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魔法少女リリカルなのは ~Emperor of the ⅣGOD~

作者:不死廃人
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運命の瞬間

 
前書き
年をまたいでしまいました。みてくれている方には大変お待たせしました。
第二話どうぞ暖かい目でお楽しみくださいm(_ _)m 

 



長い山の坂を下り終えると大きな通りに出る。この通りを左側にそって進んでいくと住宅街があり、その住宅街を過ぎると俺の通う学校、私立聖祥大学付属小学校に着く。....長い名前で最初はとてもじゃないが覚えられないよ、と愚痴っていた俺も通っているうちに覚えることができた。海鳴市では有名な小学校らしいけどそこらへんはわからない。

「お!トモ〜、おはよ〜!」

学校に着くと後ろから声をかけられた。振り返ってみると、友達の神田 徹 (こうだ とおる)が居た。

「おはよ、徹。今日は英語の宿題提出の日だぞ?やってきたよね?」
「げっ、マジかよ!?あちゃ〜やり忘れてたな〜.....。」

そう言うと徹はこちらをちらっと見て頭を下げてきた。

「とも!頼む、一生のお願いっ!!宿題写させてくれ!!」
「え〜、また〜!?徹何回目だよ宿題忘れるの。一生のお願いに関しては何百回と聞いてるんだけど?」
「いやぁちょうど新しく買ったゲームに熱中しちゃってさ。英語どころか算数もやってないからピンチなんだよ...。な?頼むよぉともぉ〜!」

両手で俺の肩を掴み前後に揺らしながら泣きついてくる徹。
.......このやり取りも慣れたものになった。徹は今通っている小学校に入りたての頃にちょっとしたことがきっかけで仲良くなった友達だ。親がお金持ちなのでたびたび新しいゲームを買ってはそれに熱中し、宿題をやるのを忘れる。また、その度に俺に宿題を写させろーなどと言ってくるのだ。だがしかし、徹はこれでも学年トップクラスの成績を持っているから不思議だ。本人曰く、「授業で聞いたことと塾でやってることでじゅーぶん、じゅーぶん。宿題やったってテストの点数を左右させるには全く問題はないぞ!」などと言っている。......それで俺に泣きついてくるのはどうかと思うけどね。

「あーもう、わかったわかった!!写させてやるから揺らすのをやめて!!」
「やったぜ!!サンキュっとも!やっぱ持つべきものはともだね。助かるぜ。」
「まったく、たまにしか授業で宿題出されないのに、毎回忘れてくるのはどうなんだよ。」
「毎回じゃないさ!たまたま忙しい時期とかぶっちゃっただけだよ♪」
「徹の忙しいはそのほとんどがゲームやって遊んでいるだけでしょうに。」
「てへぺろっ☆」
「やめて、可愛くない。むしろ気持ち悪い。たぶんクラスで1番ダメなてへぺろだよ?」
「なっ!?ちょ、そりゃないぜとも〜。」

徹が泣き顏のような表情をしてがっくりとしてみせた。そんな表情が面白く、プッと吹き出した俺に徹が、なんだよ〜とヒジでつついてくる。そういう徹も笑っていた。
いつも通りの会話で教室まで愉快な友達と歩く。



教室についた俺は自分の机に荷物を置くとさっそく徹がこっちに来て
「とも、宿題プリーズ!!」
「はいはい、ちょっと待ってて」

すると前の席のほうから聞き慣れた声がかかってきた。
「ちょっと徹!!ま〜た宿題やってこなかったの?ほんっと懲りないわね〜あんた。」
「げっ!アリサ!!」
「ちょっと『げっ』とはなによっ!失礼にもほどがあるわね。そんなんだから宿題すらやってこれないのよ。」


この徹を叱りつけているのは、俺たちの友達のアリサ・バニングス。少しばかり気が強く、出会う前はやんちゃも多々していたと聞く。お金持ちのお嬢様らしくよく長ーい車での送迎をしてもらっているのを見かける。

「あ、アリサには関係ないだろぉ!こっちだってそれなりに忙しくしてたんだからな!」
「あんたの忙しいってどうせゲームでしょ、ゲーム。」
「うぐっ...ちがっ.....いや、そうだけどもさ!!たまたまだよ、たまたま!」
「ごく『たま』にしか出ない宿題を『たま』に忙しくなるあんたは『たまたま』宿題やり忘れたんだぁ?」
「そ、そうだよ!なんか文句あっか!?」
「いや、開きなおんなよ!そして毎回なんで俺をあてにするんだ....。」
「とものが1番やりやすい(写しやすい)!!」

