| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五十話 ナノモンとの邂逅

 
前書き
ナノモンと邂逅する大輔達。

賢「さて、食事の準備をするよ」
すずか「凄い、賢さん!!それ、マイ包丁ですか?」
賢「うん。笑わないでほしいんだけど、はやてと暮らしているうちに料理が趣味になってね」
すずか「笑いませんよ。料理が上手な男性って、とても素敵だと思います」
アリシア「お兄ちゃんも料理上手だし…」
なのは「ユーノ君も上手だよね…下手したら大輔さん達の方が私達よりお料理上手だよね…対抗出来るのはやてちゃんくらい…だよね…」
アリサ「腹立つけど正にその通りよね…」
ユーノ「リリカルアドベンチャー、始まります」 

 
密林の中、探し回ってももうピッコロモンの家は見つけられなかった。
しばらく歩くと景色は鮮やかな緑から次第に彩度の低い砂に変わり、長いこと彼らが歩き続けてきた砂漠に戻った。
密林の中、探し回ってももうピッコロモンの家は見つけられなかった。
しばらく歩くと景色は鮮やかな緑から次第に彩度の低い砂に変わり、長いこと彼らが歩き続けてきた砂漠に戻った。






























ざく、ざく、と熱い砂に足を埋め、1歩1歩先へと進む子供達。
最後にピッコロモンが魔法でも残してくれたのだろうか?
子供達の足取りは軽く、焦がすような日光の下でもその気分が下向くことはなかった。
1つずつ紋章を手に入れ。
1ずつ力を手にし。
まだ確たる証はなくとも、その煌めきは子供達にも、デジモン達にも強い気力を与えていた。
アリシア「わっ!!?」
突然アリシアが勢いよく転んだ。
すぐ後ろを歩いていたすずかが、急に止まれず巻き込まれて一緒に倒れる。
アリシア「痛たたたた…ごめんすずか」
すずか「ううん、どうしたの?」
アリシア「今何かに躓いて……あれ?」
砂をよけると、アリシアの足にはあの黒いケーブルが巻きついていた。
すずかはそのケーブルを見つめると徐にケーブルを隠す砂を払った。
ケーブルは長く長く伸びている。
すずか「皆、ちょっと私について来て」
何かを確信したように、すずかはケーブルを握ったまま立ち上がる。
基本的にこういう時のすずかには従っておいて損はない。
彼女はこのメンバーで賢に次いで優秀な頭脳の持ち主だ。
すずかの腰の高さに引き上げられ砂の中から持ち上がったケーブルを追い、子供達は真っ直ぐに歩みを進めた。






























すずか「やっぱり!!」
2キロほど歩いたところで、舞い上がる砂に霞んで何かが見えた。
それを視認すると同時に、すずかは弾かれたように駆け出す。
近づいてみると、それはドラマや映画でよく見かけるような、物々しくごついコンピューターだった。
すずかは背負った鞄からモジュラーケーブルを取り出し、施設で入手したパソコンとそれにそれぞれ繋ぐ。
すずか「……同じ規格でよかった」
大輔「…そろそろ説明してくれないか?」
どこか楽しそうなすずかに大輔が説明を求める。
すずか「あ…すいません。えっとですね、このケーブルなんですが、恐らくこれはエテモンが私達の居場所を知るために張り巡らせたネットワークです」
アリサ「………………は…!!?」
すずかはさらっと言ってのけたが、その重大すぎる事実に他の全員はあっけにとられ口を開けたまま固まった。
すずか「前にルカ君がケーブルに触れたすぐ後にエテモンの攻撃があったでしょう?はやてちゃんとユーノ君の紋章を探しに行った時もケーブルを見たし…ほら、やっぱり」
喋りながらもテンポよくキーボードを叩いていた手を止め、すずかは皆に見えるようにパソコンをずらした。
アリシア「……全然分かんない」
アリサ「ていうか、そしたら今私達がここにいるのも全部バレバレなんじゃないのっ!?」
慌てる他の子供達を尻目にすずかの言葉を理解できた賢は再び作業を始めたすずかの後ろから画面を覗き込んだ。
賢「それもしかして、ハッキングかい?」
すずか「はい。どうやらエテモンのネットワークシステムは私達の世界の物と同じみたいなので、うまくいけば」
賢「…だったらここをこうすれば…ほら出た」
フェイト「あっさりすぎるよそれ」
すずかと賢のテクニック、恐るべし。
地道に、だがかなりの勢いですずかは賢の補佐を受けながらネットワークに侵入していく。
だがそこで、賢は画面左上に表示された“Mail”のマークに気がついた。
賢「すずか……これを」
すずか「えっ、メール!?誰から…」
まさか敵からのメールではと全員が息を飲む。
すずかがカチリとクリックすると、画面には目立つ大きな字でこうあった。
賢「“助けて”…?」
差出人不明のSOS。
助けを求めるそのメールは、見出しの後も長く細かく綴られていた。
すずか「…“私を助けてくれたら、紋章の在りかを教えよう”…」
メールの文面を読み上げていたすずかが呆然とする。
大輔「紋章を?」
ユーノ「一体何者なんだ…?」






























