぁぁぁ!! 」
それを何度も繰り返していく。
勝機は今しかない!まだだ、まだスピードは上がる!
そうやってしばらく攻撃していると、勝負は突然ついた。
「はっ? 」
ケルサスガンダムがグラディウスを降り下ろし、相手は盾で受け流すと、スピードに乗っていたため、ケルサスガンダムごと前に倒れた。
「くうぅ! 」
起き上がろうとすると、ケルサスガンダムの首もとに剣を突きつけられていた。
「私の勝ちだ。なかなか楽しめたよ」
『BATTLE ENDED』
ーーー――
バトルが終わった後、俺は呆然としていた。
そうしていると、トウイとシノが寄ってきた。
「大丈夫? 」
「結構善戦できたね。あとやられてごめん」
手を合わせて謝ってくる。
「大丈夫だ。俺もやられたんだし、気にすんな」
「わかった、じゃあ気にしない。全く気にしない」
「少しは気にしろバーロー」
そうやって話していると、聖騎士ガンダムを持ってヨシナがこちらに来た。
「バトルに乱入したのは本当に申し訳ない。けど、おかけで楽しめた。感謝する」
「感謝される筋合いはないぞ」
「そうか………ところで君のそのガンプラ。それは誰かから貰ったものか? 」
なんでそんなことを知っているんだ?っと口に出かける。
「ああ。家に届いていた荷物の中に入っていた。それがどうした? 」
「そのガンプラ、ケルサスガンダムと言ったか?それは、第十一回ガンプラバトル選手権世界大会に、イオリ・セイが使ったガンプラでもあり、数年前にカミキ・セカイというファイターが使ったガンプラに似ているんだ」
「なんだと!? 」
なんでそんなガンプラが俺の家に届いたんだ?
そんな疑問が起きるが、答えは当然出てこない。
「ヒロヤ。その人達のどっちかと知り合いだったとか? 」
「いや。そんな関係は一切知らない」
「あっ!ググったら出てきたよ」
調べてたらしく、スマホの画面を見せてきた。確かに似ているな。形状も色もやや違うけど。
「けど、やっぱ知らないな…」
そう呟くと、ヨシナが思案顔して、フムッと唸った。
「誰かが見て、同じのを作ったのか?まあいい、そんなことよりもサオトメ君」
「なんだよ? 」
自分から聞いといて、自分で話題を変えやがったなオイ。
「君の最後の攻撃。あれは粒子を纏った剣が速すぎて、もう片方のビームサーベルが動きについてこれなかったから起きた事だ。それでは到底使いものにならない。何とかするべきだ」
それだけ言うと、ヨシナは背中を向け去っていこうとする。
「いいのかよ?敵に塩を送るような真似して」
「構わないさ。私は楽しくやれればそれで」
一度動きを止めて答えると、すぐに歩き出したのを見送る。
「にしても完敗だったわね」
「ああ。一方的にやられたな」
「けど、皆課題が見つかった筈だから収穫はあったね」
「それもそうだな」
ヨシナのアドバイスを聞いた俺は、なんとなく必要なものがわかった。
「とりあえず、終わったことだしムウさんのところに戻るか」
「そうね。にしてもムウさん怒るかしら? 」
「あ~。ムウさんキレてたからね…」
「まぁ大丈夫だろ」
そうして、初めての試合はボロボロにやられたが、全国の実力を感じ、なおかつ課題も見つかった有意義な試合だった。
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