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新妹魔王の契約者~龍剣使いの神皇帝~

作者:黒鐡
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1巻
  柚希との話し合い

放課後になったので俺らは帰る事になったが、澪との関係や柚希との関係がバレてしまったようだった。澪と一緒に住んでいるという事は、澪が深雪の事を姉さんと呼んでしまったので女子達が澪をとっちめたら織斑兄妹がいる家で一緒に住んでいる事を。その情報は瞬く間に学内に広がり、柚希についてはなぜかは知らないが幼馴染だという事を知られてしまった。その証拠に帰ろうとしたら、柚希が俺の腕にしがみ付いている事だったからだ。明日には蒼翼のプリンスと呼ばれる俺と深雪姫と呼ばれる深雪であった。

「初日で一緒に住んでいる事がバレるとは思わなかった」

「ごめんなさい一真、私の所為で・・・・」

「澪は悪くありません、ただ言ってなかっただけですから。にしても私も学内で人気者ですか、お兄様も蒼翼の王子様とかプリンスでしたか」

教室から出てからこの話で一杯だったが、正門で待っている結衣と万理亜を発見した。俺を見るや隣で腕を絡みついている女子を見たので、深雪に聞いていた。

「三人ともお勤めご苦労さまです・・・・ところで一真さんの腕にくっついているのは誰ですか?」

「それについては深雪に聞いてくれ、野中、俺と放課後に付き合って欲しいと言ったのでな。という事で俺と蒼太と野中は話し合いしてくるから、深雪達は先に家に帰ってろよな」

そう言って俺と野中は、俺が行くところに送迎車を発見し乗って行く俺と蒼太と野中だった。もう一台は深雪達を乗せて家まで帰ったが、車内で話した深雪。あの野中はまだ一真が分身体としてこの世界に来た時に偽りの記憶を勇者の里に入れ込んだ事で、野中とは幼馴染になっていたという関係だった。そんで俺が乗った車で十分くらいで着いたのは、喫茶店だが俺の顔を見るや否や個室を案内してもらい飲み物を頼んだ後に俺と野中が二人きりになったのだった。

「・・・・織斑君、教えて。刃更の事を、今どこにいるの?」

「そうだな、ここではこれで話すか。・・・・よう柚希、五年振りだな」

そう言って立ち上がると幻術で、容姿が東城刃更になった瞬間にこちらに来て抱き着いたのだった。だが、さっきまでそこにいたのは織斑一真のはずだったので、抱き着くのをやめた柚希だったが、俺が再び名前で呼ぶが同一人物だと知った柚希であった。

「まさか刃更が織斑君に擬態していた何て・・・・この事は里の連中も知らないはず」

「東城刃更の時は、あくまで分身体だったからな。だからあの時の俺は、勇者の里出身だったがそれは偽りの記憶で俺は生まれた時からそこにはいなかった。いや生まれたというより、最近になって別世界から来たと言った方が分かりやすいかな。今の俺が本当の姿何で、刃更じゃなくて一真と呼んでほしい。それが本当の名前だからな」

「異世界?・・・・一真はいったいどこから来たの?」

俺がどこから来たというのは、あとで言うが当時幼馴染だった柚希は分身体である俺によく懐いていた。里の連中も俺の行方を追っていたようだが、さすがにこの容姿と名前では分からず仕舞いだろうな。落ち着いた柚希は改めて名前で呼ばせてもらうと言った後に本題に入ったのだった。ちなみに俺と柚希は、個室なのでカウンターじゃなくてテーブル席だが隣同士で座っている。近い距離だからなのか、俺の方にピッタリと寄せてくるので女の子特有の匂いに素肌の感触があったので五年前より変わったんだなと感じた。

「分身体としての俺とは五年も前らしいが、随分と変わった様子だな」

「一真もね、あの時まさか名前と容姿を変えて来たとは思わなかった。もし名前がそのままだったら抱き着こうとしてたけど、別人のように感じたから」

まあ五年間と姿と名前が違うのだから当たり前かと思ったが、分身体情報からだと五年前よりも綺麗になった事だ。刃更の時は、幼馴染の中でも体は小さく幼い感じのようだったが、今は年齢よりも大人びて見えている。髪型を変えた所為もあるのか、昔の柚希は髪を長くしていた。だが一番変わったところは感情面だ、刃更の時は感情豊かな子だと分身体情報で聞くが、今は感情が見えない雰囲気を持っている。口数は子供の頃から少なかった気がするが、分身体でも知らない時間で彼女を変えたのだろう。

