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転生者達による神世界開拓記

作者:三島 渓山
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東方
古代編
  第一話

 
前書き
話は基本的に書けたら更新です。最低でも一週間に一回は更新したいと思いまっする。 

 





 無事に転生し終えた○○○○改め、八意永巡だ。転生して幾年が経ったが、その前に俺の苗字に聞き覚えはないか?八意―――東方Projectを知っている奴ならご存知だろう。俺の姉は―――、



 「永巡、朝ご飯よ」

 「はーい」



 そう、月の頭脳と言われる八意永琳の義弟になったのだ。過去に色々あったが割愛させていただく。



 「(説明が面倒くさいなんて言えるか……)」

 「どうかした永巡?」

 「いや、何でもないよ義姉さん」

 「そう……取り敢えず一緒に」

 「「いただきます」」



 バクバクバク、キンキンキン、カツカツカツ。



 「例の計画……どうなってるの?」

 「……予定より少し遅れてるわ。今のままじゃロケットの製造が予定日に間に合いそうにないわね」

 「空いてる部署はないの?」

 「どの部署も余所を手伝ってる暇はないわ」

 「はあ……これは予定日をずらすしかないんじゃない?」

 「永巡もそう思うわよね?でも、上は早く早くとせがんでくるのよ・・・」



 老人達は現場見てないから簡単に物事を言えるんだよね。日本の政治家にも同じ事が言える。



 「それと……最近妖怪の襲撃の回数が増えてきているような気がするの」

 「え?この都市に?」

 「いえ、薬の材料を取りに行く時よ。今は護衛と一緒にやっつけてるけどこのままじゃ薬が作れなくなるわ」



 それは困ったな・・・八意家の歳入は義姉さんの薬の販売が三割(※その一割は臨床実験に充てがわれている)を占めている。俺?ニートだよ、言わせんな恥ずかしい。



 「それと妖怪に襲われてる時、誰かに見られてる気がするの」

 「誰か?」

 「気配は人間っぽいけど外で人間が暮らしていけるわけがないわ。だから勘違いよね」



 ……十中八九転生者だろうな。東方のSSは古代から始まるものが多い。そして大抵永琳(義姉さん)と仲良くなってる。それかめだかボックスの安心院なじみ狙いか。あの神様は混沌(カオス)極まると言っていたから複数の漫画が混じっててもおかしくはない……と思う。



 「一度義姉さんについて行ってみようか?」

 「永巡を危険な目に遭わせるわけには……」

 「俺は義姉さんが心配なの」



 家族を心配するのは当然。しかし、その姉は八意永琳、現時点でも十分強い……あれ?心配する必要なくね?



