俺の名はシャルル・フェニックス
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眷属と不死鳥
やあ、どうも。
いつの間にやら領地貰って子爵という爵位を貰ったシャルル・フェニックスだ。
まぁ、一応50年間の間という制約がついてるらしいけれど。
それを聞いて安心したのは言うまでもない。
だって面倒なんだぜ?
色々と。
この1年、いくら代官たててると言っても領主であるからして、覚えなければいけないこと、やらなければならないことを必死でやってた。
一応修行する時間はあったものの、気がついたら1年たってたって感じだ。
これで12歳になったわけだが、まぁ、あれだな。
疲れたわ。
領地経営。
まぁ、でも権力手にいれれたし安定した収入もはいるしなぁ……
主な収入源は税金と宝涙。
宝涙に関しては俺がいなくなったことで作れなくなり、各貴族からフェニックス大侯爵家が叩かれ、泣く泣く俺に頼み込んできた。
俺自身も、儀式について必要な物の作り方をなんも知らず、自作は不可能だったからちょうどよかった。
相手は利益4割と作る量を決める権利を持ち儀式の場所や必要なものを与える。
俺は利益6割と月に2つの宝涙と拒否権を持ち宝涙を作る。
ギブアンドテイクの関係になった。
そんなもんかな。
あとセラフォール・レヴィアタンと出会った。
つーか会いに来た。
すっげー理子と話してた。
すっげー仲良くなってた。
頂戴って言われたから絶対やらん!って言っといた。
娘の彼氏に「娘さんを下さい」と言われた親みたいな気分だった。
ブーブー言われたが無視って俺のだと宣言するように理子を抱き締めた。
形で表せってな。
それからたまに理子と話にくる。
それと、「ない」を「ねぇ」って言うのを止めた。
無理矢理言ってたからなー
少しでも強くみせようと。
だから、やめた。
ここ1年であったことはそんくらいか。
そして現在!
久しぶりに人間界にいるのだ!!
いやぁ、本当に久しぶりだぁ……
このバラキエルと会ったのを最後に人間界に来なかったからなぁ……
ってか、来る暇なかったしな……
白雪、理子、恋は駒王学園の初等部に通わせてるし、黒歌も大学部に通わせてて羨ましかったんだよなぁ……
四人は俺と同じ学校にしたいって言ってたが、俺んとこ、貴族しか通えないし貴族なら通わなければならない。
まぁ、人間界で中学入学する時くらいに人間界の駒王学園中等部に入る予定だ。
白雪と理子と同学年だな。
恋は1歳年下なのでその次の年だ。
それを聞いた時ショックを受けて悲しそうな顔をしたので、まぁ、慰めた。
黒歌も一緒に通いたいと言い出したが……流石に大学生を中等部に通わせるわけにはいかない。
つーか、俺正確な黒歌の年齢を知らないんだが……
何となくで現在大学部二年やらせてんだが……よかったのか?
まぁ、本人がいいならいいか。
因みに「世間一般から言えばお前ショタコンだよな」と黒歌に言ったところかなりショックを受けてらっしゃった。
その後「悪魔なんだから問題にゃ――ッ!?」と反論しようとして舌を噛んだ所を理子が録画しており、かなり俺と理子から弄られて悄気てた。
これまた俺が慰めた。
おっぱいが当たって気持ちよかった。
あれは巨乳なんてシロモノやない。
爆乳や。
まぁ、でもまだ毛は生えてないんで何もしなかったさ。嘘です。少し揉みました。
それを聞いたのか、我が家の牛乳の消費量が激増した。
1日に一人で1リットルは飲んでやがる。家の3人は。
まぁ、その甲斐あってか最近膨らみ始めたらしい。
早くないっすか?成長期。
なお、白音と朱乃もよく牛乳を飲むようになったとリアスが言ってた。
君らイッセーいるんだけど…………すまん。
未だ会えぬイッセーよ。
キミのハーレム要員とってしまった。
すまないとしか言えない。
でも、教会3人組とリアスが残ってるから大丈夫だよな!
と逃避してると、久しぶりに直感のようなものが俺に訴えてきた。
これで4度目だ。
恋、恋の命の危機、理子、そして今回。
とりあえず、今回も従ってみるか……
俺は直感の赴くままにバスに乗った。
そして前の方の座席に座ってると、見事に崖からの転落事故を起こした。
「うわっ、こりゃぁ酷いわ……」
目の前に広がる惨状に暫し絶句した。
ここにはぐちゃぐちゃになった鉄と肉の塊、そしてチロチロと燃える炎しかなかった。
フェニックスじゃなかったら俺死んでた。
ゾッとする。
「まぁ、こうなるとは思わんわな……」
流石に直感に従っただけで。
「……ち………ちゃ……」
ちいさく、声が聞こえる。
どうやら、生き残りがいるようだ。
幸い宝涙を1つ常備してるので助けることはできるな……
まぁ、生き残りは一人だけのようだし、助けよう。
鉄の残骸を避けながら声の聞こえた後部座席へと向かう。
そこには死にかけの少女と死んだ少女がいた。
その二人をみた瞬間ヒヤッとした寒気がした。
やべぇよ。
俺が知るなかで人類最強のチートがいる。
氣なんてない世界で戦闘機等の兵器を圧倒する兵器に勝る壊れ具合を魅せた二人。
片方は兵器を超える兵器を生み出し、世界を敵に回せる程のキチガイ頭脳をもつ篠ノ之束(しのののたばね)のそっくりさん。
もう一人は世界最強の名を欲しいままにしたブラコン生活破綻者織斑千冬(おりむらちふゆ)のそっくりさん。
そう、そっくりさんだ。
ご本人だとは思いたくない。思ってはいけない。
だってここはハイスクールD×Dの世界だから!!
