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モンスターハンター ~厄災の狩人達~

作者:島原
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黒蝕の陰、天廻の陽
  危機!テツカブラを狩れ!【前編】

 
前書き
依頼主:ぐったりした土竜族

依頼内容
俺っち土竜族が採掘に出かける場所にテツカブラが現れた…。
まさかあのアゴで、あんな巨大な岩を持ち上げるなんて…。
おかげで鉱石が掘れず、
ありとあらゆる仕事がパァよ…。
誰か、助けてくれい…! 

 
「料理長ネコさん、食事の方お願いします。」

「ほいきたニャル、任せるニャルよ。」

料理長ネコは振るっていた中華なべから一度手を離し、アルフレッド達の方を向いた。

「…任せるとは言った物の、今はこれといって良い食材は無いニャル。申し訳ないニャルよ。」

「分かりました…、では今出せる中で攻撃力が上がりそうな組み合わせをお願いします。」

「攻撃力アプなら肉と魚がいいニャル。ではそれでいいニャルね?」

「それでお願いします。」

アルフレッドの言葉を聞くやいなや料理長ネコは調理を開始した。
その後四人は作戦会議を始めた。

「では、今回の依頼に当たってまずは情報を整理しましょう。場所は―――」

今回四人が狩猟に赴くのはガルガン地底洞窟。
山の麓から内部に出来た空洞のような場所へと入っていくような狩場である。
洞窟内には飛竜種、獣竜種、鋏角種、両生種など様々なモンスターが活動した後が確認出来る。

火山の麓と言うだけあり、鉱脈としても知られている。
身近な物で鉄鉱石や鎧玉、上質な物になればマカライト・カブレライト鉱石なども確認出来る。
また、特定のエリアでは灰水晶の原石なども採れる。

「私達が住む大陸ではこんな環境の地域は見られにくいわね。強いて沼地の洞窟部分ってところかしら。」

「概ねそんなものだと思います。続いて今回のターゲット、テツカブラについてです。」

テツカブラとは皆さんもご存知、赤褐色で部分的に黒ずんだ甲殻を身に纏い、強靭なアゴと牙を用いて岩石を掘り起こし、攻撃などに使う両生種のモンスターである。
両生種という名前だけを聞いて、油断して最初の咆哮で面食らったという読者も多いだろう。
テツカブラの発声器官は鳥竜種の持つ鳴き袋とは違い、全く別の構造をしているため、鳥竜以上の大声を出せるのである。
また、両生種であるがゆえ四肢―特に前足が発達しており、巨大な岩石をアゴで支えたままジャンプして押し潰すような行動も確認されている。

「書面で分かっているのはこれぐらいですね。後は実際に立ち回って確認するくらいしかありません。」

「アルでもコイツのことはよく分からないのか。へーっ。」

「報告に上がっている行動がこれくらいしかないからね。現地にはまだギルドナイト含め、腕利きのハンターが赴いていないんだ。」

と、アルフレッドが机上に並べた書類を片付けると

「出来上がったニャル。シセン風棘肉とワカメクラゲの酸辣湯ニャルよ。」

料理長ネコがいいタイミングで料理を完成させ、運んできた。

「酸辣湯ですか…おいしそうですね。」

「アル、このスープ食ったことあるのか?」

「私も一度食べたことはあるけど、中々辛かったわよねこれ確か。」

「…」

と、四人は一斉に手を合わせ

「頂きます。」

の一言と共に食べ始めた。

























「おおお!ここが地底洞窟って奴か!」

四人はベースキャンプに到着した。
いつも通りの設営済みテント、青い支給品ボックス、赤い納品ボックスがあるだけである。
ダイラスが先陣を切って道先まで歩いてみた。

「お…おお…何だこの高さは…。」

底が見えないほど深い断崖絶壁であった。
高さだけならフラヒヤ山脈からティガレックスに追いかけられて落ちるあのシーンよりも高そうではある。

「月刊誌の狩りに生きるで記事を書いている地質調査の人が好きそうな場所だなぁここ…。」

アルフレッドがダメ元でたいまつを照らしてみるがやはり底は暗いままである。

「あの人決戦場とか雪山深奥とかのジャンプポイントも探してなかったかしら…。ほんとジャンプに関してはアナタ以上の執着よね。」

そう言いながらアルフレッドの背中を装備越しに指でなぞらえるアルマ

「と、とにかく目標はこの奥にしか居ませんし行きましょう。」

言うなりアルフレッドが後ろにいたアルマをおもむろにお姫様抱っこし始めた。
そのまま崖の切っ先まで歩く。

「ちょ、アナタ何を…!」

「アルマさん、確か高所が若干苦手でしたよね?だったらこうして行くほうが心強いでしょう?」

「そ、そんなこと一言も…!」

顔を真っ赤にしながらもまんざらでもない様子だった

「たまには僕の言う事も素直に聞いてくれませんとね。それじゃ行きますよ!」

「ちょ、ちょっと―――」

そのまま有無を言わせずアルフレッドは崖から飛び降りた。

「じゃあ俺たちも行くか!」

言ってダイラスは景気よく飛び降りようとしたが、物凄い力に引っ張られて一歩もままならなかった

「お、おいどうしたんだよ…。マトレガ、行かないのか?」

「…私たちも。」

フードの奥に秘められたマトレガの表情は物憂げだった

「おう!任せな!」

ひとたび笑顔になった後、ダイラスはマトレガをひょいと抱き上げそのまま崖下へと飛び降りた。















地底洞窟エリア八、ここでは鉱石採掘が広く多く行われ土竜族も足しげく通っている場所とされている。
が、地形性質上やはりモンスターとの遭遇は激しくちょっとした小型鳥竜種は勿論のこと大型の飛竜種や獣竜種の来襲も確認されていて、戦々恐々としている。
四人が降り立ったこのエリア八には…

「赤褐色で部分的に黒ずんだ甲殻…どうやらアレが今回のターゲットのようですね。」

「なるほど、言われてみれば確かにカエルみたいね。」

「アイツすっげぇジャンプができるんだっけ?俺たちが今いる段差の上にも上ってくるんじゃないか?」

「カエル…」

地底の荒武者―――テツカブラ
テツカブラであることは明白だが、様子がおかしいことをアルフレッドが読み取った

「妙だ…四肢が強靭な割には行動が不安定、かつ目元には血が通っていないように見える…。口元からは瘴気ともとれるような呼気が漂っているし。」

「アナタ、それって…おとといの朝のポポでも!」

「ええ、恐らく同系統の症状…『狂竜症』によるものでしょうね。
驚いた…この大陸では既に大型モンスターにまで感染が進んでしまっているなんて…。」

「だーもう!!学者談義は分かったからとっとと片付けちまおうぜ!!」

やはり長引いてしまう考察をダイラスが無理やり断ち切り、四人は一斉に段差から飛び降りる。
それを察知したテツカブラも周囲に響き渡る轟音を腹から轟かせ応じた。



 
 

 
後書き
たいhhhhhhhhhっへん長らくお待たせいたしました(ドゴォ
だいぶと時間が空き過ぎたので)初投稿です(←

皆さんをお待たせするのも悪いなーと思って分割しちゃいました!お兄さん許して! 
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