その頃エテモンは、サーバ大陸全土に無秩序に広がる数百もの選ばれし子供達の位置情報に怒り狂っていた。
せっかく直りかけていたというのに、これはどういうことだろう。
ガジモン達が懸命に作業するも、その故障はどうにもならなかった。
[駄目ですエテモン様、ここのコンピュータの故障じゃありません!!]
[例のピラミッドの…ホストコンピュータの異常です]
エテモン[くっ…ナノモンの奴ね!!]
ナノモン。
エテモンのネットワーク管理の全てを任されたデジモンだ。
エテモンはギュッと爪を噛む(実際にはエテモンはパペット型のデジモンのため、ただ指先の布を噛んだだけだったが)。
エテモン[(あいつ……まさか何か企んでるんじゃないでしょうね!!)あいつの様子を見に行くわよ!!]
[はい!!]
砂煙を起こして、笑天門号は猛スピードで走り去った。






























はやて「ほんまに大丈夫なんやろうね?もし敵の罠だったらまずいんちゃう?」
アリサ「でも…認めたくないけどアレみたいに味方かもしれないじゃない」
大輔「まあ、アレは置いといて、見捨てるわけにもいかないだろ」
謎のSOSメールが図示した地図を辿って、岩場に入る子供達。
やはり不安が先に立つ。
切り立った岩場に囲まれたこの場所では、敵に待ち伏せされていた場合逃げる術がない。
先頭ですずかは器用に歩きながらパソコンを弄る。

すずか「もう少し…のはずなんだけど…」
なのは「…あ、光った!!」
指定ポイントから500メートル。
その位置に足を踏み入れると同時になのはのD-3が輝いた。
子供達は一斉に周りを探す。
ガブモンX[なのは、こっちだ!!あったよ、なのはの紋章が!!」
ガブモンXが歓声をあげ、脇道に走ってゆく。
駆け寄ったその先の岩壁には、確かに他の子供達のものと同じく、紋章が彫り込まれた巨大な石板があった。
紋章は引き合うようになのはのD-3と同じ律動で輝きを増し、翳したそれに吸い込まれるように入っていった。
なのは「やった…私の紋章だ!!」
にこにことしゃがみこんでガブモンXに紋章を見せてやるなのは。
賢「どうやら罠じゃなかったみたいだな」
すずか「残り1つの…私の紋章は、助けてくれた後に場所を教えるだそうです」
大輔がすっかりお決まりの号令をかける。
大輔「さあ、行こう!!」
石板が取り払われ、現れた抜け道に子供達は踏み込んでいった。






























岩のトンネルをくぐると、そこは一面不思議な文字で埋め尽くされていた。
賢「これは……」
すずか「うん。これはファクトリアルタウンで見た文字ですね」
巨大電池の内壁、エネルギーを生み出す不思議装置。
保存してあった画像データと照合し、すずかが壁に手を伸ばし1つの文字に手を触れる。
指先でその文字を擦り消すと、薄暗かったトンネル内部に灯りがつき、口を開けたままだった入り口に元通りの岩のカモフラージュが施された。
すずか「やっぱり…。ここではエネルギーがプログラムによって発生してるんだ」
アリシア「え、どういうこと?」
熱心にデータと壁面を見比べるすずかの代わりに、賢が説明役を買って出る。
賢「書いてあるプログラムを書き換えるだけで、それを実行出来るんだ。今みたいに、電気をつけたり消したりね」
すずかが更に文字を書き換える。
ヴィン、という音とともに空中にホログラムが浮き上がった。
すずか「この付近の地図だよ」
アリサ「もう殆ど反則じゃない…」
フェイト「大輔達から前以て聞かされてなかったら混乱してたかもね。この世界にいる私達も今は人間の形をしたデータなんだ…」
アリサ「…本当に不思議よね。感覚は向こうとは全く変わらないのに今はデータなんだし」
大輔「俺達だって最初は混乱したよ。とにかくメールの差出人を助けることが先だな。次はどこに行くんだ?」
頷いたすずかがプログラムを実行すると、行き止まりだった通路の奥が消え、出口から光が射し込んだ。
すずか「今のプログラムで空間を繋ぎました。この外に差出人がいるはずです」
通路の出口は、巨大なスフィンクスの口と繋がっていた。
広く見晴らしのいい視界の中に、逆さのピラミッドが建っている。
出口からそっと顔を出し、ルカで辺りを見回すと、モノクロモンに牽かれたトレーラーが音楽を鳴らしながら走ってきた。
ルカ「…エテモン」
アリサ「なんですって…!?」
エテモンはトレーラーから飛び降りると、見るからに危うい均衡の逆さピラミッドの中に入っていった。
これではうかつに近づけない……。
仕方なく子供達は、スフィンクスの口の奥、空間の向こうで野営することに決めた。






























