転生とらぶる
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マブラヴ
0880話
日本で行った花見から一月程。京都辺りは今頃春から夏に変わりかけているくらいの季節に、国連からの連絡でオルタネイティヴ5がアメリカで開始されるというのを知らされた。
シャドウミラーは国連配下にある訳ではない以上、当然ながら今回の決議には参加していなかったが、各国を交渉をしているエザリアやレオン経由でその辺の情報に関しては既に手に入っていたので、特に驚きもせずにその報告を受け取る。
そもそも今回の決議で決定的な決め手となったのが、オウカやスティング、アウル達がギャンランドで行ってきた惑星調査の諸々のデータだ。さすがに現地の映像やら惑星から持ち帰った植物といった物を提出されれば、一時期バーナード星系で発見された惑星はタイミングの良さからアメリカが自国案を通す為のでっち上げだという噂をあっさりと一掃した。
……そこまではいい。オルタネイティヴ5はあくまでも日本で夕呼が行われているオルタネイティヴ4の予備計画という扱いなのだから。
だが……この話の最大の疑問点は、何故かアメリカが主導で発見した惑星に避難する為の宇宙船を作り始めたという事だ。
この世界の未熟な技術で1から宇宙船を作るよりも、俺達シャドウミラーを通してマクロス世界の宇宙船を購入するという手段を打診もせずに、だ。
当然そうなればフォールド技術やシステムXNのような転移技術は存在せず、通常のエンジンで何十年も掛けてその惑星へと向かう事になる。
あまりに馬鹿らしいその行動に疑問を持ってレオンに探らせたのだが……
ちなみにエザリアではなくレオンを使ったのは、純粋に適正の問題だ。裏の事情も込みでの情報収集となると、どうしてもエザリアよりもレオンの方が上なんだよな。
ともあれそれで情報を探ったのだが……出てきた答えに思わず頭を抱える事になった。
何しろ、自分達で宇宙船を建造するというのは軍需産業や他の関係企業の既得権益の問題だったのだから。
いや、確かにアメリカはこのマブラヴ世界の中で最大の人口を誇っている。同時に難民の数も多く、失業者が溢れているというのは分かる。
更に俺達シャドウミラーとの貿易も既にかなりの量が始まっており、色々な意味でアメリカ国内の企業がダメージを受けているのも事実だ。
それに対処する為にはある程度の仕事が必要となるのも理解は出来る。
……だからと言って、宇宙船建造を自分達だけでやるというのはあまりにあからさまじゃないか? 宇宙船建造に関わっている企業としては、宇宙での技術には自信があるのだろうが。
その気持ちは分かる。曲がりなりにもバーナード星系にある移住可能な惑星を発見したり、月に基地を作ったり、更にはSHADOWというBETAの着陸ユニット迎撃システムを作り上げたりもしたのだから。
あるいはフォールドシステム辺りは後で交渉して入手しようとしているのかもしれないが、それにしたって現在のオルタネイティヴ5は無茶があると言わざるを得なかった。
更にオルタネイティヴ5がもたらしたのはこれだけではない。
これまでもG弾については匂わせてきていたが、オルタネイティヴ5が決まった事で対BETA戦略の差が明確になってしまったのだ。
G弾でハイヴ先制攻撃を行い、その後戦術機で駄目押しをするアメリカと南アメリカ。
G弾が危険だと主張し、あくまでも戦術機をメインとしてBETAとの戦闘を行うカナダ、オセアニア、ユーラシア諸国。
俺達シャドウミラーとしても、オーストラリアに基地を構えており日本との親交が深い以上、当然後者だ。
そもそもG弾はこの世界の重力制御技術が非常に未熟なおかげで、かなりの不確定要素があるからな。
G弾を使うのなら、せめて俺達シャドウミラーくらいの重力制御技術は持って欲しい。そう思うのはしょうがないだろう。
ともあれ、オルタネイティヴ5がアメリカで正式に決まってから、この世界では真っ二つに割れている訳だ。
……それでもアメリカの方が勢力的に上なのは、国力が圧倒的過ぎるからか。
そんな中、俺達が何をしているのかと言えば……
『ソード小隊2番機、コックピットに致命的な損傷、大破。同じくソード小隊3番機、ジャンプユニット損傷、機動力30%低下』
映像の中でF-15Cの1機が消え、もう1機が戦術機の機動力の源とも言えるジャンプユニットにダメージを受けて、その動きを鈍くする。
