戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー
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第十三話 立花中尉!野球は九人でするものだ!その十二
まずはだ、軍歌が球場の中に響いた。日帝衆の歌だ。
その軍歌を聴きつつだ、尚智は尚武に言った。二人は既に変身していてジャスティスカイザーになっている。
「おい、まただな」
「ああ、まただな」
まずはこう話すのだった。
「四方八方日帝衆ファンばかりだな」
「一塁側も三塁側もな」
ちなみにジャスティスカイザーの方が三塁側だ。
「外野もバックネットもな」
「何処もかしこもな」
「日帝衆ファンばっかりじゃねえか」
「俺達のファンいねえのかよ」
その彼等を探してもだった、一人もいなかった。
それでだ、こう言うのだった。
「いねえな」
「本当に一人もな」
「誰一人としてな」
「いねえって何なんだよ」
「ったくよ、俺達本当に人気ねえな」
「キン肉マン以上だぜ」
作中の初期では人気ゼロという設定だった、それが次第に変わったのだ。
「キン肉マンだってミート君いたのにな」
「アニメだとナチグロンもな」
「それが俺達と来たら」
「誰もいねえぜ」
「アホ!とっとと負けろ!」
「巨人と一緒に負けてまえ!」
これが球場にいる日帝衆ファンからの声援だった。
「スポーツマンシップ守れ!」
「たまには正々堂々とやれ!」
「甲子園汚すな!」
「ここを何やと心得とる!」
こうしたエールだった、そしてだった。
そのエールの中でだ、二人は自分達のベンチを見た。そこにはしっかりと彼等の仲間がいたがその彼等はというと。
「イーーーーーーーーッ!」
「戦闘員なんてな」
「ちょっと想定してなかったな」
「全くだぜ」
「何で正義の味方が戦闘員率いてるんだよ」
こう不平を言うのだった。
「俺達のクローンだっていうけれどな」
「どう見たって戦闘員だろ」
漆黒の全身タイツに覆面だ、その姿はまさにだった。
「それもショッカーの戦闘員な」
「俺達が悪役みたいじゃねえか」
「戦闘員を従えるとかな」
「違うだろ」
「それじゃあ怪人みたいだろ」
二人の不平はさらに続く。
「それこそな」
「まんま悪じゃねえか、俺達」
「何だっての」
「酷過ぎるだろ、扱いが」
「俺達は主役なんだぜ」
「その俺達のクローンが戦闘員とかあんまりだろ」
「御前等主役やったんか?」
観客席から子供が言って来た。
「初耳やぞ」
「おい、タイトルにもあるだろ」
「この作品はジャスティスカイザーだぞ」
「俺達が主役なんだよ」
「そのことを理解しろよ」
「タイトル位理解しろ」
また言うのだった、しかし。
子供は二人にだ、まだ言うのだった。
「いいか、俺達がこの作品の主役だよ」
「ついでに言うと俺達が正義なんだよ」
「このことを理解しろ」
「ヒーローは俺達なんだよ」
「全然そうは見えへんわ」
子供は右手の薬指で鼻をほじりつつまた言った。
「御前等ほんまもんの下種やろが」
「下種って何だよ」
「俺達の何処が下種だよ」
「勝つ為に頭使ってるんだよ、俺達」
「それだけなんだよ」
あくまでそうだと主張する彼等だった、そして。
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