すずか「ふう…」
賢「どうしたのすずか?」
溜め息を吐くすずかに賢が隣に腰掛けながら尋ねる。
すずか「賢さん…何か皆に申し訳ないと思って…」
賢「何が?」
すずか「だって結局、私の紋章のためにメールをくれた人を助けに行くんですよね?…私、皆に迷惑かけてる」
賢「そんなことないよすずか…」
すずかの手に自分の手を重ねながら言う。
賢「もし、君の紋章が先に見つかってたら、そんな風に悩んだりした?」
すずか「あ……きっと、考えもしなかった……」
賢「君は優し過ぎる。でもそこが君の魅力なのかもね」
すずか「っ…!!」
賢の言葉にすずかは顔を真っ赤にしてうなだれてしまう。
賢「明日は君の紋章を手に入れてメールの差出人を救い出そう。心配しなくても君は僕が守るよ」
すずか「賢さん…」
顔を赤くして、賢を見つめるすずか。
そこに。
はやて「賢兄~」
はやてが後ろから賢に抱き着いてきた。
賢「はやて?」
はやて「すずかちゃんばっかりずるいやんか、私は守ってくれへんの?」
賢「大丈夫、はやても僕が絶対に守るよ。約束する」
はやての柔らかい髪を撫でながら言う賢にはやての顔は自然と笑顔になる。
はやて「ありがと賢兄」
こうして大輔達の夜は過ぎていく。






























すずか「ピラミッドには、普通は見えない隠し通路があるそうなの」
すずかがキーボードを叩くと、外から見えていたままの逆三角形のピラミッドの図に加えて、砂に埋もれながら上下対称に砂時計のように広がる本来の形の四角錐とその中を走る通路を示す光の道が浮かび上がった。
大輔「皆、ピラミッドに潜入するメンバーを決めようぜ。」
フェイト「うん」
組み分けの結果、大輔、賢、フェイト、すずかの偵察組。
アリシアが戦えないため、残りの子供達が待機組となった。
いかな巨大なピラミッドとはいえ通路は狭く、またエテモンの強大な力の前に共倒れの危険性を考えての戦力分配だ。
監視のガジモンの目を盗み、偵察組はピラミッドのふもとへと忍んでいた。
なるべく音を立てないように心持ちゆっくりとキーを叩きながらすずかが囁く。
すずか「この側面に、ピラミッドへと入る入り口があるはず。今探すから物音を立てないように気をつけて…」
緊張と砂漠の暑さで灼ける子供達の背に、ざくざくと無遠慮に砂を踏む足音が小さく届いた。
とっさにピラミッドにへばりつくように身を隠し、様子を窺う。
思わず息を飲む大輔にブイモンが近寄る。
それを手で制して大輔は鋭く囁いた。
大輔「エテモンだ…」
最悪のエンカウントにチビモンが石壁にぶつかり、音を立てる。
エテモンが、それに気づいてしまった。
エテモン[…そこにいるのはだぁれ?]
勿体振るようにゆっくりと近づくエテモンの気配。
違う、これは、自分の鼓動が速すぎるせいだ。
心臓が激しく胸骨を叩く。
そして近づききったエテモンが、大仰に大輔達の隠れる石壁の陰を覗き込んだ。
エテモン[………気のせいだったかしら]
覗き込んだエテモンの視線の先には、誰も、何もいなかった。
ぽりぽりと頭をかいて、エテモンは来た道を戻ってゆく。






