とりあえず、虫の息の篠ノ之束そっくりさんに話しかけよう。
「楽に死にたいか?
それともキミの友とともに再び生きたいか?」
下半身を残骸で押し潰されてる篠ノ之束そっくりさんに顔を覗きこみながら問う。
「……た……す……けて……ち………ちゃん………」
「1万年ほど生きることになるし、人間止めることになるが構わないか?」
「………う………ん……」
「そうか。なら助けよう」
俺は二人にのしかかる残骸を退けて、その場で悪魔の駒で転生させた。
織斑千冬そっくりさんは騎士の駒2つで済んだ。
駒価値6で転生させれたのを喜ぶべきだな。
そして篠ノ之束そっくりさんは兵士の駒3つも使った。
変異の駒も合わせたのに、だ。
かの複数の駒消費を1で抑えるとされてる変異の駒を1ついれて3つ。
いくら兵士の駒だからってそりゃあないよ。
流石キチガイ壊れチートのそっくりさん。
これが原作通りのキチガイ壊れチート性能なら、ある意味最強が目の前で誕生したこととなる。
末恐ろしい……
最強を目指してはいるが、篠ノ之束には勝てる気がしない。
最強の部類が違うから。
だから、勝とうとも思えないし勝てるとも思えない。
まぁ、本人だった場合だ。
そう、本人だった場合。
でも、なぁ……
駒消費からしてキチガイってるもんなぁ。
恋同様。
とりあえず、どこか寝れそうな所に運ぶか。
眷属にしちゃったし。
寝かしとかないといけないし。
決して動けない少女二人を拉致ってるわけじゃない。
そう思いたいぜ。
しばらく二人を担ぎ、低空飛行で飛んでいると、ちょうどよさそうな少し拓けた場所があったのでそこに横にした。
ホテルとかの寝具がある施設の方がいいか、と思ったが、犯罪臭が半端ないのでやめた。
いや、今もかなり犯罪臭はするんだが……
あれ、俺いつから犯罪者に……?
いや、これは拉致とかではなく人命救助だ。
って他の乗客や運転手の遺体を放置しといて何を言ってるんだって話だが、全てを救えるわけじゃないから割りきるしかない。
あぁあ、久しぶりの人間界観光はお預けか……
まぁ、別にいいさ。
中等部入学まで待とう。
そしたら思う存分遊べばいい。
土日のほとんどは家のことで潰れそうだけどな。
「んっ……ん?」
二人を草の生えた地面に寝かし、俺はそこから少し離れた所で魔力で苦手な水や氷を作る練習をしてると織斑千冬そっくりさんが目を覚ましたらしい。
「……ここは…………ッ!?」
ガバッと起き上がり俺からいつでも逃げられるように警戒体勢をとり、鋭く睨み付けてくる。
って、普通の人間がとるような行動じゃないよな。
俺は気にせずに魔力を変換させつつ、話しかけた。
「おはよう。混乱してるところ悪いけど、キミ死んだよ。
バスが転落してグシャっと」
「―――なッ!?」
一番知りたそうな事を教えてやると、かなり動揺していた。
まぁ、いきなり死んだって言われたらなぁ?
