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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第六十八話 謎の女

 
前書き
この話はアルケニモンとの初戦闘の話を元にしています。

大輔「リリカルアドベンチャー、始まるぜ」 

 
大輔『消えろーーーっ!!』
フェイト『行っけえええっ!!』
賢『はああああっ!!』
融合した状態で攻撃を受けたダークタワーは塵と化した。
どうやら超進化さえ出来てしまえば、成熟期、完全体、アーマー体問わず融合出来るようだ。
因みに現在は成熟期。
ジョグレスで融合したのは超進化以上の進化だからではないかというのが賢の予想だが…。
それにしても大輔達の勢いは凄まじい。
大輔は度重なるストレスをダークタワー破壊にぶつけているため、ダークタワーの破壊スピードがダントツだ。
賢もダークタワーの脅威を知るために、ダークタワーを必死に破壊していく。
そして意外にもダスクモンもダークタワー破壊に協力してくれている。
ダスクモンは成熟期でありながら、完全体どころか究極体にすら匹敵する実力の持ち主だ。
ダスクモンの協力でダークタワー破壊はスムーズに終わっていた。
大輔『ええい!!何度も何度もぎゃあぎゃあ喚きやがって、あのクソ野郎がっ!!自分の正義に酔いしれやがって!!あの自己陶酔野郎がっ!!!!』
はやて「大輔さん、疲れとるんやろうなあ…」
日頃から溜まっていくストレスに、こうやって罵言罵倒を繰り返さねばやってられないのだろう。
フェイト『大輔…ブイドラモン、あっちも破壊しよう』
ブイドラモン[うん]






























そして大輔達がダークタワーを破壊したエリア付近にはあの女がいた。
「あのガキ共…ダークタワーをストレス発散用のサンドバックと勘違いしてんじゃないのかい…?しかし下手に刺激しようもんなら、逆にあたしがダークタワーと同じ目にあいかねないしねえ…」
遠目から見ても大輔から吹き荒れる怒りは凄まじく、下手に刺激しようもんなら逆にダークタワーと同じ末路を辿る。
下手したらデータすら残らず塵となるかもしれない。
「あいつらには完全体が三体…あいつらは後回しね。まずはあの鬱陶しい貧弱な奴らから仕留めてしまいましょう。」
携帯でメールを作成し、一斉送信した。






























こうして女からのメールを受けた貧弱認定されたタケル達。
罠かもしれないと思いつつも結局デジタルワールドへ行くことに。
危なくなったらすぐ引き返す、という京の忠告と共に。
ヒカリ「……………」
D-ターミナルを見遣るヒカリ。
少し弄ると、ダウンロードしていた写真の映像が映る。
写真には今はもう見れない大輔の笑顔が写っていた。
最近思い出せるのは、無表情、嫌悪、苛立ちの表情だけ。
偽りの関係。
それを突き付けられた時の喪失感は凄まじく、しばらく落ち込んだ程だが、今は少しだけ持ち直した。
この前、大輔がタケルを殺そうとした時は驚いたが、当然かもしれない。
大事な存在を侮辱されて怒らない人はいない。
大切な存在ということに光も闇もない。
テイルモン[ヒカリ?]
ヒカリ「あ、ううん。何でもない」
僅かな望みをかけて大輔達にメールを送信する。
デジタルワールドの平和を願う心だけは一緒だと信じて。






