そして、要撃級が振るう前腕がジャンプユニットが損傷されて動きの鈍ったF-15Cへと叩きつけられようとした、その時……突然要撃級が正面から吹き飛び、同時に吹き飛んだ要撃級の近くにいた他の要撃級も次々にダメージを受けては地面へと崩れ落ちていく。
「さすがにリニアガン・タンクの攻撃力は高いですね」
俺の隣にいた軍人、確か今回のシミュレーションの見学を要請してきたオーストラリア国防軍の少佐が感心したように呟く。
戦術機が要撃級の動きを翻弄しながら、そこに叩き込まれるリニアガン・タンクの砲弾。BETAの中でも最高硬度を誇る要撃級の前腕をあっさりと貫いてその身体へと砲弾を叩き込んでいく。
ただ、リニアガン・タンクはあくまでも戦車である以上、1発の威力は高いが戦術機が持っている突撃機銃のように連射は出来ない。あくまでも数を揃えて使う兵器だ。
とはいえ……
視線の先では、ガン・ルゥがリニアガン・タンクの前で自分達に向かってくる突撃級に向けて増設されたミサイルポッドからミサイルを大量に発射する。
即座に放たれるレーザーに撃墜され、周囲に対レーザー用の金属雲を作り出す。
このガン・ルゥが放ったAL弾頭に関しては、このマブラヴ世界で開発されたものだ。
いやまぁ、そもそもAL弾そのものがこの世界でしか需要がないんだが。
何しろ周囲の汚染が色々と酷いからな。少なくても他の世界では需要がないだろう。
そんな風に考えている間に、F-15Cの集団が要撃級へと重斬刀を振り下ろして身体を斬り裂いていく。
へぇ、本来オーストラリアの軍隊では長刀はあまり好まれないんだが……それなりに使いこなしてはいるな。
前線国家では好まれる長刀だが、人的資源の損耗を押さえたい国ではあまり好まれない。この辺はオーストラリアもアメリカも同様だ。
ただ、それでもオーストラリアの戦術機が輸入した重斬刀を使っているのは、シャドウミラーを通しての輸入で重斬刀がかなりの量が入っているからだろう。
その使い勝手がどのようなものかを調べる必要があっての武器選択だ。
……ともあれ、JIVESと呼ばれているシミュレーションはそのまま進み、やがて侵攻してきたBETAをオーストラリア国防軍が無事に撃退して終了する。
「どうでしょう? アクセル代表から見て、我々が輸入した兵器の使い方は何かおかしいところがないでしょうか?」
先程の軍人が再び尋ねてくるのを、少し考えてから口を開く。
「そうだな、戦車の使い方に関しては問題無いだろう。ただ、どうしても戦車というのは数が必要になるからな。その辺を考えてもう少し数を増やした方がいいかもしれない」
「なるほど、分かりました。その辺に関しては上に知らせておきます。それで、ガン・ルゥの方に関しては……」
窺うような視線を向けてくる少佐に、少し考えてから口を開く。
「AL弾をガン・ルゥに使わせるというのは確かにいいアイディアだったと思うが、そうなるとガン・ルゥの攻撃手段が少なくなる。それならいっそ、AL弾を専用に撃つガン・ルゥとかを用意するといいかもな」
「……なるほど、そちらに関しても上に上げさせて貰います」
オーストラリアは、国力的な意味でアメリカに次ぐ。
去年までは1位のアメリカに対して大きな差があったが、シャドウミラーとの関係でその差は次第に縮まっている。
そうなれば当然資金的に余裕が出来るのも当然であり、俺達との関係上輸入兵器を一番購入しているのはアメリカを抜いてNo.1となっていた。
そうである以上、自分達が買った兵器を上手く使っているのかどうかを確認するというのは、ある意味当然なのだろう。
まぁ、リニアガン・タンクに関して言えば戦車である以上、性能の違いに多少苦労はすれども問題はそれ程無いんだろうが。
そうなるとやっぱりガン・ルゥだよな。
特にレモン達が設計したガン・ルゥ改である以上、機動力のある砲台という扱いになるんだろうし。
前線国家であれば、BETAとの戦いにおける新兵器の経験値というのも溜まりやすいんだろうが、生憎ここはオーストラリア。自国内にハイヴが無い国だ。それを思えば、どうしても経験値的な意味で劣るのはしょうがない。
そんな風に考えていると、やがてまた映像モニタに新たな映像が映し出される。
そこに映し出されているのは、シャドウが2機。
正直、俺が今日ここにいるのは、この映像を見る為だった。
「おや、次の戦いが始まりましたね。シャドウ2機と戦術機12機、1個中隊ですか。シャドウミラーの戦力を考えれば、些か戦術機側が不利なように感じますが」
「確かに量産型Wが操縦するシャドウであればそうかもしれないが、今シャドウに乗っているのは新人だからな」
そう、今映像モニタに映し出されているシャドウに乗っているのは、スティングとアウルの2人だ。
