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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第七十話 爺と呼ぶなお兄さんと呼べ

 
前書き
大輔達がゲンナイと邂逅する。
賢「リリカルアドベンチャー、始まるよ」
 

 
大輔とタケルの関係が険悪な物となったが、大輔はそれを無視してデジタルワールドに向かう。
ブイモンも追おうとするがヒカリに呼び止められた。
ブイモン[何?]
ヒカリ「ごめんね、呼び止めちゃって。これ向こうで皆で食べて」
ブイモン[ん?何何?うわあ、チョコレートサンドイッチだ!!]
きっとこっちでのダークタワー破壊のペースを考えてくれたのだろう。
栄養が豊富なチョコレートクリームと苺を挟んだサンドイッチ。
ブイモン[サンキューヒカリ。向こうで食べるよ!!チビモンも喜ぶよ絶対]
ヒカリ「うん、ねえブイモン。聞いてくれる?」
ブイモン[何だ?]
ヒカリ「私ね、今まで光が正義で闇が悪だと思ってたの」
ブイモン[まあ、それが普通の感覚だよ。俺達だってなっちゃんを殺されるまで考えたことなかったし]
ヒカリ「でもギガハウスのことで…」
ブイモン[ドミニモンの傲慢さに今まで信じていた物が壊れたか?]
ヒカリ「うん…私どっちを信じればいいのかな……お兄ちゃんにも分かんないだろうし」
ブイモン[そうだな、まあ俺から言わせて貰えば、甘ったれんなヒカリ]
ヒカリ「え?」
ブイモン[今までもそうだけど、ヒカリ達はまず、他の声に耳を傾けるべきだと思う。同じ考えに凝り固まった奴らと話していても堂々巡りがいいとこじゃん]
ヒカリ「………」
ブイモン[今までヒカリ達は闇を悪だと思っていたけど、光から奪われた奴の存在も忘れちゃいけない。この間の大輔とタケルがいい例じゃん。タケルの奴大輔の気持ち考えないで言ったから殺されかけたじゃんか]
ヒカリ「うん…」
あの時は凄かった。
無表情の中にとてつもない殺意を孕んだ視線。
殺意以外の感情が全く感じなかった程の純粋な殺意。
ブイモン[ヒカリ、お前凄く明るい部屋で眠れるか?]
ヒカリ「え?ううん」
寝ようと思えば眠れるだろう。
疲労した時やかなり眠い時等に限ればの話しだが。
ブイモン[だよな。寝るなら暗くて安心出来る場所がいいよな?]
ヒカリ「うん…あ…?」
ブイモン[気づいたか?光と闇。どっちも必要なんだよ。闇がないと光は存在意義っていうのを失ってしまう。闇を消すっていうことは光も消してしまうことになるんだよ。あいつも馬鹿だよな自分の首を自分で絞めてる]
“あいつ”とはドミニモンを指しているのかタケルのことを指しているのか、ヒカリには分からなかった。
ブイモン[まあ、ヒカリ達の気持ちも分からなくはないから。少しずつ克服してけばいいさ]
バスケットを持って大輔の元に向かうブイモン。
ヒカリ「行こう。テイルモン」
テイルモン[…ああ]
テイルモンを抱き上げてパソコン室に向かうヒカリ。






























ブイモン[大輔]
大輔「ブイモン、何だそのバスケット?」
ブイモン[ヒカリからの差し入れ。食べてくれってさ]
大輔「そうか…向こうで食べるか」
ブイモン[ああ]
少しだけ、ヒカリに対する態度が軟化したように見える。
ブイモンはバスケットを持って、デジタルワールドに行く。






