大輔「でかいな」
ヒカリ「あ、うん。そうだね…」
自分達より早く来ていた大輔達に驚きながら、普段よりいくらか機嫌が良さそうな大輔にヒカリは不思議そうに見つめる。
はやて「ほら…最近ダークタワーの減りが目茶苦茶早いやろ?あれ殆どストレス発散に大輔さんとブイモンが壊しとるんよ」
ヒカリ「そ、そうなんだ…」
タケル「大輔く…」
賢は無言で大輔に近づこうとするタケルの足を払い、強制的に黙らせた。
賢「(空気の読めない馬鹿…とは正にこれか)」
折角、機嫌がいくらか浮上してきたというのに何故自分から駄目にしようとするのか…。
フェイト「それにしても大きいね。」
大輔「ああ、このサイズだとエクスブイモンもグレイモンの猫くらいの大きさに過ぎないな」
伊織「まるで僕達、ガリバー旅行記に出てくる巨人の国に迷い込んだみたいですね……」
フェイト「ガリバー旅行記って何?」
はやて「へ?フェイトちゃん知らへんの?」
フェイト「うん」
賢「ガリバー旅行記というのは、とあるアメリカ人が小人の国にスリップするのが一章。そして伊織君のは確か、全てが巨大な国にスリップするのが二章…だった気がする」
フェイト「凄く曖昧な回答ありがとう」
大輔「まあいい…おい女!!隠れてないで出て来い!!出て来ねえなら家ごと消し飛ばすぞ!!」
賢「来て早々いきなり物騒なことを言うんじゃない」
ハリセンを叩きつけ、本気でやりかねない大輔を強制的に止める。
伊織とタケルは複雑そうに大輔と賢を見遣る。
伊織はデジタルワールドを支配しようとしたデジモンカイザーである賢と自分達以上の信頼関係を築いていることに。
タケルは賢より長い時間を共にしてきたにも関わらず、自分よりも賢とまるで太一とヤマトのような親友の間柄であることに複雑な心境である。
大輔「仕方ねえな。とにかく、探してみるか」
フェイト「そうだね。」
賢「行くか」
はやて「ほな、ギガハウス探検隊出撃や!!」
京「ちょ、ちょっと!!こんなあからさまに罠ですと言ってるようなトコに入るの!!?」
はやて「当たり前やろ?危険なトコ程、得る物はでかいんやから」
賢「君達は今すぐ帰った方がいい。ここから先は生半可な実力の奴には踏み込めない領域だ」
フェイト「ねえ、別行動を取らない?ほら、私達は丁度8人だし」
大輔「そうだな、俺は探索班だ」
タケル「なら…」
賢「大輔が行くなら僕も行こう。ジョグレスを使うことを念頭にいれておく」
タケルの発言を遮るかのように、賢が言うと、伊織が挙手する。
伊織「僕も行きます!!」
大輔「まあ、いいんじゃねえか?ついて来たきゃあ、ついて来れば」
ヒカリ「あの…」
全員【?】
ヒカリ「私も…ついて行っていいかな?本宮君…」
大輔「は?」
まさかの発言に大輔は目を見開く。
賢ですら予想していなかったのか目を見開いていた。
ヒカリ「あ、ごめんね…馴れ馴れしい…よね…」
大輔「別に…ついて来ればいいだろ」
ヒカリ「あ、ごめ…ううん、ありがとう」

探索班:大輔、賢、伊織、ヒカリ。

待機班:フェイト、はやて、タケル、京

の班となった。






























中に入った子供達は辺りを見回す。
それにしてもでかい。
全てがでかい。
大輔「こんなにでかいと女一人見つけるのに苦労しそうだぜ」
ヒカリ「ねえ、本宮君…」
大輔「ん?」
ヒカリ「メール…読んでくれたんだね…ありがとう」
大輔「別にあんたのために来たんじゃねえよ。あの女を倒すために来たんだ」
ヒカリ「うん、それでもありがとう」
大輔「………」
賢「それにしても広い。これは大輔が言ったように破壊も視野に入れないといけないな」
時間がかかるとかかるだけこちらが不利になる。
女も女で、大輔達が来たことに焦っていた。
「何であいつらが来るのよ!?まずいわね…まずはあの貧弱な奴らから仕留めてやろうと思ったけど、こりゃあとっとと攻めないと」
女がフルートを吹いた。






