バーナード星系から戻ってきてからも、機体の操縦訓練は続けていたのだが……それでも、現在のあの2人の操縦技術は量産型Wより若干下といったところだ。
エクステンデッドであったのなら当然量産型Wよりも操縦技術は上だったんだろうが、レモンの治療によって健康な肉体と引き替えにあの2人……正確にはステラも含めて3人は、ナチュラルよりちょっと上程度の身体能力に落ちていた。
それでも他の国の軍では楽にエースになれるだけの実力を持つ量産型Wよりも若干下という程度なんだから、あの2人がどれだけ努力してきたのかが窺える。
その辺はちっとも表に見せないけどな。
そして演習が始まり、画面の中でシャドウ2機が動き出す。
先程のBETAとの戦いとは違い、今回は街中での戦闘。
まず最初に放たれたのは、シャドウ2機が装備しているM950マシンガン。
95mmの弾丸が大量に放たれてビルの残骸を貫きながらF-15Cや最近導入され始めたF-18Eに襲い掛かるが、戦術機はすぐさまその場で散って全員が攻撃を回避する。
2機ずつが左右に分かれ、残り8機はビルの残骸等に姿を隠す。
典型的ともいえる攻撃方法であり、シャドウミラーのメンバーならすぐにでも見抜いて何らかの手を打つだろう。
だが、スティングとアウルは……いや、正確には向こうっ気の強いアウルは、考えるよりも前に本能に従って行動に移る。
それを慌ててフォローするスティング。
右から近づいてきたF-15Cに向かってアウルのシャドウがビームガトリング砲で無数のビーム弾を放つが、次の瞬間にはミスに気が付く。
ビーム弾が消え去った後に残っていたのは、ビルの看板だけだという事に。
それに戸惑ったような挙動を見せるアウルだったが、すぐにその背後にいるスティングがM950マシンガンの銃口を上空へと向けてトリガーを引く。
そこには空中を飛んでいるF-15Cが2機。スティングのシャドウが動き出した瞬間に跳躍ユニットのスラスターを使って真横へと機体を動かし、そのままスラスターを全開にして距離を詰める。
これまでの戦術機であれば、推進剤を大量に消費する今のような機動は極力避けるだろう。だが、SEED世界から輸入した推進剤やバッテリー技術を基にした研究により、戦術機の稼働時間は大幅に増えていた。
そのまま重斬刀を振りかぶりつつ襲い掛かってくるF-15Cに向け、アウルの乗っているシャドウは重装甲の見かけによらない俊敏な動きで一撃を回避しながら懐に飛び込み、そのまま肩から体当たりをする。
その行動は相手にしても予想外だったのだろう。何とか回避しようとするが、シャドウ程の大きさの相手を回避出来る筈もなく、まともにショルダータックルを食らって機体がバラバラになりながら吹き飛んでいく。
同時にアウルのシャドウはその場で踵を返し、隙を突いて重斬刀を振り下ろそうとしていたもう1機のF-15Cへと向かって両腕のプラズマバックラーを叩き込む。
その時には、別の方向から襲い掛かって来た2機に対してスティングが放ったクロスマッシャーが2機を纏めて爆散させる。
その後も残った戦術機は待ち伏せや囮、トラップをしかけたりといった風に手を替え品を替えスティングとアウルに挑んでいったが、結局は殆どダメージを与える事が出来ずに終了となった。
だが……
「おや、どうしました? そちらの機体が勝ったというのに、あまり嬉しそうじゃないですが」
軍人の言葉に小さく頷く。
「そうだな。勝つには勝ったが、機体性能に頼りすぎだ。普通の軍隊ならそれでもいいんだろうが、シャドウミラーでやっていく以上はまだまだとしか言えないな」
この世界のBETAとかならともかくとして、その上位互換とも言えるバジュラを相手にした場合、今のあの2人ではかなり厳しいだろう。
聞いた話では、惑星調査の時も暇を見てはオウカと訓練をしていたらしいが……オウカは何だかんだ言って優しいからな。
あの2人がこの先もシャドウミラーの実働班として生き残っていく為には、イザークにもう少し厳しく訓練させた方がいいだろう。
そう判断しながら、勝利に笑みを浮かべつつコックピットから降りてくるスティングとアウルを出迎えるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:55
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1120
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