大輔「ふう…」
エテモンがいなくなったことを確認すると子供達は安堵の溜め息を吐いた。
フェイト「間に合って良かった…」
暗い奥に向かいながらすずかはいつものように淡々と説明をしてくれる。
吸収するものがまるでない石の壁の中では声が恐ろしい程に反響する。
いつもより大分声量を抑えたすずかの声は少し聞きとりづらかった。
すずか「さっきの入口の部分は、見せかけだけの上っ張りのデータなの。通路の部分は中身のデータがあるから、どこでも通り抜けられるわけじゃないから気をつけてね」
しばらく進むと、また隠し出入口があった。
マジックミラーのように、こちら側からのみ隔たれた向こうを確認することが出来る。
足音に息を潜ませると、表通路の奥からガジモンが歩いてきた。
見えるわけはない、そう分かっていても体が強張り、肩に力が入る。
ガジモンはこちらなど見もせずに、雑談を交わしながら通りすぎていった。
フェイト「…行った…先に行こう」
賢「ああ…それにしても凄いな、隠し通路さえ無ければエジプトのピラミッドそのものだ」
すずか「そうですね」
フェイト「そうなの?」
大輔「ユーノを連れてくればよかったな。絶対に喜ぶぞ」
子供達はバレないように雑談をしながら先に進んでいく。






























辿り着いたのは、高圧電流が流れている網が張り巡らされた一室だった。
隠し通路の箇所だけは、唯一、ホログラムで人間もデジモンも安心して通ることが出来るらしい。
もし間違えでもしたら間違いなく、先導する人間は死に至るのは明白である。
幸い、ナノモンのデータには右から5マス目と書かれてあったので、大輔が先陣を切り、言う通りに数えて先に向かった。





























