ソードアート・オンライン~狩人と黒の剣士~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
ユナイティング:戦いの先に在る物
前書き
本編を少しだけ進めます!
キリトとユージオが剣を何回も交えた。
俺はそれを、昔の俺とダークを見ているかのように思えた。
キリトは必死にユージオを戻そうと声を掛けるも、ユージオの心に届いてはいなかった。
「……っ!」
俺は剣を握りーーーアリスに止められた。
「止めなさい。二人の勝負に水を差すのは」
アリスは冷静に言う。
しかし、俺は見ていられなかった。
ーーーまるで、ユージオが昔の俺に見えて。
ガキィイイーーーン!!
突然、強烈な金属音がなり響き、二人は静止した。
ーーーこれは!?
俺は剣を持ち直し、構える。
キリトとユージオの様子を見て、必要になれば出れるようにだ。
しかし、ユージオが言い放った声が、それを遮った。
「……<リリース・リコレクション>」
ーーーその、式句は!?
俺は考える暇も無く、キリトと近付いていたアリスの所に行くと、俺は二人と同時に胸元まで氷が覆った。
記憶解放術ーーーこれが、ユージオの剣の力、<凍結>。
ーーークソッ!
俺は心の中で舌打ちし、ユージオが天井に消えるのを黙って見ていた。
「クソッ!!どうしてだよユージオ!!」
氷に覆われたキリトが叫ぶ。
「落ち着け、キリト……これは多分、彼奴の意思だ」
先程から氷を壊そうと試みる俺が言う。
「来るな……多分そういう意思だろう」
「……ふざけるな!」
キリトが叫ぶ。
「ユージオだけに背負わせるなんて出来るわけ無いだろう!?」
「同感だ。……だから、とっととぶっ壊す!!」
イメージする。俺の拳は焔を纏う。
イメージする。何物も焦がす深紅の焔を。
イメージする。それは、何物も関与すら出来ない。
「燃えろ……焔!!」
途端、燃え上がり氷が焔を壊す。
更に、近くにいたキリトとアリスの氷や周りの凍結も溶かす。
途端、天井が再び動き出す。
「フッフッフッ……さぁ、お前たち、お仕置きですよぉ?って……」
「よう、チュデルキン」
降りてきたのはチュデルキン。……腐った豚だ。
「なっ!?三十二号が凍結させた筈じゃ!?」
「……生憎、テメェの読みは外れたな、チュデルキンッ!!」
闇が俺を覆う。
「ライト!?お前、それは……ッ!?」
キリトが俺の肩を持つが、俺は手振りで制止させると、前に進む。
「俺はお前みたいな魔導師は嫌いなんだ。……今ここでいん導を渡して殺るぜ、チュデルキンッ!!」
闇、闇、闇。
俺の精神が闇に飲まれる。
<オマエハナニヲノゾム?>
声が聞こえた。
<オマエハナゼケンヲトル?>
決まってる。何かを守るために剣を取る。理由は無い。理由なんて必要ない。
<ナラバトオウ。スベテヲステテデモナニカヲマモルカライテイヨ>
全てを捨てる覚悟は在る。
この一連の原因を作ったのは俺でも在る。
だったら、全てを捨ててでも守る。
ーーーーAIだろうが、何だろうが関係無い。生きているなら、それを俺は守るだけだ。悪から……全てを!!
<ナラバイマイチドチカラヲカソウライテイヨ。ーーーーイマナラバツカエルダロウ>
<サァ、ケンヲトレ。カクゴヲモチシエイユウノコヨ!>
闇はそういうと消える。
闇は俺の一部。
ならば、今度こそ制御して見せよう。
「ーーーー闇を祓いし者よ、再び天を目指せ」
術句を言い、剣を捨てる。
「光は闇に、闇は光に」
「絶望は希望に、希望は絶望に」
「あまねく全ての悪と、全ての正義を今ここに梱包しようーーーー」
「ライト!!」
キリトが叫ぶと、俺は最後の一句を叫ぶ。
「我が契約の名前は雷帝、今この時を持って復活せよ。繰り返し奉る、目覚めよ、大いなる雷の化身よ!!」
そして、俺の意識は闇に飛び込む。
ーーーー馬鹿な奴だ。俺を起こすなんてな。
勝手に寝た馬鹿に言われたくねぇよ、俺。
俺は細やかな反論を言う。
ーーーー後は任せな。役目御苦労だったな、偽物の俺。
「ウルァアアアアアッ!!」
轟雷と共に変わり、金色の髪と金色の鎧が現れた。
「チュデルキン、今から断罪する!」
「し、システム……」
「おせぇ!!」
雷になって動き、チュデルキンを蹴り飛ばす。
「雷帝の剣!!」
雷の衝撃波を飛ばすと、チュデルキンの道化服が破れ、渇れ枝の様な手足や胴体が現れる。
「ヒッ、ヒィイイイッ!!」
「ああっ、もううっせぇ!!」
チュデルキンを掴み、顔面を殴り倒す。
「その悲鳴が一番気に食わねぇンだよ!!クラティールと良い、馬鹿と良い、その他大勢の奴と良い!!お前ら雑魚キャラは所詮雑魚キャラらしい悲鳴しか出せねぇンかアア!?」
俺は殴り、殴り、殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り飛ばすと、顔面を蹴り飛ばして壁に激突させ、更に、そこから顔面を蹴って頭を突っ込ませる。
「悪役っつうのが俺らは嫌いなんだよ!!つーかいい加減にしろよこの三流エンターテイナー雑魚キャラが!!」
足を持って抜くと、反対側に投げてめり込ませる。
「……ああ、俺知らねー」
「……えっと」
キリトは呆れ、アリスはポカーンとしている。
しかし、気にしない。
「た、助け……」
「だが断る!!」
壁から抜き取り、宙に浮かすとそのまま改良版シャイニングウィザードを放つ。
「悪役なら悪役らしく最後まで足掻いて足掻いて足掻いて足掻いて足掻ききってから言えやぁああああアーッハッハッハッハッハッハァッ!!」
そう言いながら雷を落とす、落とす、落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす!!
「おとぉおおおおすっ!!」
ズガァアアアアンッ!!
と、言う音と共に、チュデルキンはそこから動かなくなり、消えた。
「……フッ!」
昇降盤の上の穴を通ると、そこには……
「……よう、アドミニストレータ。諸悪の根元さんよ、ご機嫌麗しゅう?」
目の前に立っている最高司祭と、ユージオが。
それに合わせるように、キリトとアリスも上がってくる。
「さぁ、お前のゲームは詰みだ、アドミニストレータ!終わりにしようぜ?」
俺は高らかにそう宣言した。
後書き
……雷帝ライトが余りにも悪逆非道過ぎる件について。
ダーク「嫌、異世界の滅殺者の俺よりはマシだろ」
ダーク、比較対象を君にしないで。マジで酷いから。
ダーク「……?」
と言うことでトーナメント二話書くたびに一話本編を進めます。でないとモチベーションが……
と言うことで次回予告!
雷帝と化したライトにより、元老長は倒され、残るは最高司祭アドミニストレータただ一人。
しかし、アドミニストレータは隠し玉を用意していた。
「アドミニストレータ……貴様ァアアアアアアアアッ!!」
怒りを露にした雷帝の前に、影が一人。
「……狩る、狩る」
「闇の……ライト」
次回、雷帝と闇の光
全てを捨てた王は、全ての事象を破壊する。
ページ上へ戻る