東方喪戦苦
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~三四幕~白面金毛
「なかに入るか」
分厚く重たい扉を開き、オーダーの基地へ入っていった。
薄暗い廊下を足音立てながら歩いていく
神「静か過ぎない···?」
神無がふいに気がついた
千「確かに···あんなに派手に暴れたのに、一人も来ませんね···」
確かにおかしい。祐海は裏口と思われる場所まで幹部に張らせる程、厳重な警備をしていたのにも関わらず
中には人の気配すらしない。
廊下を歩き続けると、目の前に少し大きめの扉がそびえ立っていた。
そこには、WARNING!と書かれた看板が立て掛けられていた。
「行くか?」
後ろを振り返り、神無達に問う
神「ここまで来ちゃったのよ?いくに決まってるじゃない」
「そうだな」
扉を勢い良く開けて、中を見渡す。
その部屋一体に大きなカプセルが有った。そのカプセルの中には、何かの液体が入っており、人が入っていたりもした
「なんだ···こりゃ、気味わりぃ··」
身震いした。
神「この子見て!」
神無が俺を手招きした。
「どうした?」
神無の方へ小走りし、神無が指差したカプセルを見ると、中に3つ位の少女が入っていた。
「くっ···今助けるぞ!」
俺はカプセルをかち割ろうとした
千「待って骸!無闇に割ったらかえってその子が危ないかもしれない!」
千尋の言うことは正論だった。
俺は何故か我を忘れてこの子を助けようとした。
まるで、知っている子の様に·····
神「じゃあこのボタンで万事解決!ポチッと!」
神無は手元のボタンを押した。
「危険!!絶対押さざるべし!」と書いたボタンを····
「わぁぁぁぁぁぁぁ!」
千「あっ、開いた」
カプセルの中の液体は消え、カプセルがひらいた。
その場に倒れこんだ少女の頭を撫でると、違和感を感じた。
触って見ると、それは明らかに耳であった。
「星花ちゃん見たいな耳がある···」
触り続けると、少女の目が覚めた。
「う~ん、うん、ん?」
目を開けると、ビックリした表情で俺から離れてこう言った
「無礼で有るぞっ!ワシを誰と心得るっ!『白面金毛一族』の気高き一人娘、御先狐 出雲であるぞ!」
金髪に青い瞳、ピンクの浴衣を着ている。
高飛車な態度だが、如何せんこんなに小さい子だとあまりイライラしない
神「か···か··」
手を変態の様な動かしかたをして、息づかいを荒くした神無
「ヤバ···」
神「かわぃぃぃぃぃぃぃ!」
神無が出雲に頬擦りをした。
出「や、やめろっ!くっつくでない!ワシは可愛くなど無いぞ!」
躊躇いがちに、頬を赤く染める出雲
「姉貴····?そろそろやめろ?泣き目だぞ?」
出「ふっ···うぅ、ワシは、ひぐっ、気高き··えぐっ、白面金毛のぉぉ~」
遂に泣き出してしまった。
それを千尋が抱き上げ、あやした。
千「よぉ~し、よし、泣かないで~、気高き白面金毛さん何でしょ~?」
頭を撫でながら、出雲に微笑みかける。
すると、出雲は泣き止み、俺の方を向いた
出「ぐずっ···それはそうと、お主、万物神の骸殿じゃったか?」
その一言に、全員が困惑した
To be continud
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