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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  0888話

 中国の台湾侵攻。それに対して本来速やかに鎮圧行動に出るべき鉄原ハイヴの国連軍と大東亜連合は、それを阻止する為に誘き出した重慶ハイヴのBETAへの対処で手が出せず、中国軍の戦車や戦術機は泉州市近くにある港で台湾に向かう戦術機母艦へと戦術機を積み込んでいるところだった。
 中国の計算通りに進めば、このまま鉄原ハイヴの戦力がBETAと戦っている間に素早く台湾を占領する。……といったところなのだろう。
 勿論国連軍やアメリカ軍には鉄原ハイヴに配備している以外の戦力もある。それと正面から戦えば負けるだろうが……そもそも、電撃戦を行う以上はそれらの戦力は間に合わないという計算だったと思われる。
 そうして実際に間に合っていないのだから、中国でも今回の戦術を考えた者はそれなりに有能だったのだろう。……出来ればその有能さはBETA相手に発揮して欲しかったが。
 いや、そもそもシャドウミラーという戦力を計算に入れないで戦術を立てていたり、BETAを使った件で台湾占領が上手くいっても国際的に孤立するのは間違いない以上、必ずしも有能とは言えないか?
 あるいは、シャドウミラーが出てくる事は無いという希望的観測に縋っていたのか。
 ともあれ……

「全機、準備はいいな? 向こうに転移が完了したら即座に攻撃だ。ただし、パイロットは極力生かして捕らえろ。戦術機のパイロットは貴重らしいからな」
『了解』

 俺の言葉に、全員の了解の声が聞こえてくる。
 それを聞きながら、改めて口を開く。

「特にスティングとアウル。お前達にとっては、これが初陣だ。出来れば人間相手じゃなくてBETA相手で初陣を迎えさせたがったが……」
『へっ、大丈夫だよ。この世界の戦術機ってのはリオンよりも性能が低いんだろ? 殺さないようにするってのはちょっと難しいかもしれないけど、何とかなるって。こう見えても最近じゃそれなりに腕が上がってるんだし』

 アウルが笑みを浮かべつつそう告げる。
 腕が上がっているというのは知っているが、それでもまだ量産型Wに負け越している程度の技量しか無い。
 いやまぁ、量産型Wがその辺のエースよりも余程に腕が上だってのは知ってるから、ベテランパイロットくらいの腕にはなっているんだろうが。

「……スティング、アウルのお守りを頼んだぞ」
『なっ、ちょっ、アクセル!?』
『はいはい。分かってるよ。アウルは死なせないから、アクセルは自分のやるべき事に集中してくれ』

 スティングが軽い調子で言葉を返してくる。
 こうして見ると、やっぱりスティングはアウルの……そしてステラの兄貴分なんだよな。
 実際に操縦技術に関してもスティングの方が若干上だし。

「よし、中国軍の主戦力は殲撃10型。典型的な第2世代戦術機だ。3年前に正式採用された機体だけに、戦術機の中ではそれなりの性能を持つが、あくまでも戦術機は戦術機でしかない。くれぐれも間違って撃破したりしないように気をつけろよ。それと鉄原ハイヴの方にはシャドウとメギロート、イルメヤを搭載したニヴルヘイムを送っているから、心配はいらない」

 そう告げ、転移区画からマブラヴ世界のオーストラリアへ。そしてオーストラリアにあるシャドウミラーの基地から泉州市の港近くへと転移が完了する。
 目の前には、無数の中国人とその中国人達が動かしている戦術機トレーラーや、戦車、あるいは歩兵が存在している。そして中国軍が向かっている先にあるのは複数の戦術機空母。
 中国軍は、光の繭を光らせて突然転移してきた俺達の姿にただただ呆然としているしかない。
 それを見ながら、俺はオープンチャンネルを開けて意図的に中国軍へと通信を聞かせる。
 そう、自分達が誰と敵対したのかを思い起こさせる為に。そして、中国軍の士気をへし折る為に。

