『八神はやて』は舞い降りた
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第4章 戦争と平和
第34話 よろしい、ならば戦争だ
前書き
・お待たせしました。次はもっと早く更新できます。
禍の団に入って晴れてテロリストに転職した。
学校に通いながらテロ活動とか斬新すぎると思う。
女子高生テロリストとかかっこよくない? って聞いたらみんなに渋い顔された。
キャッチフレーズは「テロリストはじめました」
魔法の呪文は「リリカル・トカレフ・キルゼムオール」。
必殺技はもちろん「エターナルフォースブリザード」
闇の波動に目覚めし超絶美少女†漆黒の大魔導師ハヤテ☆ヤガミ†が選ばれしテロリストとして覚醒し、前世からの因縁を絶つため、人間に害をなす天使・堕天使・悪魔どもと戦うのだ。
どうだ、かっこいいだろう? なぜこのカッコよさが皆に伝わらないのか不思議である。
く、沈まれボクの右腕。あ、ちなみにラスボスは白い魔王NANOHAさん。
「創作活動こそが英語表現の向上へとつながるのです」
と、思考を逃避してきたが、目の前には工作用粘土。今日は授業参観の日である。
もう一度いうが目の前には粘土がある。いまは英語の授業である。現実は無常だった。
ボクを含めた生徒全員が、えー、って顔をしているが教師は聞く耳をもたないらしい。
振り向くと、八神家一同が揃っている。
凛々しいシグナム、美人なリインフォース、若奥様風のシャマル、ロリのヴィータ。
男性陣の目を見事に釘づけにしている。ボクんのだからやらんよ。
犬耳しっぽを隠したザフィーラもイケメン風を吹かせていた。
「お、お姉さま……何を作ってらっしゃるのですか?」
「ん? 見て分からないかい?」
粘土で作品を作っていると、隣の女生徒から声をかけられる。
ほとんど完成しているので、みればわかると思ったのだが……。
「えっと、地獄……?」
「あはは、面白い冗談を言うね。これは『家族で仲良くプール日和』だよ。なかなかよくできているだろう? 自信作なんだ」
「そ、そうですわね」
(なあ、リインフォース。あたしには「血の池地獄で苦しむ亡者の群れ」にしかみえないんだが。あたしがおかしいのか?)
(安心しろ、鉄槌の騎士。私にも地獄絵図にしかみえない)
(あらあら、素晴らしい作品ね。愛憎もつれる家族の絆がよく表現されているわ!)
(シャマル!?)
無言で粘土をこねるという英語授業にあるまじき光景が続く。
授業も半ばを大分過ぎたころ、完成した作品群を品評することになった。
ボクの番になったので「日ごろからお世話になっている大好きな家族との絆を表現してみました」といって紹介した。
なぜか、教室が沈黙に包まれた。ひそひそ話が聞こえる。
なかなか前衛的作品……私たちの理解に及びません。
お、お姉さまも人間ですもの、完璧じゃなくて当然ですわ。
少しくらい欠点があったほうがいいですよね。
ひょっとして家族仲がよくないのかしら。
さすがですお姉さま。
……などなど。褒められているのかけなされているのかイマイチわからん。
教師にも曖昧に笑いながらスルーされた。なぜだ!?
「これは、なんと! なんと、素晴らしい作品ですか!」
突如、英語教師の声が響き渡った。
自分の作品をみながら悦に浸っていたので、あわてて声のした方に目をやる。
彼が持つ手には、裸婦像があった。その作者はもちろん――。
「兵藤君」
おもわずつぶやく。なおも教師は兵藤一誠の裸婦像をべた褒めしていた。
裸婦像と聞くと聞こえが悪いが、周りの生徒にも非難の視線は一切なかった。
それほどまでに完成された作品だったのだ。
さながらミロのヴィーナスのようなギリシャの彫刻を彷彿とさせる、美とエロス兼ね備えていた。周囲の評価に耳を向けてみる。
ただの、変態エロ野郎だと思っていたのに。
裸婦像って確かにエロだけど、芸術作品としてみればすごいわ。
最近の兵藤君ってかっこよくない?