そしてデジタルワールドに行くとフェイトとはやてと賢が出迎えてくれた。
大輔「お、ギルモンに進化したのか」
ギルモン「おう、何か飯食ったら進化したぞ」
はやて「忙しいやっちゃな」
大輔「じゃあ、今日もダークタワーを…」
「少し待ってもらえないかな?」
全員【?】
振り返るとそこには一人の青年が立っていた。
賢「あなたは?」
ゲンナイ「私はゲンナイ。かつて太一達の冒険をサポートした者だ。大輔とは一度会っただろう?」
大輔「ん?ああ、確かに」
あの世界で確かにゲンナイと会った。
それを思い出した大輔はゲンナイを見遣る。
ゲンナイ「君達とは話をしたいと思った。大輔、賢。そして異世界…いや切り離されてしまった世界の選ばれし子供達よ」
賢「どういうこと…ですか?」
ゲンナイ「これを話すには何故、君達の世界にあるはずの場所がないことも含めて話さなければならないね」
大輔「知ってるのか?」
ゲンナイ「まずはこのデジタルワールドがブイモン達のような例外を除いて現代種のみのNEWデジタルワールド。そして二人のパートナーが暮らすような進化に適応出来た古代種のみが生きるOLDデジタルワールドだ。」
ホログラムを作り出しながら説明するゲンナイにチビモンが挙手する。
チビモン[私達の世界がそのOLDデジタルワールドで、お兄ちゃん達の世界がNEWデジタルワールドなの?]
ゲンナイ「そうだ。かつて進化と退化を繰り返し、絶対量を増やすデジモン達により肥大した“デジタルワールド”は自身の容量を越え、“デジタルハザード”による崩壊の危機に瀕していた。最悪の事態を回避するため、デジタルワールドのホストコンピューター・“イグドラシル”…デジタルワールドの神は世界を二つに分けた。進化や急激な環境の変化についていけない古代種の大半をOLDデジタルワールドに。進化や急激な環境の変化に耐えられる現代種がNEWデジタルワールドに移された。デジタルワールドからすれば今から何億年も昔の話だ…」
はやて「ちょい待ち。うちらのことも切り離されてしまったって言っとったよね?どういうことなんや?」
ゲンナイ「うむ、これはイグドラシルにも予想外のことだった。デジタルワールドを二つに分けたことでデジタルワールドに密接する世界である現実世界にも影響が出たのだ。」
大輔「まさか…」
ゲンナイ「そう、現実世界も大輔達が暮らす世界とはやて達が暮らす世界に分かれてしまったのだ」
ブイモン[え?まさかの俺の予想的中?]
はやて「じゃあ、うちらがここに飛ばされたのは偶然やないちゅうこっちゃな」
ゲンナイ「そうだ。イグドラシルは何とか現実世界を一つに戻そうとしたが出来なかった。もう一つのデジタルワールドでも異変が起きたからだ」
大輔「暗黒の力か?」
ゲンナイ「そうだ。向こうの世界でも似たような敵と戦っているのだろう?」
大輔「ああ、確かデビモン、エテモンとかな。一応二体のデータはここに」
ゲンナイ「何と…救えたというのか?」
大輔「ああ、どっちもギリギリだったけどな」
ゲンナイ「素晴らしい…ならこの世界をより良い方向に導けるかもしれない」
賢「世界を?」
ゲンナイ「うむ、例えばこちらの世界は平和だが、向こうの世界の平和が乱れている。そんな状態で世界を一つにしたらどうなる?」
大輔「目茶苦茶になるな。デジタルワールドの時間だって向こうが大幅に遅れてる。まずは一つにするにはデジタルワールドを平和にして時間を合わせないといけないな」
ゲンナイ「その通りだ」
フェイトとはやては互いの顔を見合わせる。
はやて「何とか向こうに戻る方法はないんやろか?」
フェイト「なのは達と合流しないと…」
ゲンナイ「すまない、何とかしたいのだがそれに関してはこちらも手探り状態なのだ。何か分かり次第連絡しよう」
大輔「分かった。何か分かり次第連絡をくれ」
ゲンナイ「ああ、ありがとう。君達のおかげで希望が持てたよ」
それだけ言うとゲンナイは去って行った。
大輔達もダークタワー破壊活動を再開した。 
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