| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生と学園の動物達

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三幕その七

「はい、ご出身は」
「神奈川です」
「あっ、関東の方だったのですか」
「はい、生まれはです」
 そちらだというのです。
「横浜生まれです」
「そうだったのですか」
「大学がこちらでして」
「それで大学は」
「八条大学です」
 日笠さんはにこりと笑って先生に答えました。
「こちらの農学部に進みまして」
「それで関西に」
「はい、他の農学部も受けたのですが」
 それでも、というのです。
「他は全て落ちまして」
「八条大学農学部にですね」
「はい、入りまして」
 そうしてというのです。
「それでこちらに」
「獣医さんになられてですね」
「この動物園で働いています」
 こう先生にお話するのでした。
「実は私獣医になりたくて」
「それで農学部を受けられて、ですね」
「残念ですが他の大学は落ちてしまったんです」
「ううん、そうだったのですか」
「他は全て関東の大学でした」
 日笠さんのおられた地域のです。
「東京や神奈川の方の」
「どうして関西の大学も受けられたのですか?」
「学力が丁渡それ位でしたし」
 それに、というのです。
「滑り止めといいますか。その意味もあって」
「受けられたのですね」
「そうしたらここしか合格しませんでした」
 笑ってこのことを言った日笠さんでした。
「いや、これも縁ですね」
「確かにそうなりますね」
「最初は関西にいるのかしてって思いますと」
「お嫌でしたか」
「想像出来ませんでしか」
 関西にいるご自身が、というのです。
「生まれも育ちも関東でしたから」
「横浜だったからですね」
「よく中華街や港で遊びました」
「あっ、横浜は港町ですね」
「そうです、そこから栄えて今に至ります」
「幕末に開港して、でしたね」
 先生は日本の歴史を勉強してこのことを知ったのです。
「他には横須賀もでしたね」
「そうです、あちらは軍港ですが」
「港町ですね」
「港と工業と」
 この二つで、というのです。
「栄えている街です」
「それと観光ですね」
「そうです、中華街もありまして」
 日笠さんは明るいお顔になってお話するのでした。
「面白い場所なんです、勿論中華料理も美味しくて」
「あの街の中華街は有名ですよね」
「何度も遊びました、今でも実家に帰った時は」
「あちらに行かれていますか」
「それで野球の試合がある時は」
 中華街の入口のところに球場があるのです、横浜DENAベイスターズの本拠地である横浜スタジアムです。
「観戦しています」
「野球はどちらのファンですか?」
「勿論横浜です」
 にこりと笑っての返事でした。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