あーわかるわかる。変態じゃなくなったっていうか。
松田・元浜とエロ活動してないよね。
ぶっちゃけ、かっこよくなってない?
――評判は上々のようだ。
龍は女を惹き付けるという。が、それだけではない。
彼なりの血と汗と涙の結晶なのである。
強いて言えば、彼はエロと引き換えに力を得た、それだけのこと。
代償としたエロの力が強大すぎたともいえる。エロは偉大だ。
原作では才能のなさをエロの力で補い、ハイパーインフレする世界で戦い続けた。
そりゃあ、そのエロパワーを犠牲にすればあらゆる面で強くもなる……のかな?
まあ、だいたいボクのせいなんだけどね。
「はいはい、通行の邪魔になっています。人ごみを作らないで動いた動いた。そこのお姉さんも何してんの!?」
そんなこんなで無事? 授業が終わって家族と散策していると、ひときわ目立つ人ごみを発見した。
手に手にカメラをもち、何かを撮影している。
必死な面持ちで男子生徒会員が誘導している。たしか匙とかいったかな。
これはもしかして……と思い覗くと、案の定そこには魔女っ娘(笑)がいた。
ピンクのフリルのついたミニスカートに丈の短いワンピース、ハイソックスで絶対領域を形成している。しかも、へそ出しルックである。
ピンクのステッキをくるくる回して愛想を振りまいている。
申し訳程度に白いチュニックを羽織っているこの彼女こそ現四大魔王が一人、セラフォルー・レヴィアタン。そして生徒会長ソーナ・シトリーの――。
「何の騒ぎですか! 晴れの授業参観の日だというのに。そこの貴女も何とか言って―――。ってお姉さま!?」
「やっほー☆ソーナちゃん! こうして撮影界していれば会えると思ったんだ、てへっ☆」
実の姉である。こんな痴女を姉にもって大変だな、と心底同情してしまう。
周囲もどよめく。この痴女は、真面目一直な生徒会用のイメージにそぐわないからだろう。
それにしてもこの痴女をみるとイライラしてくる。さっきからイライラが止まらない。
理由は分かっている。罪状、魔法少女。BBA許すまじ。
魔法少女に関してボクは並々なる信念を持っている。
八神はやてになってから、魔法少女になったつもりでいた。
だが、それは勘違いであったことに、あるとき気づいたのだ。
そのきっかけを作ってくれたマイソウルフレンドとともに真の魔法少女になるべく旅を重ねたのだ。
ゼロとバカにされていた少女とともに世界征服してみたり(ハルケギニア統一戦争)。
魔法少女を絶望させる悪しきインキュベーターの母星を破壊してみたり(ソウルフレンドの戦闘力は53万を優に超えている)。
なんたらカードを乱獲して、ふぇ~とかいう少女を泣かせてみたり(あざとさに戦慄)。
シュタインズゲートの選択をして世界線を飛んでみたり(同志キョーマは元気だろうか)
600万ドルの賞金首な真祖の吸血鬼少女と大恋愛してみたり(結婚しました)。
グランドラインで海賊相手に無双したり(悪魔の実ゲットだぜ)。
マイソウルフレンドと共に数々の苦悩を越えて、ようやく魔法少女の頂きへと至ったのだ。
魔法少女をファッション程度にしかとらえていない似非には我慢ならん。
ボク自身、魔法少女の一員として大きな糧となった旅路だった。
それでもソウルフレンドには全く敵わない。
カレイドルビー? 嫌な事件だったね。
いきり立つ心を鎮めながら、痴女をみやると、リアス・グレモリーたちと会話していた。
そのとき聞いてしまった。
曰く、レヴィヤたんは世界一の魔法少女だよ。
これは許せん。許すわけにはいかない。
友を差し置いて世界一? ふざかるな。コスプレ女め。
「BBA(ババア)無理スンナ」
◆
はやてが放った静かな一言で、その場は静寂に包まれた。
短い一言にそれだけ力が込められていたからである。
「えーっと、はやてちゃんかな? こんな美少女にBBAなんていっちゃだめだぞ☆ ぷんぷん」