「シャドウミラー全軍、攻撃開始。中国軍の傲慢をこれ以上許すな。全ての兵器を破壊し、自らの愚かしさを教えてやれ。嘲笑する虐殺者、ニーズヘッグの名の下に!」

 ニーズヘッグの名の下にって言っても、実際は殺さないように命令してるんだけどな。
 だが、向こうの士気を低下させるのにわざわざ生かして捕らえろと言う訳にもいかない。だからこそ、戦場に転移してくる前にわざわざ命令を下したのだから。
 今回は早朝で、しかも緊急だということもあってこっちの戦力自体はそれ程多くない。
 メギロートやシャドウ、イルメヤを搭載したニヴルヘイムは鉄原ハイヴの方に援軍として向かわせている関係上、シロガネが指揮を執っている。
 それ以外にはいつもの幹部達と、今回が初陣のスティング、アウル。
 メギロート、イルメヤ、シャドウの3機種はいつも通りだ。
 特にイルメヤに関しては今回の作戦ではかなり期待している。
 今も、視界の先ではイルメヤの尾から放たれたスパイダーネットが戦術機を雁字搦めにして動けないようにし、あるいは戦車にも絡みついて動けなくなっているのだから。
 生け捕りにするという意味では、かなり便利な性能なんだよな。
 シャドウはビームガトリング砲が戦術機の頭部や手足を吹き飛ばし、あるいはプラズマ・バックラーで手足を吹き飛ばしてダルマ状態にしていく。
 メギロートに至っては、円形のサークル・レーザーを放って1度の攻撃で戦術機の四肢と頭部を纏めて吹き飛ばし、あるいはMSのシールドでさえ噛み千切る歯で戦術機の手足を噛み砕く。
 勿論無人機だけではない。幹部の機体もそれぞれがコックピットを外すようにして攻撃が行われ、四肢を破壊して身動き出来ない状態にする。
 もっとも、機体性能……より正確には武器の性能の違いで思い切り手加減する必要が出来ているが。
 そんな中……

「ファントムッ!」

 ヒュドラから放たれていく計48基のファントム。
 普段ならファントムの攻撃を一点に集中させて威力を増しているのだが、相手が戦術機とあってはファントム1発から放たれるビームでも容易に致命的なダメージとなりうる。
 それ故にビーム弾ではなくビームソードを展開、更には意図的にビームの出力を下げる事により殲撃10型の四肢を切断し、武器が別個に稼働するジャンプユニットを破壊して、頭部を切断していく。
 その衝撃で機体の脱出装置が働いたのだろう。俺が攻撃した殲撃10型だけではなく、他の機体に撃破された殲撃10型からもパイロットに逃げ出しているのが見える。
 ……と言うか、本当に我先に逃げ出しているな。仲間を助けるとか、そういうのは一切考えないで、自分が助かればそれでいいという感じだ。
 この辺、兵士は自分の命に正直であり、同時に半ば暴走しているとしか思えない共産党指導部には付き合っていられないって事なんだろう。
 戦術機1機につき、ファントムが4基から5基程。それだけの数をT-LINKシステムにより操作して、胴体だけのダルマを作り上げていく。
 それでも、さすがに人数の多い中国軍と言うべきか戦術機の数は中々底をつかない……ん?
 ふと中国軍の戦艦のうち何隻かがこちらに砲塔を向けているのに気が付く。
 ちっ、馬鹿が。戦艦の類は高価だから、あまり壊したくないってのに。

「マリュー、敵戦艦が砲撃の用意に入っている。防げ!」
『了解』

 ある意味ではシロガネを犠牲にしろと言ったような、そんな命令。
 だが、それでもマリューは何の躊躇も無くシロガネを海上からこちらを狙っている戦艦の射線軸上に移動させ……
 ドンッ、という腹の底に響くような発射音が放たれる。
 戦艦から放たれた弾丸は、その全てがシロガネの横腹へと向かう。
 あるいは、中国軍の戦艦の艦長達は勝利を確信したかもしれない。
 何しろ、シャドウミラーの旗艦が自ら攻撃に当たりに来たのだから。
 ……だが、放たれた砲弾はシロガネの横腹どころか、装甲にすら傷1つ付けることが出来ない。
 忘れていたのだろう。シロガネが幾重ものバリアによって守られている事を。
 重光線級のレーザーを集中攻撃されてもその全てを無傷で防ぎきった事を。
 そして反撃とばかりにシロガネからはスパイダーネットやウェポンブレイカー、チャフグレネードといった、攻撃力が限定されているものが放たれては中国海軍の戦艦の砲塔を破壊していく。

「ここまで脆いとは……哀れだな」

 バリアの類が充実している幹部の機体やシャドウ以外の、メギロートやイルメヤですら撃破された機体は存在していない。中国軍としての力量が低いのか、BETAとは全く関係の無い台湾を攻撃するように命じられている為に士気が低いのか。
 出来れば後者であって欲しいところだ。
 そんな風に考えつつ、そろそろ敵の士気も落ちてきただろうと判断して、ファントムをヒュドラに戻してから外部スピーカーのスイッチを入れる。

「こちらシャドウミラー代表、アクセル・アルマーだ。警告する。既にお前達に勝ち目は無い。大人しく降伏しろ。戦術機のパイロットは機体から降りて地面に跪いて両手を頭の上に。戦車のパイロット、強化外骨格を着ている者、歩兵も全てだ」

