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暁の舞R

作者:shoogel
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四大玉

 
前書き
アレクセイとの特訓を始めた赤虎
力を付けることが出来るのか…? 

 
「ん、ん…それでは特訓を開始するぞ」

「本当に特訓だろうな?またナンパの練習だったら笑えないぞ」

「まぁ次はちゃんとした特訓だ」

「頼むぜ…、それで何をすればいいんだ?」

「お前にはこれを渡そう」

そうアレクセイは告げると俺に4つの玉を見せた。

「綺麗な玉だな…何で俺に?」

「お前には何か底知れない力を感じる…」

「でも俺は現にまだ弱い……」

俺は拳を強く握り締め呟く。

「最初から強い奴なんか居ないさ」

「アレクセイもだったのか?」

「勿論だ。俺にも守りたいものがあった。そいつのお陰で今の俺がある」

「で、さっきの4つの玉はなんなんだ?」

「その玉は火、水、風、地を司る玉だ」

「火、水、風、地と言うと四大元素か…」

「その通りだ。この玉は持ち主に応じて力を発生させる、そしてその力を持ち主に与える事で持ち主の身体能力を向上させてくれると言うものだ」

「凄いな……、でも何でそんなものをアレクセイが持っているんだ?」

「……………俺が守れなかった奴に貰ったのさ…」

「……!すまない言いたく無かったよな…」

「気にするな…、その四大玉(しだいだま)は使うのはかなり困難だ。俺ですら火、風の二つの力しか使えない」

「条件みたいなのが存在するのか?」

「どうだろうな……でも俺が力を発動させた時は2回とも戦闘中だったな」

「ならあのナンは大地を操って居たけど、ナンは地の玉を持っていたのか?」

「かも知れないし、そうじゃ無いかも知れないな…、本人は死んだし聞きようがないさ」

「だな、時間が惜しい。アレクセイ教えてくれ!」

「ああ、それじゃあ改めて始めようか」


俺の特訓は一週間にも及んだ。
その間にも渚は目を覚まし、回復に向かっていた。
俺はアレクセイのアドバイスなどもあり
アレクセイの技や新技を習得することが出来た。
しかし四大玉の力を引き出す事は未だに出来ていなかった。

「こい赤虎!」

「行くぜ!」

キィン キィン とアレクセイは俺が斬りかかると
次々弾き返しアドバイスを付け加える。

「ほらほらその踏み込みじゃ刀に力が入らないぞ」

「こうか!せぇぇい!!」

「おっ!いい感じだ!その調子で反復練習だ!」

ここ2日俺は基礎となる動きの反復練習を行っている。

「よし今日はここまでだ、お疲れ」

「ふぅ…絶対アレクセイ疲れてないよな」

「いやいや俺も年だからね…疲れた疲れた…」

「……あんたまだ28だろ?」

「28も立派なおじさんだって」

「んじゃ俺もあと10年でおじさんか…なんか悲しいな…」

俺たちはたわいない会話をしながら
渚がいる宿に向かった。

「ただいま渚。体調はどうだ?」

「あ、おかえり赤虎!体調は良好だよ!」

「それは良かった、でも無茶はするなよ」

「わかってるよ、もう歩けるし明日には出発しようよ!」

「ああわかった。アレクセイはどうする?」

「俺は、もうちょっとガイン村に残る」

「そうかならまた一時お別れだな」

「寂しいのか、ナンパ仲間が減るから」

「な、ナンパ仲間って!何言ってんだよ!渚これは誤解だからな!」

「ナンパ?赤虎どういう事かな………?」

「違う!違うって!誤解だってばぁぁぁぁ…………」

この後、渚にいろいろ追求されたのは言うまでも無い。


「で、ガイン村を出たらどこに行くの?」

「次はプレスト街に行こうと思う。そこに着いたらカナルミまでは3日くらいだな」

「了解、それじゃ明日は早そうだし、あたしは先に寝るね」

「ああ、おやすみ」

俺は渚にそう言った後、俺も自分の部屋に戻り寝床に入ったのだった。

「それじゃ気をつけろよ、二人とも」

「ああまた宿代悪いな」

「全くだ、俺の財布が泣いてるぜ」

「ふふ、すみませんアレクセイさん」

「なあに、期待の若人に投資しただけのことさ」

「金は帰って来ないぞ」

「マジか…………」

「女将さんもありがとうございました」

「嬢ちゃんが良くなって良かったよ、気を付けて行っておいで」

「はいお世話になりました!」

「じゃあ行こうか、渚」

「うん!」

俺たちはアレクセイと女将さんに軽く手を振って
ガイン村をあとにした。

「アレクセイには感謝だな」

「うんそうだね、他人だったあたし達を二回も助けてくれたからね」

「ああ、それにこれもくれたし」

俺はそう言うと四大玉を手に持った。

「それが四大玉?綺麗だね」

「これを使いこなせれば大切なものを守れる」

「大切なもの?」

「えっ?あ、ああ大切なものはつまり………」

俺は渚を見る。

「あわわ……あ、あたし!?」

「……ああ次は守ってやるからな」

「…………うん」

「なんか恥ずかしいな……」

「うん、でも……」

「でも……?」

「誰かに想われるって嬉しいね!」

「ああ、そうだな!」

俺たちは二人横になって歩きながら
プレスト街に向けて足を進めた。 
 

 
後書き
赤虎「うーーん」
渚「どうしたの?」
赤虎「これを見てくれ
渚「これって……!?」
赤虎「ああ!犬の糞だ」 
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