「BBAにBBAといて何が悪い。よくそんな恥ずかしいコスプレでいられるね。魔法少女の何たるかがまったくわかっていない! 貴女には水底がお似合いだ」
「えー☆ レヴィアたんは魔法少女だよ。とーっても人気者なんだよ☆ よつ世界一!」
「よろしい、ならば戦争だ。ボクはそこの痴女に『魔法少女対決』を申し込む!」
「ちょ!? マスター!?」
リインフォースたちがびっくりしているが、ここは引けない。
セラフォル-は、痴女ってひどくない☆ といいつつ、受けて立つね☆、と応じた。
ノリノリのセラフォルーといつの間にか側にいた同じく四大魔王の一柱サーゼクス・ルシファーのおぜん立てにより、放課後のステージで対決することになってしまった。
こうしてのちに『駒王学園、夏の陣』と呼ばれる伝説の魔法少女対決が実施された。
◇
「おい、はやて。申し開きはあるか?」
すごんでくるのはヴィータ姉。
ロリだけど迫力満点である。ロリだけど。
でもね。ボクの気持ちはみんなも分かってくれるはずだ。
覚えているだろう? ソウルフレンドとともに旅した宝石のような日々を。
そしてつかんだ魔法少女の栄光を。
そう、ボクは無理だったが、友は真の魔法少女へと至ったのだ。
友のためにも負けるわけにはいかない!
「いや、まあはやての言い分も分かるよ。魔法少女修行の旅を経験した者としては」
「私も師匠を冒涜するようなあのような輩に対して思うところはあります」
だから、ヴィータたちも本気で責めることはしない。
みんな分かっているのだ。
あんなコスプレBBAを認めることは、魔法少女への冒涜だということを。
シグナムもやる気だね。だから、みんな協力してくれないか。
本気で魔法少女をやるから。
魔法少女リリカルはやて、はじまります!
◇
マジカル☆レヴィアたんになんと新ライバル登場か!?
熱い、熱い展開だわ! 戦いを経て親友となるルートね!(^◇^)
でもね。まったく、人のことをBBA呼ばわりとか失礼しちゃうわね。ぷんぷん。
「レディースアンドジェントルメーン! 今日は急きょ開催されることとなりました『駒王学園 魔法少女対決』にお越しいただき誠にありがとうございます。司会は生徒会役員匙元士郎と」
「クラスメイトの兵藤一誠です」
「2人と共通の知り合いということで、リアス・グレモリーよ」
「セラフォルーの同僚のサーゼクス・ルシファーだ。みんなよろしく。ちなみにリアスの兄だ」
イケメンのサーゼクスちゃんが付け加えた最後の一言に、きゃー、と黄色い悲鳴が鳴り響く。
男の子ばかりかと思ったケド、女の子の方が多いみたいね。(^^♪
はやてちゃんは、三大お姉さまなんだって! すごいね☆
本当はソーナちゃんにも司会をやってほしかったけれど、断られちゃった☆。
まったく、照れ屋さんなんだから。
おっと、私の名前が呼ばれたわね。いつもの魔法少女ルックで前にでるよー。
「はーい、魔法少女マジカル☆レヴィアたん、見・参! 貴女のハートを打ち抜いちゃうぞ☆」
きゃーきゃーと叫ばれる。慣れた光景だけれど、いつになってもこの光景は最高ね。
みなさい、はやてちゃん。この私の貫録を。
伊達に○○年生きてないんだぞ☆
あ、永遠の17歳だからそこは間違えちゃだめだゾ?
冥界に密かに広がる17歳教の教祖こそ、じつは私なのだ。ででーん。
さて、はやてちゃんはどうでるのかな?(^_-)-☆
「ひれ伏せ塵芥。我こそは闇統べる王、ロード・ディアーチェである!」
ちっちゃくなってるー|д゚)!?
後書き
・エヴァンジェリンは、結婚しました。相手は主人公ではありません。
・手に入れた悪魔の実はヒトヒトの実です。モデルはもちろん……。
・おっぱい成分のないハイスクールDDなんて、デスノートのないデスノートみたいなもんだよね。
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