どこからともなくフルートと思しき笛の音が聞こえて来た。
大輔「聞こえたか?」
賢「ああ…みんな、警戒を怠らないように」
ヒカリ「うん…」
伊織「………」
鋭く感覚を研ぎ澄ませる大輔と賢にヒカリと伊織も警戒する。
排水口や壁の隙間からわさわさと面白いくらい現れた。台所を埋め尽くしていく。
大輔「台所の悪魔か…」
ブイモン[因みに風呂場にも現れるよな。喰らえ!!ゴキ○リバスターーーーッ!!!!]
ブイモンはどこかから変な筒のような物を取り出し、中に水やら薬剤を入れると口元をハンカチで押さえる。
筒からモクモクと煙が出て来て、うちわで煙をゴキモンにやるとゴキモンがバタバタと倒れていく。
ワームモン[ブイモン…ゲホゲホ!!何それ?]
ブイモン[商品名、ゴキ○リバスター。名前の通りゴキ○リ殺虫に特化した殺虫剤。この前向こうの通販で買った。]
賢「へえ…向こうの通信販売であったノミ&ダニバスターの派生品?」
ブイモン[そうらしい]
賢「効果抜群だな。今度買って使ってみるとしよう」
昇天(気絶)したゴキモン達を見遣り、ゴキ○リバスターの威力に感心しながら呟いた。
大輔「とにかく、逃げる…」
今度はスナイモンの大群。
大輔「前にブイモン、外まで吹き飛ばすぞ。デジメンタルアップ」
ブイモン[ブイモンアーマー進化!熱き愛情!セトモン!!]
伊織「愛情…?」
大輔「全員目を閉じろ、セトモン」
セトモン[グオオオ…ヒート…ストーム!!]
凄まじい熱気の嵐が、スナイモンを巻き込み、スナイモンをギガハウスの外まで吹き飛ばしていく。
大輔「でかした。戻れ」
ブイモンが愛情のデジメンタルでアーマー進化したセトモンは、暴走の危険性があるため、理性を保てる数分間しか使えない。
伊織「大輔さん、どうして愛情のデジメンタルを…?」
大輔「それはお前が生き延びるのに必要なことか?」
伊織「え?」
大輔「俺はお前に話すつもりはない。俺はただ協力しているだけであって、お前の仲間じゃないんでな」
伊織「大輔さん。でも…。」
ヒカリ「伊織君」
言い募る伊織をヒカリが止める。
止められるとは思っていなかった伊織は目を見開き、ヒカリの行動は大輔も目を見開いた。
ヒカリ「伊織君は光子郎さんの知識の紋章を受け継いだ。だからどうして本宮君が京さんが持っているはずの、愛情のデジメンタルを使えるのかを知りたいという気持ちは凄く分かる。でも、本宮君は好意で私達に協力してくれているの。本当ならとっくの昔に見捨てられている私達を」
大輔「八神……」
伊織「ヒカリさん…」
ヒカリ「本宮君を信じようよ。ね?」
決別してなお、助けてくれた彼を。
自分は信じたい。
大輔「………いずれ」
ヒカリ「え?」
大輔「いずれ…教えてやるよ」
賢「大輔…」
ヒカリ「…いいの?」
大輔「聞きたくないならいい」
ヒカリ「う、ううん…ありがとう…」
少しだけ、自分のことを認めてくれたんだろうか?
気付かれないように笑みを浮かべる。
賢「若いね…」
ワームモン[賢ちゃん…]
ブイモン[爺臭いぞお前]
賢「失礼だね。さあ、ワームモン。進化だ」
ワームモン[うん]






























