『ある転生者の奮闘記』
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TURN16
日本帝国がハワイ星域に侵攻すると同時に大阪自衛軍は戦闘航海訓練として惑星大阪を出撃していた。
「右舷に敵艦多数ッ!!」
「右砲戦用意ッ!!砲雷撃戦用意ッ!!」
俺の命令に主砲が右舷に旋回する。
「敵艦の距離七千四百ッ!!」
「撃ち方始めェッ!!」
「撃ェッ!!」
まぁ只今戦闘訓練中やな。
「長官、府庁より緊急通信です」
その時、オペレーターが報告した。
………多分やな。
『雪風、帝国海軍はハワイ星域を占領した』
通信に現れた理亞が開口一番に言った。
『オオォォォッ!!』
周りの皆は驚く。
『だが………ハワイ星域を占領した瞬間、北京星域の西方に新たな星域を発見した。その星域
の軍隊は大軍を率いてあっという間に北京以下の三星域を瞬く間に占領した』
『………………』
いきなりの事に、皆がついていかれへん。
まぁそれはしゃーないやろな。
「その軍隊の名前は分かるんか?」
『あぁ、国名は元や』
………やっぱりな。
『今、日本星域にいるのは雪風達の自衛海軍の艦隊しかいない。既に惑星対馬には戦場になるかもしれんと通達して惑星対馬も了承している』
北京星域に近いワープゲートは惑星対馬にあるしな。
『諸君達の初陣は元だ。緊急だが是非とも頼む』
理亞が言う。
「了解した。自衛艦隊は直ちに惑星対馬に急行する」
『ありがとう』
「ところで理亞。奴等の特徴か何か無いか?」
『奴等は雷撃駆逐艦―――日本で言うと特雷型駆逐艦だな。これが主力となっているわ』
………原作通りやな。
「分かった。勝利して帰ってくるわ」
『あぁ、セシルの晩飯食いたいからな』
俺と理亞は互いに敬礼しあって通信を切った。
「………諸君、聞いての通りや。今から全艦隊は第一級戦闘配備やッ!!」
『了解ッ!!』
皆が俺に敬礼して走り出す。
「全艦隊に通信を入れろッ!! これより惑星対馬に向かう。全速前進やッ!!」
大阪自衛海軍の自衛艦隊は直ちに惑星対馬へ向かった。
「あ、そうや。府庁に電文を送れ」
「は、何と送りますか?」
「………あれしかないな」
俺はニヤリと笑った。
―――大阪府庁―――
「狹霧知事ッ!! 自衛艦隊旗艦大和より電文ですッ!!」
「何やて?」
理亞は部下から電文を受け取る。
「………成る程な。惑星対馬やからそれを送ったわけやな」
理亞が笑う。
電文はこんな事が書かれていた。
『敵艦隊見ユトノ警報ニ接シ自衛艦隊ハ直チニ出動、コレヲ撃滅セントス。本日天気晴朗ナレドモ浪高シ』
―――惑星対馬宙域―――
「惑星対馬を視認しました」
「よし、マストにZ旗を掲げて、全艦隊に電文を送れッ!!」
俺は全艦隊にある電文を送る。
勿論、電文はあれやな。
『皇国ノ興廃、コノ一戦ニ在リ。各員一層奮励努力セヨ』
Z旗だけなのは何か物足りひんからわざわざ文面に表したんやな。
「敵元艦隊がワープアウトしましたッ!!」
………来たな。
「全艦、左砲戦やッ!!取り舵一杯ッ!!」
「とぉーりかぁーじッ!!」
艦隊は取り舵をする。
自衛艦隊に気付いた元艦隊はレーザー砲による砲撃をするが、特雷型駆逐艦が大半を占めているので然程効果は無い。
「砲撃準備完了ッ!!」
オペレーターが報告する。
「敵艦より通信が来ています」
「通信パネルに切り換えろ」
『俺は元の皇帝ランス・ハーンだッ!! 貴様らは大人しく降伏して俺に女を渡せば死なずに生き長らえる。さぁどうする日本?』
「……いきなりの高圧的な態度やな」
俺はランスに言う。
「そんで女を渡せば死なずに済むと?」
『ガハハハ、そうだッ!! 女さえ俺に渡せば死なずに済む。さっさと女を俺に渡せ』
馬鹿が俺を睨む。
そして俺は――。
「だが断る」
「何ぃ?」
「貴様にやるような日本人女性などおらんって言ってるんやカスッ!!」
俺はそう言って通信を切った。
「全艦、撃ち方始めェッ!!」
「撃ェッ!!」
全艦隊から一斉に家電粒子砲(ビーム砲)が発射された。
ビーム砲は次々と元艦隊の雷撃駆逐艦に命中した。
「撃てェッ!!奴等に隊列を組ませる暇を作らせるなッ!!」
俺はそう叫んだ。
後書き
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