「俺=分身体である刃更の時の事は、ある程度知っているがそんなに嬉しそうな顔でもしてたのか?」

「私が抱き着いたら、ギュッて抱き締め返してくれた。剣の腕は、今でも里の中でも逸脱していた」

「まあそうだろうな、ところで俺の事はいいとして柚希は何か知りたい情報でもあるのだろう?例えば俺の妹である深雪や成瀬澪について」

「深雪さんの事は恐らく里に生まれる前からいたのではと思うから、一真・・・・これ以上、成瀬澪と関わらないで」

「やっぱりお前なのだな、里が決めたアイツの監視役は」

本来ならこんなところにいる方がおかしいからだ、一真の幼馴染として記憶の上書きをしてから、勇者の一族の少女が里を離れてこんなところにいないはずだと。

「準S級監視対象だったか・・・・」

「・・・・知ってたの?」

「俺ら蒼い翼の情報源を舐めてもらわないでほしい、勇者の一族には俺らのスパイが紛れ込んでいるから、そいつから聞いた。あとは迅から聞いた話だ」

「なら話は早い。今すぐ成瀬澪から離れて」

テーブルの上に置いていた俺の手に、柚希の手が重ねられた。そして、そっとこちらへと身を寄せて見つめる。澪は現魔王から追われているから、このままじゃ俺や迅に深雪が巻き込まれると言われたが俺は即座に拒否をした。一方家に帰った深雪達は、俺のところに盗聴器で聞こうとしていたらしいが生憎と個室には盗聴されないような部屋だったので一切声が聞こえないでいた。

「魔法や盗聴器でも聞こえないなんて、まさか個室で話をしているんじゃないよね?」

「ふむふむ、あのクラス委員長は勇者の一族で分身体であったお兄様の幼馴染だったようです。そして彼女は澪の監視者のようですね」

「いったいどうやって理解しているんですか?深雪さん」

「私やお兄様は神ですからね、念話で聞こえるのですよ。脳量子波とも言いましょうか、頭と頭で通信しているような感じですから」

深雪は一真からの情報を元に、ノーパソで会話をキーボードで打っていた。内容は澪達にも見えるが、一真の幼馴染で野中柚希は勇者の一族。澪はどこかしら避けられていたと思っていた。人には相性があるから、向こうが避けているのであれば無理に仲良くはしないのが一般論。その割に見られていたのは、向こうが監視者のためだった。向こうから仕掛けてこない内は、こちらも手を出す必要はない。澪の敵は現魔王派の魔族達で、勇者の一族や神族である一真達と敵になるようであれば離れたいと思ったが、深雪の言葉で安心した。

「大丈夫ですよ、澪が勇者や魔族と同じ神族から敵となったとしても、守るのが私やお兄様の仕事ですから。安心してください」

そう言ってから万理亜も澪を安心させようとしていたので、会話が止まったので深雪の手も止まっていた。そしてしばらくするとまた手が動き始めたので、俺らの会話も再起動したのだった。

「それは無理な相談だな、既に俺は勇者ではない者だ。そしてアイツらを守る守護者だ」

「・・・・でも、五年前の事件での事はまだ・・・・」

「五年前の事件?・・・・ああ、あの事件なら問題ない。あれは分身体と持っていた技の暴走だったのだから、澪は今までタダの人間だったが俺と深雪はそうじゃない。勇者ではなく神族の上位神として俺と深雪は、この世界に入ってきた者だ。今の俺は何時だって剣を振るう事も出来れば、誰を守る事であろうとも関係ない」

