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ガールズ&パンツァー もう一人の転校生  【リメイク】

作者:stk
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原作編
  戦車道辞めたいです

2012年7月

「前から黒森峰の戦車が向かってきます。どうしますか隊長。」

紺色の軍服を着ている少女が隊長と呼んだ少女に聞いてきた。
すると彼女は、

「私達は勝たないといけないんだよ。逃げるわけがないよ。全車に目の前の戦車に撃つように伝えてください。」

「了解しました、梨華隊長。」

隊長と呼ばれているのは戦車道の名家の一つである大狩家の継承者である大狩梨華。
彼女は今、公立白河女子高の戦車道の代表として、全国大会に来ていた。
そして二回戦、黒森峰女学園との試合は熾烈を極めていた。
どちらも名家の維持があった。
白河女子高は梨華とお姉ちゃんの深雪の二人がいて、黒森峰には幼馴染みのみほとみほのお姉さんのまほさん。
どうしても勝ちたかった梨華は深雪に頼んで隊長をしていた。
もちろん乗っている戦車はフラッグ車である。
フラッグ車という立場と隊長という立場から梨華はかなりのプレッシャーを感じていた。

「隊長、こちらの戦車は残り三両、黒森峰は二両です。」

「このまま勝つわよ。」

「「「了解。」」」

このまま行けば誰もが勝てると思った。
士気が上がって良いところだったが、

「隊長大変です。後ろから現れたあちらの戦車によって2号戦車が行動不能になりました。」

「隊長、1号戦車も前方戦車にやられました。」

新たに現れた敵の戦車によって味方戦車は行動不能に陥り、私たちはいきなり絶体絶命の危機に陥ったのです。

「フラッグ車を狙って。当たれば勝ちだから。」

とにかく勝たなければならないと思った梨華はフラッグ車のみに集中させようと考えました。
しかし後方の戦車が梨華たちを狙っていることには気づいていなかったのです。

「了解しました。」

「装填急いで。」

かなり慌てている梨華。
撃つ準備が出来ると、

「準備完了しました。」

「早く撃てー。」

梨華の合図で撃たれたがその弾はかわされてしまった。

「再装填急いで。」

「隊長後方戦車がこの戦車に標準を合わせている用です。」

「退避準備、右側に進め。」

急いで回避行動を取ろうと試みるも

「駄目です。前方戦車からも狙われていて身動きが取れません。」

「そんな。」

「後方戦車が撃ってきました。回避不能です。」

見事に当たったその弾は梨華の乗る戦車にくっきりと後を残した。

『白河女子高フラッグ車行動不能。よって黒森峰女学園の勝利です。』

放送により流れる梨華たちの敗北の宣言。
最後の挨拶の場で、

「梨華、強くなったな。みほにも見習ってもらいたいくらいだ。」

「ありがとうございます。」

まほに褒められたが嬉しくはなかった。
私のせいで負けたという責任が梨華を襲っていたのである。




そして家に帰えると、

「あなたは一体何をしているんですか。あなたも大狩流を継ぐものなんですよ。もし深雪に任していればあの試合は勝っていたでしょう。あなたがどうしてもと言うから任せたのにこの結果とは残念です。」

「お母さん、申し訳ございません。」

お母さんによる説教をくらっていた。
ある意味しょうがないことなのだが、名家同士の戦いが何を意味しているのか、そして破れたらどうなるか、この話に一時間以上も話をされた。

「お母さん、お願いがあります。私を白河女子高から転校させて下さい。」

いきなり転校させて下さいと言われて驚くお母さん。

「それはどうしてなのですか?」

「私は今回、お姉ちゃん、お母さん、それに戦車道の仲間に多くの迷惑をかけてしまいました。そんな私がまたみんなと一緒に戦車道を続けて言い訳がありません。いえ戦車道をする事さえも駄目だと思ったのです。」

逃げると言っているようにしか捉えられないとわかっている。
しかし意外と考えられた言葉に驚いたお母さん。

「良いでしょう。でも本当に戦車道から逃げるのですね。」

「週末の稽古は絶対に来ます。私は一年間反省してくるだけです。」

「分かりました。学校は梨華が決めなさい。」

「ありがとうございます。」

梨華はその後自室に戻り戦車道のない学校を探した。
しかしなかなか見つからず学校転校先のページは最後を向かえた。
半分諦めながら次のページに進んだ。
そして最後の最後で見つけたのは、

「大洗女子学園。此処にしよう。」

見つけたのは戦車道が昔に廃止された大洗女子学園だった。  
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