Bistro sin〜秘密の食堂へいらっしゃいませ〜
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罪の食堂.2
.2
明らかに普段とは様子が違う皆に、賢太郎は少し不審感を抱きつつ平泉の話に耳を傾けた。
「では、皆さんの今日の仕事はこちらです。」
そう言うと、書類の中から何枚かの写真と身辺調査書のようなものを取り出した。
皆がジーっと、それに目を通す。
「今回もいつもと同じように、太田くんと六郎くんにはサポートを。東くんには、メインオペレーティングを。藤田くんには、例の整備とフォーメーションの立案。小次郎くんは、今日は特別な仕事をお願いします。大五郎さんは、いつも通り私と現場で。」
平泉が皆に何かの指示出している。皆が各々の仕事の確認をして「了解。」の合図を出した。
ようやく、平泉は賢太郎の方を見て声をかけた。
「賢太郎くん、君にはまだ荷が重すぎるかもしれません。それに、若いものにあれやこれやとやりたくない仕事をさせるのは申し訳がないです。だから、これから見せるもので君は仕事を受けるか否か考えてください。」
そう言うと、皆は厨房の方へ入っていく。南京錠の掛かった食材管理庫の前に来て、太田が言った。
「今、開けますね。」
彼は徐ろにノートパソコンを取り出して、いじり始めた。
扉に掛かっている南京錠には目もくれず、皆黙って何かを待っている。
ものの数秒で、「ガチャン」と言う音が聞こえた。
賢太郎は、目を丸くした。
何に驚いたかと言うと、普段押して開ける食在庫の扉が、横にスライドされていくのだ。
いや、扉が横に動いたのではない。食在庫そのものが、横に動いていた。
そして、開いた先には地下へと続く階段が現れた。
皆が、さも当たり前かのように階段を降りていく。
普通なら、ここで何の変哲もない人生の人間は、恐怖や不審感からその先には行かないだろう。
だが賢太郎は、なんの躊躇もなく皆に続いて階段を降りた。
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