そういえば勇者の一族は、魔族からこの世界の平穏を守るために存在している。その理念は何よりも優先されていて、どのような犠牲を払ったとしても。この世界の勇者は誰もがファンタジー世界の英雄ではなく、己の存在を隠して守護するのは世界という現実だけだ。払わなくてはならない犠牲もあるが、俺にはそんな犠牲なくして敵を葬る力を持っている。五年前に起きた事件で当時の迅は言ってたな、勇者の一族の資格を失って勇者になれないのなら迅も勇者を止めて二人で里を離れたという事を。澪が命を狙われるのは、あくまで内輪揉めで勇者側は助ける理由はないからな。

「今の俺はな、勇者でもなければ人間でもない。俺は神族の上位神である創造神黒鐵と女神雪音である俺と深雪で守っていくと決めたのさ。例えこの世界にいる神族や勇者と敵になろうが俺達に敵無しだ。ま、あとは俺と深雪の力がどの程度か知るためでもあるが今はやめておこう」

「一真は今まで私達を騙していた事は、何となく理解しているけど。創造神黒鐵と女神雪音というのは聞いた事がない名前・・・・」

とまあここまでの会話を聞いている深雪の手が再び止まったが、澪と万理亜は自らの正体をバラした一真だったが聞いた事のない名前だと言っていた。

「恐らく勇者の一族は、神族の上位神の名前までは知らされてなかったのでしょう。私ら魔族でさえ、最近になって知った事ですからね。名前は知らなくとも翼の枚数で知ったのですから」

「一真と深雪姉さんの実力はまだ未知数だけど・・・・」

「私とお兄様は最強の座にあるので、心配いりませんよ。澪に万理亜」

その後、再び動き始めた深雪の手は会話を聞き取って行くが、一真が言っても柚希は納得しなかったが今度剣の腕を見せるという約束はした。柚希がどれだけ一真を説得しても無駄だと言う事もあるが、喫茶店を出た時にはすっかり夕方になっていた。しょうがないから喫茶店にあるケーキを買ってから、俺と蒼太は家に帰ろうとしたが柚希に止められる。

「・・・・ん?どうした柚希」

「・・・・やっぱり駄目。一真も迅さんも、もう里とは関係ない・・・・一真達だけで現魔王派と戦って勝機はあるの?」

「あるからこうしているんだ、・・・・蒼太、ケーキを持っていろ。現状が魔族同士の争いで済んでいるのは、敵も事を大きくしたくないからだ。だからこそ神族としての俺らで未来の魔王である澪を守ると決めたんだ、例えコイツらがいたとしてもだっ!」

言い終えた後に、神のオーラを放つと同時に柚希の後ろにいた敵を葬った後にこの辺りにいるはぐれ悪魔を俺の剣やいつの間にいたクロウ達で何体か葬った後に、やっと気付いたのか勇者の一族が力を解放した時に出る緑のオーラを放った時には、味方であるクロウを切ろうとしていたが、クロウの剣同士で争う。柚希の持つ霊刀は具現化させて居合いを放つ。霊刀は柚希の腕を肘まで装甲に変えていたが、俺らがはぐれ悪魔を葬った後だったので空振りに終わった。

「柚希、そいつは俺の味方だぞ?クロウも戻れ」

そう言ったらクロウは魔法陣で戻って行き、俺は剣を空間から戻すが俺の剣が魔剣ブリュンヒルドじゃない事を知った柚希だった。

「低級のはぐれ悪魔が、最近になってこの辺りを徘徊するのは最初から知っていた。柚希が気付かないほどのでも、俺らの索敵に引っかかるからな。澪に魔王の力が宿ってから、少しずつ力に引かれて数が増えてきている様子だな。ま、半径500mに俺らの方に近付いてきたら倒すようにしているし、一般人には見えない結界の中で倒している。今の所深刻なレベルではないが、いずれは危害を加えようとする輩が現れるだろう」

「それを知っていて、成瀬澪のところにいるの?それとさっきの剣は何?」

「俺の剣を知るのであれば、敵となった時に教えるさ。周囲に危険が及ぶのであれば、里はすぐに澪を消滅対象に切り替える。もしそうなっても俺は守ってみせる、幼馴染である柚希が敵になったとしてもだ」

そう言ってから、俺と蒼太は踵を返すとそのまま立ち去った後に送迎車に乗った俺と蒼太だった。柚希はしばらく立ち尽くしていたが、すぐにそのまま帰っていくのを見た俺らだったけどね。 
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