誰だって動揺するだろ。
「なら何故生きてるのか、と疑問に思うだろうが、俺が悪魔で隣で寝てるのが助けてくれと言ってきたからだ」
フェニックスの翼までだして動揺してるなかを畳み掛ける。
一応、織斑千冬そっくりさんは性格は常識人みたいだからな。
隣に寝てる天災が起きるまでにいろいろ伝えとかなければならない。
まぁ、原作通りの性格じゃなけりぁいいんだがな……
ちょっとばかし、その望みは薄いんじゃないかな、と今までの経験上俺は思ったりするわけですよ。
「……束が……?」
おう……
名前、束っていうのか……
そっくりさんで同名。
同性能でないことを所望する。
「そ。彼女は下半身が潰れ虫の息になりながらもお前と生きる道を選んだ」
「そうか……」
織斑千冬そっくりさんは束と呼ばれた少女を慈愛のこもった優しい目で見つめる。
どうやら、俺への警戒心もといてくれたようだ。
「それでを生き返らす為にお前達は悪魔となった。
まぁ、それしかお前を生き返らせる方法はなかったからな」
「それはどういうことだ?」
「悪魔の駒って言う悪魔の持つ不思議な駒を使って眷属にした。
いわゆる転生悪魔ってやつだな」
「眷属ということは私達はお前の下僕ということか?」
再び睨み付けながら言われた。
「外聞的にはそうなるな。
それに軽く自由も束縛されることになる。
俺の手元から離れると、はぐれ悪魔って言われて狩られる存在になるからな」
「脅しか……」
そうとも取れるか。
そんな気はないんだが……
「すまん。そんな気はない。
ただ事実を言っただけだ。
せっかく助けたのに死なれたら寝覚めが悪いからな」
「……そうか」
「説明続けるぞ。
悪魔になったことで寿命がのびた。約1万年ほどな。
後は語学の勉強を会話だけしなくて済むのと朝に弱くなる。
それと、天使や堕天使の光力が弱点になるくらいだな」
まぁ、知っていて損はないどころか知らなくちゃいけない常識だな。これは。
織斑千冬そっくりさんは静かに俺の話を聞いてくれてる。
どうやら考えてるようだ。たぶんこれからのこととか。
「最後に、頼みとはいえ君らをこちらの世界に巻き込んで済まない」
頭を下げることで俺は最後を締め括った。
「……聞いていいか?」
「ああ。構わん」
「何故私達を助けた?」
何故か。
まぁ、決まってるな。
「気まぐれでバスに乗ったら事故にあった。
そして死にかけの隣に寝てるのががいて、お前らが俺の知ってる人に似てて、助けてと言った。
だから、助けた。
つまりは気まぐれとお前らが俺の知ってる人に似てたからだな」
本当のことを告げた。
下手に隠しても意味はないだろうしな。
「……それで私達は生き返ったのか。
自分の顔に初めて感謝したぞ」
皮肉気に笑った。
まぁ、気まぐれって言われりぁな。
「まぁ、済まないな。
もうちょっと増しな理由にした方がよかったか?
一目惚れしたとか」
場を和ませようと冗談を言うと――
「はっ、面白い冗談だな」
鼻で笑われた。
もうちょっと慌てるとか可愛いげを見せて欲しかったぜ。
織斑千冬そっくりさんとはいえ慌てふためく様はかなりレアだと思うんだが……
原作では1巻の塩の件しかなかったからな。
「それで私達はどうすればいいんだ?」
「あー、まず自己紹介からしようぜ?
俺はシャルル・フェニックス」
「私は、織斑千冬。
こっちに寝てるのは篠ノ之束だ」
ありゃりゃ、同姓同名ですよ。
同性能じゃないことを切に願うわ。
「親はいるか?」
「私はいない。こいつはいるが、不仲だ」
「会えなくて悲しむ奴は?」
「いないな」
「何だよ。社会不適合者か」
お?
眉がピクッと動いた。
「……そういうお前はどうなんだ……」
若干苛ついた声で聞かれた。
フッナメんなよ。
俺はかなり交遊関係が凄いからな。
「親とは不仲だが、友達ならいるぞ。10人もな」
白雪、恋、理子、黒歌、白音、朱乃、リアス、ソーナ、セラフォール、木場。
後は、俺を悪魔とは知らないが、イリナとせいな(漢字は知らない)――――あれ?
「五十歩百歩じゃないか」
織斑が負け惜しみを言ってたが、気にせず、考え事をする。
せいなについてだ。
確か、ひょうどうせいなと名乗ってた。
…………いや、まさかな。
同姓くらいおかしくないだろ。
でも、イリナと一緒にいた…………
嘘だろ?
嘘だと言ってくれよ。ジョニー。
んな馬鹿な事が…………
気にしたら負け。
そう思おう。
「どうした?急に思い詰めた顔をして」
「……いや。なんでもない。
んで、悲しむ奴がいないなら死んだことにして新しく戸籍作り直すって手があるが……どうする?」
ぶっちゃけ、これ以外の手は取りたくないな。
つーかこれ以外にまともな案が思い浮かばない。
「私は構わないし、たぶんこいつは了承するだろうな」
「そうか。なら、俺ん家来るか?
衣食住は保証して教育も保証するが?」
「なかなかいい就職先だな」
「そうかい」
「こいつが起きるまで待ってくれ。
礼をいいたいからな」
「蘇らせた本人には無しかよ」
大袈裟に肩を竦めて言う。
「いや、感謝してる。
タイミングが掴めなくてな。
ありがとう」
「これほど礼を言うのが似合わん奴は初めて見たぜ」
「ふっ、お前は面白いやつだな」
「はっ、俺に惚れると火傷するぜ?」
俺の冗談に、ははっ、と二人して笑いあう。
まぁ、つかみはいいんじゃないかな?
ってと俺の愉快な仲間達(四大魔王命名)がもっと愉快になり、俺と不愉快な仲間達(貴族命名)がもっと不愉快になりましたとさ。
笑えな……
後書き
なんか、シャルルの眷属が強すぎてどうしよ……
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