と親指を突き立てこぶしを前に出してくる。
うわっ...もうダメだな徹....。こいつの将来が思いやられるよ

「呆れた...あんたなにをかんがえてこの学校入ろうと思ったの?」
「そりゃぁ宿題が少ないからさ!」
「ただでさえ少ないのになんでそれすらやってこないのよ!このバカ徹!!」

バカって言った方がバカなんだよ〜と逆にアリサをバカにし始める徹。なんですって〜と怒るアリサ。そんな小学生らしい喧嘩を俺の前でし始める。おいおい、宿題は写さなくて大丈夫か?と自分の周りで繰り広げられる騒動を見てると

「アリサちゃん落ち着いて、そんなに怒らなくてもいいんじゃない?」

と控えめな声が横から聞こえた。
声の主は、月村すずか。アリサを含める仲良し女子3人組の1人だ。おとなしい性格の子でほとんどの時間アリサと一緒にいるのを見かける。こちらもお金持ちのお嬢様でアリサとは家族間で仲が良いようだ。

「そうだよ〜。ともだって迷惑してそうには見えないし大丈夫そうだよ。」

とアリサをなだめる声がもう1人。アリサ、すずかと仲良し三人組のもう1人、高町なのはだ。近所の喫茶店「翠屋」のマスターの子供で俺とも幼馴染で昔からよく遊んでいる。翠屋のケーキは絶品で遊びに行くたびによくご馳走になった。なのはは明るい子で正義感が強く、みんなから慕われている存在だ。

2人になだめられたアリサはふんっと鼻を鳴らして
「他人に迷惑かけて宿題やってこないなんて、非常識にもほどがあるわっ。」
「にゃはは、確かに宿題は自分でやったほうがいいよね〜。宿題やっとけば自分の力になるんだよ、徹?」
「アリサちゃんとなのはちゃんの言うとおりだよっ、徹君!たまには自分でやらないとダメだよ?」
「うっ....。」
「あはは、お前の負けだな、徹。」
「しょうがない、すずっちとなのっちがそう言うなら今度からちゃんとやってくるよ。」
「...それを聞くと私の言ったことはほとんど同じなのに間違ってるように聞こえるんだけど」

とアリサがまたも徹に襲いかかってきそうな雰囲気を出していたがなのはとすずかがどうどうとなだめる。
そうこうしてるうちに授業の始まりの時間になり、徹は宿題を写す時間がなくなって入学以来、初めて怒られたのは自業自得だったであろう。



放課後になり俺はサッサと帰る支度をしていると

「ともっ!一緒に帰ろうぜ〜!それで俺んちであそぼう!新作を一緒にやってみたいんだ。」

徹が背にのしかかり声をかけてきた。新作とはゲームのことだろうけど

「俺は別にいいんだけど、徹は今日塾がある日じゃなかった?」
「あ、いっけねぇ〜。忘れてた、忘れてた。む〜それじゃ今日は遊べないな....。」

残念と肩を落とす徹はよほどそのゲームに夢中だということはみてわかる。

「じゃあ、塾の途中まで一緒に行こうぜ」
「帰り道はほぼ一緒だからいいよ、行こうか」

と2人揃って帰り道を行くことにした。


いつもの道を通っていると木々が生い茂るところで見慣れた3人を見かけた。あれは....

「アリサ達だ。あいつら立ち止まってなぁにやってんだ?」
「さあ?森の奥を見てるみたい....」

だけど、と言おうとした瞬間、ヒドい耳鳴りが俺を襲った。キィンキィンと頭ん中を駆け巡る耳鳴りは森の奥から響いているようにも聞こえた。

「?どうした、とも?」

耳鳴りをものともしないように俺の顔を覗き込む徹。

「き、聞こえないの?この頭ん中を引っ掻き回すような耳鳴り....。」
「へ?耳鳴り?そんなもん聞こえないけどな。」

徹には聞こえてないのか。そう思ってると耳鳴りは途切れ途切れの声に変わってきた。

(た....けて、.....れか.......)

声は次第に聞き取れるまで大きくなり

(だれか....聞こえているなら.....助けて......)

と助けを求めている声に変わった。と同時に前にいる三人組の中から1人が森の奥に駆け出して行った。
前で、「なのは!?」と声が聞こえたからおそらく駆けて行ったのはなのはであろう。そのあと、残ったアリサとすずかが追いかけて入ったのは合図に徹と目を見合わせた俺たちも後をついてった。
木々の間をぬっておいついたその先には少し開けた場所がありその開けた場所になのははいた。手にはなにやら汚れた毛みたいなものが......

「.......動物?」



______それがなのはの運命の出会いに立ち会った瞬間であった________





_______to be continue_______
 
 

 
後書き
年をまたいでしまったことを重ねて、謝罪します。
今後もよろしくお願いしますm(_ _)m 
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