しばらく移動するとあまり使われていない洗濯機の真上から、蜘蛛か蓑虫のように糸を引いて芋虫のようなデジモンが降って来た。
同じ昆虫型でもワームモンとは似ても似つかない、あのフライモンと酷似した顔をしているクネモンだ。
大輔「クネモンか…」
ネフェルティモン[任せて!!]
ヒカリを乗せたままクネモンに向かっていくネフェルティモン。
彼らは相手が成熟期相当の相手でも全く怯まず、口から電撃を吐き出した。
ネフェルティモンとヒカリは電撃を受け、洗濯機に落下した。伊織「ヒカリさん!!」
二人は渦を巻く水の中に呑まれた。
大輔「デジメンタルアップ」
ブイモン[ブイモンアーマー進化!深海の誠実!デプスモン!!]
大輔「…世話の焼ける」
電源ボタンを踏み、洗濯機の中に飛び込む。
デプスモンがネフェルティモンを助け、大輔がヒカリを助けた。






























大輔達はタンスの中に移動していた。
大輔「タオルもあるし、ここなら大丈夫だな。テイルモン、八神の服を脱がせ」
全員【!!?】
伊織「だ、大輔さん!?ヒ、ヒカリさんに何を!!?」
爆弾発言に伊織が慌てふためく。
大輔「何慌ててやがる。このままだと風邪を引くから身体を拭いて、暖めろって言ってんだ…八神は昔は病弱だったんだからな」
テイルモン[あ…]
そういえばそうであった。
前のデジタルワールドの冒険でも風邪をひいて倒れた。
気付かなかったことに反省しながらテイルモンは大輔達がタンスから出て来たのを確かめると、服を脱がせ始めた。






























ヒカリ「う…ん…」
テイルモン[大丈夫、ヒカリ?]
ヒカリ「テイルモン……え?…きゃああああ!!?」
起き上がると、自分が一糸纏わぬ姿になっていることに気付き、タオルで隠した。
テイルモン[落ち着くんだヒカリ。クネモンの攻撃を受けて洗濯機に落ちた私達を大輔とブイモンが助けてくれた。今、大輔が見張りをして、エクスブイモン達が原因を探りに行ってる]
ヒカリ「本宮…君が…」
いきなり迷惑をかけてしまったことに俯くヒカリ。
テイルモン[ヒカリ…その…]
落ち込むパートナーに何と言うべきか悩み始めた時。
大輔「おい」
大輔がタンスの中に入って来た。
ヒカリ「っ…!?も、本宮君!!?」
大輔「何慌ててんだ」
必死にタオルで身体を隠すヒカリに対して大輔は平静。
大輔「テイルモンから聞いたと思うけどエクスブイモンと賢と伊織達は原因を探りに行った…しばらくすれば戻る」
ヒカリ「そ、そう…」
ヒカリはチラリと壁?に背を預けて目を閉じている大輔を見遣る。
よく見れば目の下に隈が出来ている眠れてないのだろうか?
大輔「そろそろ終わってもいい頃何だけど…遅いな」
ヒカリ「え?あ、うん…そうだね…」
大輔「服も乾いたんじゃないか?そろそろ着ろよ」
ヒカリ「う、うん…み、見ないでね…?」
大輔「はいはい」
大輔が見ていないのを確認するとヒカリは急いで服を着た。
今日はあの女のおかげで最悪な一日かもしれない。