辿り着いたのはピラミッドの最深部である。
ここが目的地で間違いないとすずかは肯定する。
その奥にいたのは、頑丈な高圧ガラスで閉じ込められているナノモンの姿があった。
ルナモン[あれは、確かナノモンだよ。凄く頭のいいデジモン]
ルナモンが説明する。
フェイト「…ひょっとして、あのデジモンがメールを送ってきたの?」
フェイトが聞くと、答えは意外な場所から返ってきた。
ナノモン『その通りだ、選ばれし子供達』
すずかのパソコンにナノモンが映る。
すずか「そうか、赤外線ポートに直接データを送り込んでいるんだ」
ナノモン『私はかつて、エテモンと戦い、そして敗れた。……そして破壊された身体のまま、此処に封印され、思考能力を奪われた上で、エテモンのネットワークを管理するホストコンピュータの役割を与えられた。だがある日、私は記憶を取り戻し、エテモンに気付かれぬよう、少しずつ自分の身体を修復し始めたのだ。外で起こっていることは何でも知り、それに干渉することも出来るようになった。だが、封印を解除するには外部の協力が必要なのだ』
ナノモンの話に区切りがついたところで、すずかが口を開いた。
すずか「私の紋章はどこにあるのか、本当に知ってるんですか?」
ナノモン『勿論だ。私はエテモンすら知らない多くのことを知っている』
賢「信用出来るんだろうな?」
賢は疑わしげにパソコン画面を見つめた。
ナノモン『私と君達はエテモンの敵ということで共通している。信じて欲しい』
大輔「…分かったよ。で、どうすればいい?」
大輔がナノモンに尋ねる。
ナノモン『こちらの指示に従ってくれ』
ナノモンの指示を受け、子供達は行動を開始した。
すずか「大輔さん。そこのレバーを倒してください」
すずかが言うと、大輔はすぐに実行に移した。
壁にあったレバーを降ろすと、すずかの前のパネルが開き、中からダイヤルとボタンが現れた。
すずか「右…5。左…8」
すずかが指示通りにダイヤルを回す。
ナノモン『いいぞ、もう少しだ』
ブイモン[…………]
ワームモン[どうしたの?ブイモン?]
ブイモン[あ、いや…何かあのナノモン。凄く違和感を感じるんだよな…]
ワームモン[あ、ブイモンもそう思う?僕も同じことを考えてたんだ]
ブイモンとワームモンが違和感を感じながら、指示を出すナノモンを見つめていた。
すずか「これでボタンを押して…。大輔さん、レバーを戻してください。それで作業完了です」
大輔「了解」
その時である。
豪快な音が安堵の溜め息で漏れた子供達を硬直させた。
エテモン[やーっぱり、あんたの差し金ねえ!!ナノモン!!]
現われたのはエテモンだった。
選ばれし子供達は身構える。
ナノモン[到着が早いな]
エテモン[あーんだけ、分かりやすいくらいにすれ違い続けたら、いくらアチキでも気付くわよっ!!馬っ鹿にすんじゃないわよ、こんのスクラップ!!]
ナノモン[ふん、冷酷無情な貴様なぞに手を貸すほど、私は落ちぶれた覚えはない]
エテモン[ウキィイイイイッ!!相っ変わらず、むっかつくわーっ!!選ばれし子供達もろとも、瓦礫の下に埋めてあげるわよ!!]
大輔「そうはさせるか!!」
ブイモン、チビモン、ワームモン、ルナモンが進化してエテモンに立ち向かう。
エテモン[邪魔よ!!]
4体がエテモンに向かったが、うまく1体ずつ相手取られて返り討ちにされてしまう。
フレイドラモン[オーバードライブ!!ナックルファイア!!]
エテモン[ダークスピリッツ!!]
フレイドラモンとエテモンがぶつかり合う。
エテモン[ラヴ・セレナー…]
フレイドラモン[させるか!!]
ラヴ・セレナーデをする隙を与えないようにエテモンに突撃する。
その隙に大輔はレバーを押し上げた。
ナノモンの入った高圧ガラスのケースが開く。
ナノモン[己の作った封印の威力、思い知るがいい!!]
封印の三角形の壁面は四方に飛び、2匹のガジモンとフレイドラモン、エテモン、そしてレキスモンへと襲いかかった。
フレイドラモンは回避し、エテモンはそれを打ち壊したが、レキスモンは壁まで吹き飛ばされてしまう。
そのダメージで、レキスモンはルナモンへと退化してしまった。
すずか「ルナモン!!」
気絶しているルナモンに、すずかは必死で呼びかける。
ナノモンとエテモンが激突するが、エテモンが優勢である。
そして、すずかの近くまでナノモンが吹き飛ばされてきた。
エテモン[今度もアチキの勝ちね]
ナノモン[戦闘力だけの、猿が…!!]
唸るようにそう言った後、ナノモンは飛び上がってすずかの背後へと回った。
すずか「きゃああぁっ!!」
すずかとルナモンは、ナノモンの腕に捕らわれていた。
ナノモン[こいつらの真の力を利用すれば、お前など絶対倒せる!!覚悟して待ってるがいい!!]
賢「すずか!!」
エテモン[待ちなさい!!]
ナノモンは入口から逃げ去り、追おうとするエテモンの前にフレイドラモンとブイドラモンが立ちはだかった。
フェイト「ここは私達が何とかするから、大輔達はすずかを!!」
フェイトに促されるようにその横を抜けて大輔、賢、スティングモンはナノモンを追った。






























賢「すずか!!」
すずか「賢さーん!!」
通路の先からは、すずかの声が響いてくる。
大輔「隠し通路に逃げたんだ!!」
大輔達の前には、高圧電流の流れる金網が存在していた。
スティングモン[二人共、下がるんだ。ムーンシューター!!]
スティングモンが金網に光球を放ち、金網を破壊するとナノモンを追い掛ける。
大輔「それにしても、ナノモンの奴は何なんだ?いきなり裏切るなんて…違和感があるっつーか…」
賢「確かに…」
スティングモン[それなんだけど…]
大輔、賢「「?」」
スティングモン[ナノモンの頭部のデータチップ…規格が合っていないように見えた。いくら破壊されたとしても規格があまりにも違いすぎる]
賢「つまりナノモンのデータチップは偽物だということなのか?」
スティングモン[その可能性は充分にあると思うよ]
[おい!!]
全員【!!?】
ガジモンの出現にスティングモンが二人を守るように立つ。
ガジモンは慌てて手を振る。
[待て待て!!戦うつもりはねえんだ!!]
大輔「何?」
[お前達、ナノモン様のデータチップの規格が合ってないって言ってたよな?]
賢「え?そうだけど…」
[だったら頼む!!ナノモン様を元に戻すためにデータチップ探しを手伝ってくれ!!]
大輔「へ?」
[詳しい話は俺達の秘密の部屋でする。頼む、信じてくれよ…]
懇願するように言うガジモンに大輔達は頷き、ガジモン達についていくのだった。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