 「永巡首を傾げてどうしたの?」

 「いや……考えてみたら義姉さんを心配する必要性を感じなかった」

 「何で!?」

 「だって義姉さんだし」

 「どうやったらその結論に行くつくか教えてなさい!」

 「えー……」

 「『何言ってるの?』みたいな顔しないでよ……」



 義姉さん は 落ち込んだ! みたいなテロップが出現しそうだった。まあ、義姉さんをいじるのはこれぐらいにしよう。



 「それで?次の採取はいつなの?」

 「……この後すぐよ」

 「じゃあ食器を洗って準備しなきゃね」



 さっさと視線の正体を明かして不安解消といきますか。





 ~~~外れの森~~~





 食器を洗った後、義姉さんと護衛数人で都市の外れにある森に来た。妖怪達が渦めく森の中を平気で闊歩する義姉さんに少し引いてしまう。



 「(永巡)」

 「(何?)」

 「(視線を感じるようになったわ。でも、いつもより強く見られてる気がするの)」



 それは多分見慣れた護衛の顔ぶれの中に俺がいるからだろう。統一された護衛達の服装と全く違うのは普通義姉さんだけ……イレギュラー(おれ)を見て目をひん剥いてるって所か?



 「(というかこの森の中全然先が見えない……なのに特定の視線に気づく義姉さんはつくづく人間やめてると思う)」



 何年かしたら月人、蓬莱人と進化する前触れって奴?そうごちゃごちゃ考えてながら義姉さんの方を見る。すると義姉さんと目線があってしまった。



 「(……何かしら?)」

 「(いえ、今日も美人ですなーと思ってただけ)」

 「(な!?お世辞を言うのはやめなさい!)」

 「八意様、予定地に到着しました」

 「(だいたい永巡は……)」

 「八意様?」

 「っは!?ゴ、ゴホン……ご苦労様。それじゃ周りを見張っておきなさい」

 「分かりました」



 ザッザッザッ、と草むらを掻き分ける音が響く。音の大きさからしてそんなに離れた訳ではないようだ。



 「……何で護衛なのに護衛対象者から離れてるんだ?」

 「特に意味はないわ」

 「おい」

 「……というのは嘘。二人でいれば視線の主が近づいてくるかもしれないでしょ?」

 「そうかもしれないけど……」

 「あら?永巡は私を守る自信がないの?」

 「うん、ない。いざとなったら義姉さんを囮にして逃げるよ」

 「……冗談よね?」

 「さあね。それよりさっさと採取でもしたら?」



 そう言うと義姉さんは不満げな顔をしながらもいそいそと採取に励む。俺はその間に視線の方向を探る。



 「……!」

 「永巡」

 「何だい義姉さん?」

 「そろそろ帰りましょうか。粗方材料も取り終わったしね」

 「そうか……(パンパン)」



 ゾロゾロゾロ、と義姉さんを中心に護衛が集まり出す。よく訓練されてんなぁ。



 「じゃあ行くわよー」

 「……」

 「永巡どうしたの?早く帰るわよ」



 義姉さんが催促の言葉を発するが、俺ははある草むらの方向を見て指を刺した。



 「貴様、見ているな?」

 「永巡?とうとう厨「やれやれバレちゃったね」……!」

 「まあ?態とバレるように近づいてあげたんだけど」

 「!!」



 3mぐらいの草むらから人が飛び出してくる。出てきた人の容姿を見て声を出さなかった俺を褒めてやりたいぜ。



 「嘘……こんな近くにいたの?」

 「(安心院なじみ……!?)」



 護衛達は動かない、否動けない。手馴れた戦士だからこそあいつの規格外さと「機嫌を損ねたら一瞬で殺られる」という懸念が分かる、分かってしまう。



 「(何故よりによって本人!?いや、確かに宇宙創成以前から誕生している奴なら何らおかしい所はない。しかし……現実を漫画と見てる奴が俺達に興味を持つか?)」

 「あれあれ?もしかしてこんな可愛い女の子相手にビビっちゃってる?」

 「……あなた何者?」

 「質問を質問で返すのは行儀が悪いぜ?まあ何だい?僕は心が広いからね。一回だけなら許してあげない事もない」



 一々勘に触る奴だ。あ、義姉さんの額に青筋が浮かんでる。



 「もう一度聞くけどこんな可愛い女の子相手にビビっちゃってる?」

 「……可愛いからこそビビるんだ」

 「永巡?」

 「ほう、それは何故だい?」

 「この辺で人間はあの都市でしか生きられない。外に出ればすぐに妖怪の餌になる。なのにあんたは生きている……気味が悪い、怖気づくのも当然だ」

 「へえ……少しはものを考えてるじゃないか」



 人型の妖怪はこの時代にまだいない(筈)。前例のない者の出現を恐れるのは当たり前だ。



 「僕の質問に答えたからそちらの質問にも答えてあげよう。僕は人間ではない」

 「!?」



 安心院なじみの言葉に護衛達は武器を構える。



 「待って」

 「なっ……!?どうして止めるんです八意様!」

 「あなたも気がついてるでしょ?あれから妖怪の気配が感じられないって」

 「……」

 「そこの銀髪の女性はよく見ている……僕は妖怪ではない、ただの人外さ」

 「人外……?」



 義姉さんが首を傾げてる。意味が分からないと思うのも無理もない。だって『人外の定義が違うのだから』……このままじゃ埒があかないな。



 「……おい」

 「何だい?」

 「俺の眼を見ろ」

 「なっ、それは……!?」



 その瞬間、俺とあいつは違う世界へ隔離される。
 
 

 
後書き
友人に聞いた話だと八坂神奈子と洩矢諏訪子の喧嘩は三国志(恋姫)より先らしいです。となると『東方(神代←紀元前660年頃)→東方(一世紀頃?)→恋姫(198年頃?)→未定』になりますね。頑張って書いていきますよー。 
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