ヒカリ「い、いいよ…?」
大輔「じゃあ行くか…」
その時である…。
賢と伊織が急いでタンスの中に入って来たのは。
そしてエクスブイモンが落下し、ブイモンがタンスの中に入って来たのは。
そして凄まじい振動と共にタンスの棚が閉じてしまったのは。
大輔「…何があった?」
賢「実は…」
賢から説明を受けた大輔は呆れたように溜め息を吐いた。
あの女の元まで近づいたのはいいのだが、フルートによってスティングモンが操られ、フルートによって操っていることに気づいたのはいいが、伊織がディグモンにアーマー進化させてしまい、結果としてディグモンも操られてしまったと。
大輔「それで、今はこういう現状になってしまっていると?」
賢「すまない、不覚をとってしまった…」
大輔「気にすんな、相手がスティングモンとディグモンなら何とかなるだろう。二体を強制的に退化させる。」
ヒカリ「それって…」
大輔「ダメージを与えて退化させるだけだ。別に殺しはしない。それにディグモンを退化させればもう操られることもないだろ」
伊織「でも…」
大輔「ずっとディグモンを失ったままでいいのなら別に構わないぜ?」
伊織「…………」
大輔「いい加減甘ったれてるんじゃねえ。殺らなきゃこっちが殺られるんだ…ブイモン、やれるか?」
ブイモン[その前に]
大輔「その前に?」
ブイモン[何か食わして~…]
腹を空かした音を鳴らしながら、ブイモンは崩れ落ちた。
ヒカリ「あ…キャンディーあるけど食べる?」
ブイモン[食う!!]
賢「僕は…あ、ブロック栄養食があった…プレーン味だけどどうぞ」
大輔「すまねえな。ほらチョコだ。食え」
ブイモン[うん、美味い!!]
瞬く間に菓子を食い尽くしたブイモン。
大輔「んじゃ、行くか?デジメンタルアップ!!」
ブイモン[ブイモンアーマー進化!運命の咆哮!ゴールドブイドラモン!!]
伊織「ゴールドブイドラモン…!!?」
ヒカリ「あれもアーマー進化なの…?でも本宮君と一乗寺君以外の紋章なんて…」
賢「とにかく、今は脱出しよう。大輔、頼む」
大輔『ああ』
融合した大輔が返事を返す。
ゴールドブイドラモン[ブイブレスアロー!!]
ディグモンがタンスを削っているであろう場所に必殺技を繰り出した。
完全に虚を突かれたディグモンは吹き飛ばされた。
同じアーマー体とはいえ、ゴールドブイドラモンはパワーだけならパイルドラモンイクスすら上回る。
その必殺技を受けたディグモンは一撃で退化した。
大輔『八神、テイルモン。スティングモンの相手を頼む。あの女は?』
賢「あの、通気ダクトの中だ」
大輔『ほ~う?』
ギロリと通気ダクトを見遣るゴールドブイドラモンと大輔。
睨み据えられた女が思わずたじろいだ。
ゴールドブイドラモン[あいつを倒せば!!]
一気に跳躍して女の方に向かう。
「くっ!!」
ゴールドブイドラモン[カッターシュート!!]
風の刃が女に向けて放たれた。
フルートは破壊したが、女は攻撃をかわし、無傷。
そして通気ダクトから床に着地した。
スティングモン[僕は一体…?]
賢「正気に戻ったかスティングモン」
スティングモンも正気に戻ったのを確認すると、大輔は女に視線を戻す。
大輔『この高さから落ちて平然としているなんて、てめえ人間じゃねえな?』
「ええその通り、私は……」
女の輪郭が言葉と共によじれ、歪み、その本性を現した。
大輔『蜘蛛…』
[アルケニモンさぁ!!]
大輔『今までは擬態だったってことか』
アルケニモン[そうよ。あたしの正体が見られて、アンタ達幸せなのかしら?それとも…不幸なのかしら?]
賢「どういうことだ?」
アルケニモン[この姿のあたしに勝てるわけが無いって事さ!!スパイダースレッド!!]
ゴールドブイドラモン[この程度で!!]
スティングモン[スティングモン超進化!ジュエルビーモン!!スパイクバスター!!]
槍による衝撃波でアルケニモンの糸を無力化した。
ヒカリ「あれがスティングモンの完全体…」
伊織「ジョグレス進化や超進化まで…何であいつだけ…」
不満そうにジュエルビーモンと融合している賢を見る伊織。
ゴールドブイドラモン[どうする?いくらお前でも完全体相当の俺と完全体のジュエルビーモンを同時に相手取れるとは思えないが?]
アルケニモン[ふん、確かにアタシだけじゃ無理だ。けどね、アタシが何の対策も講じてないと思ってんのかい?マミーモン!!]
マミーモン[おう!!]
マミーモンと呼ばれたミイラのようなデジモンがこちらに銃を構えている。
ゴールドブイドラモン[成る程、じゃあこっちも本気でいかないとな]
ジュエルビーモン[ここで仕留めてやる。覚悟するんだな!!]
アルケニモン[覚悟?それはこっちの台詞さ!!スパイダースレッド!!]
マミーモン[スネークバンテージ!!]
ゴールドブイドラモン[カッターシュート!!]
ジュエルビーモン[スパイククロー!!]
四体の技がぶつかり合う。
完全体、もしくはそれに相当する者同士の激突は凄まじく、成熟期では近づくことも出来ない。
ゴールドブイドラモン[思ってたよりやるじゃないか。]
マミーモン[馬鹿にしていると痛い目に遭うぜ!!]
ジュエルビーモン[スパイクバスター!!]
アルケニモン[ひぃ!!?]
マミーモン[アルケニモン!!?]
衝撃波が掠ったアルケニモンの悲鳴に反応したマミーモン。
しかし、そんな隙を見逃す程、ゴールドブイドラモンは甘くない。
ゴールドブイドラモン[よそ見とは余裕だな!!]
鳩尾に渾身の正拳を繰り出す。
まともに喰らったマミーモンが吹き飛ぶ。
大輔『そろそろ時間だ…パイルドラモンイクスに進化だ!!』
ブイモン[ブイモン超進化!パイルドラモンイクス!!]
マミーモン[ああ!!?ずりぃぞ、完全体に進化するなんてよ!!]
パイルドラモンイクス[何を言う。ダークタワーさえあればいくらでもデジモンを作り出せるお前達の方がずるいと思うけどな]
マミーモン[あ、それもそうか]
アルケニモン[納得してる場合かい!!逃げるよ!!]
流石に空戦能力を持った完全体二体を相手にするのは厳しいと考えたのか、アルケニモンとマミーモンが撤退しようとする。
パイルドラモンイクス[逃がすか!!]
アルケニモン[アシッドミスト!!]
酸性の霧を口から吐き出し、目くらましをする。
その隙に逃げられてしまう。
大輔『やばいな、八神。京達に連絡してくれ』
ヒカリ「あ、うん」
フェイト達ならアルケニモンとマミーモンが相手でも持ちこたえられるはずだ。
勿論、自分達も追い掛けるが。






