 それだけを告げ、外部スピーカーのスイッチを切る。
 すると、その放送を聞いた者達の中でも何人かの歩兵が前に出て両手を頭の上で組みながら跪く。
 その歩兵に量産型Wが近寄っていき、武装解除をしてから引き連れて移動する。
 降伏すれば自分達が死ぬようなことはないと判断したのだろう。続けて2人、3人……そうして雪崩れ込むように多くの軍人が降伏していく。
 戦術機や戦車、強化外骨格といったものを使っていた兵士達も例外ではない。慌てて地上に降りてきて降伏しているのを見ながら……
 不意に、その中の1人が地面へと倒れる。
 躓いたとかそういうのではない。その証拠に倒れながら脇腹を押さえていたのだから。
 同時に、その脇腹から流れているのは真っ赤な血。

「量産型W、排除しろ」

 それをやったのが誰なのかというのは、明らかだった。
 倒れた兵士から少し離れた場所にいる強化外骨格を身に纏った兵士。
 ……いや、ただの兵士ではなくて士官か?
 ともあれ、その強化外骨格の手に握られている銃の銃口が降伏した兵士に向けられていたのだから。
 俺の命令を聞き、量産型Wは即座に動き出す。
 人間とは思えない程の速度で強化外骨格へと近寄って――そもそも人間では無いのだが――至近距離から持っていたサブマシンガンを放つ。
 強化外骨格だけに1発や2発では効果が無かったのだが、それでも至近距離で連射され続ければその防御力を突破するのは難しくなかったらしい。
 サブマシンガンを撃っている量産型Wを阻止しようと、別の強化外骨格が近寄ってくるが……そっちは数人の量産型Wによって肉弾戦でボコボコにされている。
 確かに生身の人間であれば強化外骨格をどうにか出来る筈が無いんだが、レモンの技術が結集された量産型Wだしな。
 寧ろ量産型Wで良かったと言うべきだろう。
 俺達幹部の場合は魔法とかを使えるし、エヴァとの戦闘訓練もあって、普通に生身でBETAとでもある程度はやり合える実力を持っているからな。
 ともあれ、強化外骨格の集団も量産型Wや、あるいはイルメヤのスパイダーネットで身動きが出来ないように雁字搦めにされて鎮圧される。

「……よし。捕虜に攻撃を行う相手に対する攻撃は許可する」

 量産型Wに命令を出し……結局それ以降は特に捕虜に対して攻撃をする者もいなく、中国軍そのものも戦術機で俺達に対して攻撃しても無駄だと判断したのか、大人しく降伏していく。
 唯一戦艦だけは最後まで抗う様子を見せていたが、ブリッジの真横をT.T.キャノンのビームで撃ち抜き、同時にファントムでブリッジを囲んでやったら大人しく降伏してきた。
 こうして、台湾に対して攻撃する為の中国軍は、戦艦や戦術機母艦を除いて海に出る事も出来ずに全面降伏し、戦いは終わるのだった。





 中国での戦いが終わってから10日程。俺の姿は日本にあった。
 中国に関しては、未だにその処遇で色々と揉めている。
 まず中国共産党上層部は、統一中華戦線が行ったあの声明に関しては自分達は全く与り知らぬ事であり、台湾に対して攻め込んだのも軍部の暴走であるという態度を崩していない。
 なら台湾に対して向けた宣戦布告の声明は何だったのかと言えば、一部政治家の暴走とか何とか。
 当然そんな事が他の国々に容認される筈もなく、意図的に重慶ハイヴのBETAを誘き出した件もあり、現在の中国共産党上層部は第3者的な立場という事で、シャドウミラーから派遣された量産型Wがつきっきりで監視している。
 ……ようは、SEED世界のロゴスと同じような立場になった訳だな。
 で、その間に今後の中国をどうするかをこの世界の者達で決めようとしている。
 だが、そこで当然の如く揉めに揉めた。
 まず真っ先に名乗り出たのはソ連。同じ社会主義国家であり、自分達が治めれば混乱は少ないと主張している。
 次に当然の如くアメリカ。国力に最も余裕がある自分達こそが中国を庇護に置くのに相応しいと主張している。
 そして韓国。鉄原ハイヴが理由でこのような騒動が起きたのだから、自分達が責任を取る。もし自分達の要望が叶うのなら大東亜連合を抜けてもいいとまで言っているが……これに関しては世界中から溜息と嘲笑を持って迎えられている。
 今回の騒動の発端となった台湾については、2度と中国共産党と関わるのはごめんだとばかりに何も言っていない。まぁ、シャドウミラーとの貿易が以前よりも活発になったので満足してるんだろう。BETAの死体を使った取引に関しても、その立地上無くなるという事はないし。
 そして、最後の1国が……

「やあ、アクセル。遠いところを良く来てくれたね」

 目の前にいる、俺を出迎えた斑鳩崇継が所属する日本帝国だった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:55
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1120 
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