そしてギガハウスの入り口付近でフェイト達と出くわすアルケニモン達。
フェイトとはやてのこめかみには青筋が浮かんでいた。
ゴキモンの大群に追われていた二人の怒りは最高潮に達していたのだ。
チビモン[チビモン超進化!エアロブイドラモン!!]
完全体に進化すると凄まじい怒りの視線を瞳に込めてアルケニモン達を見下す。
アルケニモン達は何とか脱出を図ろうとするが。
大輔『そうはいかないぜ、蜘蛛女…』
後ろから凄まじい怒気を放ちながら向かって来る大輔達。
賢『貴様らは…パートナーを洗脳しただけでは飽き足らず逃走まで図るとは…』
はやて「よくもあんな下手物デジモンを…今、うちはこれ以上にないってくらい怒ってるでえ…?」
マミーモン[ああ、いやあ…これにはちょっとした訳が…]
賢『“ちょっとした”だと?』
フェイト『訳?一体どんな訳で私達にゴキモンやドクグモンの大群を向かわせたのか是非とも聞きたいものだよ…』
マミーモン[ま、まず落ち着こうぜ!!落ち着いて話し合おう!!話し合えば分かるから!!なあ!!?]
大輔『問答無用だ!!さあ、今すぐくたばれえ!!』
ドカ!!バキ!!ゴキャ!!ズン!!ドゴオオオオン!!!!
パイルドラモンイクスのラッシュ攻撃とデスペラードブラスター。
ジュエルビーモンの連続蹴りからのスパイクバスター。
エアロブイドラモンの強烈なパンチからのVウィングブレード。
そして尻尾による一撃からのエキゾーストフレイム。
四体からの手加減なしの必殺技がアルケニモンとマミーモンに炸裂したのだった。 
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